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故人の配偶者が「居住権」を持ったり、親族が介護すれば金銭を請求できる。だが前提は法律婚だ。多様化の時代に即した知恵もいる。

相続制度改正 もっと柔軟な知恵も

東京新聞2018年1月26日
 

法制審議会の部会が相続制度改正の要綱案をまとめた。故人の配偶者が「居住権」を持ったり、親族が介護すれば金銭を請求できる。だが前提は法律婚だ。多様化の時代に即した知恵もいる。相続分野の民法改正は一九八〇年以来の見直しとなる。背景となる出来事があった。

最高裁が二〇一三年九月の決定で、結婚していない男女間の子(婚外子)の遺産相続分を、法律上の夫婦の子(嫡出子)の半分としていた民法規定を「違憲」と判断したのだ。これを受けて改正民法が同年十二月に成立した。そして自民党の一部から湧き起こったのが「家族制度が壊れる」との声だ。 

そこで、法務省は法律婚の配偶者優遇の検討を開始した。一五年、当時も法相だった上川陽子氏が法制審に諮問したのが、相続分野の民法改正だったのだ。法制審での焦点は、高齢の配偶者の家と生活資金だ。相続分は遺産の二分の一だ。評価額が高い自宅を相続すると、残る遺産の分割で得られる預貯金などが少額になり、生活費が不足する。

だから、浮かび上がったのが、配偶者が家を出ていかなくても済む「居住権」を新設することだ。住宅を「所有権」と「居住権」の二つの権利に分けて、配偶者に居住権を与えるルールだ。居住権は相続されず、配偶者が居住権、子どもが所有権を取得する。 

高齢化社会の中で故人の配偶者にとって、有効な施策であるには違いない。これは評価できる。もう一点の重要な変更は、介護した親族にその貢献を認め、金銭を請求できる制度を新設することだ。相続する権利のない親族も含まれる。介護の尽力に見返りがある方が合理的だといえよう。 

ただ、法律婚でないと、相続の対象外という根本は変わらない。むろん法律婚が社会や家族の基礎をなすことは否定しない。一般的だ。だが、中高年になって配偶者と死別し、新しいパートナーと出会っても、あえて戸籍に記入せず、事実婚を選び、同居する人々も多いのである。 

ただ、パートナーが献身的な介護を尽くしても何の見返りも得られない。遺言がない限り、法律婚でないから、高齢なのに家から出ていかざるを得ない。この矛盾は放置していいのか。 

社会保障では事実婚でも遺族年金などの給付対象になる。社会は多様化が進む。柔軟な発想がいる時代なのではなかろうか。

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