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福島原発事故の衝撃を振り返った直後の大飯原発再稼働。規制委の中で唯一の地震学者だった島崎氏の指摘を考慮せず適合と判断した。先に再稼働した高浜原発との同時事故からどう逃げる置き去りにしたままか。

大飯原発再稼働 置き去りにしたままで

東京新聞2018年3月15日 

八年目の春、福島原発事故の衝撃を振り返った直後の関西電力大飯原発再稼働。地震の揺れは? 先に再稼働した高浜原発との同時事故からどう逃げる? いや増す不安は、置き去りにしたままか。
 

大飯原発3号機が再び稼働した。一月中旬の予定が、神戸製鋼の製品データ改ざんや三菱マテリアルの製品改ざんの影響を受けて、延びていた。4号機も五月に再稼働させる計画だ。


関電が原子力規制委員会に、大飯原発3、4号機の再稼働を申請したのは、二〇一三年の七月だった。3・11後の新しい原発規制基準への「適合」第一号になるという見方もあった。
 

適合の正式決定は昨年の五月になった。審査が長期化したのは、耐震基準の目安となる地震の揺れの強さについて、意見が分かれたからである。規制委で地震動の想定に当たった当時の島崎邦彦委員長代理はおととし四月の熊本地震を踏まえ、想定される揺れの強さに「過小評価の恐れがある」と訴えた。地震を起こす断層の長さや深さが正確に把握できないからだ。
 

ところが規制委は「(計算上)調査の不確実性は考慮済み」という関電側の主張をいれて、規制委の中で唯一の地震学者だった島崎氏の指摘を考慮せず、適合と判断した。
 

規制委は二種類ある計算手法のうち一つだけを見て適合と認めたが、それについては政府の地震調査委員会からも「一つでは不十分。より精度を高めた計算手法の確立には三年ほどかかる」という声が上がっていたという。
 

もう一つ、大きな疑問がある。福井県の若狭湾一帯は、廃炉中のものも含めて十五基がひしめく“原発銀座”。先に再稼働した関電高浜原発からは直線距離で約十三キロしか離れていない。
 

高浜、大飯が同時に事故を起こした時に、どこへどうやって逃げるのか、同時事故を想定した避難計画は策定されていない。大地震の被害は広域に及ぶ。福島第一原発から約百キロ離れた東北電力女川原発も、電源喪失の危機に瀕(ひん)していたではないか。
 

大きな課題が先送りされており、住民の不安はまた増した。何より規制委は「安全」とは言っていない。八年目の節目。3・11の衝撃に思いを寄せたばかりである。

 私たちは、何を学ぶべきなのか。再稼働は、拙速のそしりを免れない。 

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