東京新聞201992

自民党一強への対抗軸として歓迎したい。立憲民主、国民民主両党が衆参両院で会派合流する見込みとなった。数合わせに堕することのないよう、結束して政策論戦や国政監視に当たってほしい。

野党第一、二党の立民・国民合流は、七月の参院選結果に対する双方の危機感が引き金だ。立民は改選議席をほぼ倍増させたが、比例代表で結党直後の二〇一七年衆院選より三百万票以上減らした。国民は改選八議席が六議席に。新参のれいわ新選組の躍進とは対照的で、次期衆院選もじり貧と踏んだのだろう。

野田佳彦前首相率いる衆院会派「社会保障を立て直す国民会議」も加われば衆院百十七人、参院六十人の規模となり、衆院では第二次安倍政権発足後最大の野党勢力が生まれる。国会運営を巡る与野党折衝で発言力が高まろう。

国政選や知事選で候補者を統一する野党共闘は定着しつつある。旧民主党・民進党から生まれた両党の連携は自然だ。ただ、旧党へ先祖返りしただけと見られるようでは支持は広がらない。議員の理念や政策の溝を抱えたままの運営が分裂を招いた旧党の轍(てつ)を踏まぬよう、結束を図る必要がある。

基本政策に関し、脱原発や改憲論議への立場で立民と国民の間には隔たりがある。同一政党への合併ではない以上、細部まで一致させることはないが、少子高齢化を乗り切る大局的な国づくりでは同一視線で国会論戦に臨むべきだ。今後、徹底した議論を望む。

会派運営では、主導権争いが尾を引かないかが気掛かりだ。両党間では、特に議席数が伯仲していた参院で足並みがそろわない場面がしばしばあった。参院選でも一部選挙区で互いの候補が競合、新たなしこりを生んだ。

そもそも両党の合流が対等合併による統一会派結成なのかもあいまい。立民の枝野幸男代表は「永田町の数合わせにはくみしない」としてきた手前、立民会派に国民が入る形を描くが、国民内に反発がある。ここは堂々と対等に会派を組み、両党代表者の協議による民主的運営を期待したい。

野党勢力がまとまる最大の利点は、枝野氏らの言う通り国政のチェック機能が強化されることだ。相次ぐ政権の不祥事解明が不完全なのも、追及する野党が分散していた影響が大きい。今回の合流に加わらない共産党やれいわも野党共闘推進に異論はない。まずは立民・国民が度量を見せて団結の力を発揮する場面だ。