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裁量労働制の説明するためのデータが不適切で安倍首相が国会での答弁を撤回する事態になっているデータ誤用について首相は衆院予算委員会で深くおわびしたいと表明はしたしかしその責任は厚労省にあると人ごとだ。

裁量労働制 疑問は一層深まった

東京新聞2018年2月22日 

裁量労働制の利点を説明するためのデータが不適切で、安倍晋三首相が国会での答弁を撤回する事態になっている。政府はデータ誤用の検証結果を説明したが、十分とはいえない。疑問は残る。 

データ誤用について、首相は二十日の衆院予算委員会で「深くおわびしたい」と表明はした。しかし、その責任は厚生労働省にあるとの認識も示した。まるで人ごとだ。政府の政策全般に責任がある首相がとる態度ではない。 

データは、一般労働者より裁量労働制で働く人の労働時間が短くなることを説明するためだった。比較できないデータを使用した単なるミスで、裁量労働制の対象業務拡大を含む働き方改革関連法案の内容は厚労省の労働政策審議会(労政審)も審議し、お墨付きを得ている。だから予定通り法案を提出する。これが政府の姿勢だ。
 

政府の説明は、疑問に答えていない。データは二〇一五年に公表されたが、なぜ厚労省が比較できないデータで策定したのか。どんな意図でだれの指示でつくったのか、策定したデータをだれに報告したのかなどその経緯が分からない。野党が「捏造(ねつぞう)」と反発するのもうなずける。解明の責任が残る。 

裁量労働制は、残業も含め事前に労使で労働時間と賃金を決める働き方だ。残業代は「定額」で働かせられるためコスト抑制につながる。今回の対象拡大は経済界から要請されている規制緩和策だ。 

政府が説明する働く時間が短くなるとの利点はデータ誤用でその根拠が怪しくなった。むしろ長時間労働を助長するとの別の調査もあり、そうなら改革に逆行する。政府はこの働き方についてどう考えているのかをあらためて示す責任があるが、答えていない。 

労政審は有識者と労使の三者で構成する。政府は、ここでの議論を経て法案化したと正当性を主張するが、労政審に今回の比較データは示しておらず不適格性に気づけなかったのではないか。 

安倍政権の労働政策は、労政審ではなく労働側が加わらない官邸の会議など官邸主導で進められることが目立つ。この制度の対象拡大や「残業代ゼロ制度(高度プロフェッショナル制度)」もこの手法で法案化された。このやり方を労働側は再三批判してきた。 

政府は、裁量労働制の対象拡大の施行を一年延期することを検討中だ。だが、遅らせて済む問題ではない。やはり、この二つの制度は法案から切り離し再考すべきだ。

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