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地域の子どもに無料か低額で食事を提供する「子ども食堂」を朝の学校始業前に開く動きが広がっている。二〇一〇年代に始まった子ども食堂。貧困支援に止まらず地域住民の交流拠点など目的が多様化し急激に増えている

広がる朝の「子ども食堂」 平塚市や横須賀市で始まる

東京新聞2018年4月12日
 

地域の子どもに無料か低額で食事を提供する「子ども食堂」を朝の学校始業前に開く動きが広がっている。県内では平塚市や横須賀市で始まり、運営者は「栄養面だけでなく、生活リズムの改善にもつながれば」と期待する。 

 

手作りのおにぎりやみそ汁、焼きたてのサケが食卓に並ぶ。「いただきます」。九日朝、横須賀市内の古民家に小中学生ら約十人の元気な声が響いた。ここは、地域の子どもの見守り拠点として昨年六月に開設された「よこすかなかながや」。福祉施設職員の和田信一さん(50)が小学校の通学路に面した借家の居間を週三日、放課後などに開放している。ボランティアらと協力して無料で夕食を振る舞ってきたが、この日から朝食も始めた。

 

それまでの活動で、両親が共働きだったりして朝ご飯を作るのが難しい家庭もあると聞いたのがきっかけだ。「朝食をしっかり食べるようになれば勉強に身が入り、早寝早起きの習慣が付いて遅刻の防止などにもなるのでは」(和田さん)。休校日を除く月~金曜、授業に間に合うよう準備を午前七時半ごろまでに済ませ、児童らを迎える。

 

平塚市では一月、小中学校に近い居酒屋を借りた「朝ごはんこども食堂」がオープン。小学生の農業体験などを行うNPO法人「未来経験プロジェクト」(同市)メンバーの堤園子さん(42)が主催し、毎月第三月曜の朝に子ども五十円、大人二百円で提供している。

 

過去三回、児童や住民ら延べ五十人以上が訪れた。月曜に開くのは、休み明けで児童らの気分が乗らないことも多いから。堤さんは「子どもを元気に学校に送り出し、大人を含めた地域のつながりが深まる場所にしたい」と語った。

 

二〇一〇年代に始まった子ども食堂。貧困支援に止まらず、地域住民の交流拠点など目的が多様化し、急激に増えている。普及に取り組む支援団体「こども食堂安心・安全向上委員会」は三日、全国で二千二百八十六カ所、県内は百六十九カ所に上るとの調査結果を発表した。

 

そのほとんどが放課後や休日だが、近年は大阪府や福島県などで始業前に実施する例も。子どもを支援する個人や団体のネットワーク作りに取り組み、今回の支援団体の調査に協力した「子どもの未来サポートオフィス」(横浜市栄区)の米田佐知子代表は「朝食は学力や体力への影響が大きいとされるが、最近は食べる習慣のない家庭も多い。子どもにとって地域に居場所が増えることにもつながり、意義のある取り組み」と指摘した。


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