« 世界一の経済大国が野放図な財政運営で赤字を垂れ流すと世界経済を混乱させかねない。 トランプ米政権が2019会計年度の予算教書を議会に提出した。財政赤字は19年度だけで1兆ドル現在の1・5倍に急増する。 | Main | 高齢化に伴う社会保障費の増大などで国と地方の借金は1000兆円を超す。それなのに安倍晋三首相は消費増税を先送りしたうえ借金返済に充てる予定だった増税の使途も変え財政健全化目標を棚上げした。 »

安倍首相が裁量労働制で働く人の労働時間についての国会答弁を撤回した問題一般労働者が不自然に長く働いたケースが見つかっており専門家は長時間労働の温床とされる裁量労働制への懸念をなくすため捏造されたと指摘

裁量労働制調査データ ミス?捏造?厚労省、19日に精査結果公表

東京新聞2018年2月16日  

安倍晋三首相が裁量労働制で働く人の労働時間についての国会答弁を撤回した問題を巡り、加藤勝信厚生労働相は十五日の衆院予算委員会で、首相が引用した厚労省調査を精査した結果を十九日に国会で報告すると明らかにした。この調査では、裁量労働制ではない一般労働者が不自然に長く働いたケースが見つかっており、専門家や野党には「長時間労働の温床とされる裁量労働制への懸念をなくすために、捏造(ねつぞう)された数字ではないか」との疑いも出ている。

問題の調査は、二〇一三年度の労働時間等総合実態調査。一般労働者九千四百四十九人の一日の残業時間を聞き取り、平均一時間三十七分とした。法定労働時間(八時間)を足すと九時間三十七分。裁量労働制で働く人の平均労働時間も調べ、約二十分短い九時間十六分とした。首相はこれを根拠に、今年一月、裁量労働制の労働時間が一般労働者より短いデータがあると答弁した。 

一般労働者の残業時間の内訳を公表するよう野党が同省に求めたところ、一日十五時間超残業した人が九人いたことが判明。一日二十三時間超働いた計算だ。また、調査は一般労働者の一週間の平均残業時間を二時間四十七分としていた。それなのに一日の平均が一時間三十七分というのは不自然との指摘もある。 

厚労省の担当者は、十五時間超の残業について「残業時間ではなく、一日の総労働時間を間違って聞き取った可能性もある」と、単純ミスだった可能性を指摘する。  一方、立憲民主や希望など野党六党が十五日、合同で厚労省から事情を聴いた会合では「官邸の指示で作った数字ではないのか」といった声が相次いだ。 

会合に出席した法政大の上西充子教授は「裁量労働制が長時間労働にならないことを示すため、調査の後から作られたデータと考えるのが自然だ」と話す。十五日の予算委で厚労省は、裁量労働制の労働時間が一般労働者より短いとする調査は、今回問題になった厚労省調査以外にないことを明らかにした。 

首相は同日の政府与党連絡会議で、答弁撤回に触れ「気を引き締めて細心の対応をしたい」と与党に陳謝した。 

首相の答弁撤回 法案の再考が必要だ 

安倍晋三首相は、重視する働き方改革関連法案に関する国会での答弁を撤回、おわびした。根拠となるデータへの疑義を認めたからだ。経緯の説明とともに法案の再考が必要だ。 

「答弁が虚偽だったということであり、論外だ」 立憲民主党の蓮舫参院国対委員長はこう批判した。不確実なデータだったことに野党各党が一斉に反発するのもうなずける。 

撤回した答弁は、働き方改革関連法案に含まれる裁量労働制に関する質疑だ。首相は一月二十九日の衆院予算委員会で「裁量労働制で働く方の労働時間の長さは、平均的な方で比べれば一般労働者よりも短いというデータもある」と、制度の利点を強調した。

野党は首相が引用したデータに疑義を指摘、首相は今月十四日になってデータの出し方に瑕疵(かし)があったと認め撤回した。まず指摘したいのは、この制度導入の理由のひとつとして政府が挙げる労働時間の短縮に疑問がでた点だ。議論の前提が崩れた。政策への基本的な姿勢が問われる。 

首相が「働き方改革」を最重要課題と言う割には、お粗末な答弁ではなかったか。通常の働き方の労働者より裁量労働制の労働者の方が労働時間が長いとの別の調査もある。政権に都合のいい数字を出して審議していたとしたら許されない。国会を軽視していると言わざるを得ない。 

政府はデータを精査し十九日にも報告する考えだ。なぜこんな不確実な調査がまかり通ったのか、国民に説明する責任がある。裁量労働制は、残業も含め労働時間と賃金をあらかじめ労使で合意する働き方だ。仕事の進め方を労働者の裁量で決められる職種が対象となる。労働者の裁量で効率的に仕事ができると政府は説明するが、実際は賃金以上の長時間労働が広がると懸念されている。関連法案には営業職にも対象を広げることが盛り込まれている。 

この制度の拡大は、「残業代ゼロ制度」と批判のある高度プロフェッショナル制度の創設と合わせ、経済界が求める規制緩和策である。しかし、両制度とも「働かせ放題」になると批判があり、二〇一五年に法案が国会に出されたものの審議されていない。 

今回の関連法案には、残業時間の上限規制など長時間労働の是正策が入るが、その改革の方向と逆になる制度を抱き合わせる手法は問題である。規制緩和策を法案から切り離すべきではないか。

|

« 世界一の経済大国が野放図な財政運営で赤字を垂れ流すと世界経済を混乱させかねない。 トランプ米政権が2019会計年度の予算教書を議会に提出した。財政赤字は19年度だけで1兆ドル現在の1・5倍に急増する。 | Main | 高齢化に伴う社会保障費の増大などで国と地方の借金は1000兆円を超す。それなのに安倍晋三首相は消費増税を先送りしたうえ借金返済に充てる予定だった増税の使途も変え財政健全化目標を棚上げした。 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



« 世界一の経済大国が野放図な財政運営で赤字を垂れ流すと世界経済を混乱させかねない。 トランプ米政権が2019会計年度の予算教書を議会に提出した。財政赤字は19年度だけで1兆ドル現在の1・5倍に急増する。 | Main | 高齢化に伴う社会保障費の増大などで国と地方の借金は1000兆円を超す。それなのに安倍晋三首相は消費増税を先送りしたうえ借金返済に充てる予定だった増税の使途も変え財政健全化目標を棚上げした。 »