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米国の安保戦略冷戦時代をほうふつとさせる力任せの姿勢は対立をあおり、世界が乱れるだけだ。地球温暖化対策の国際的な枠組みであるパリ協定からの離脱を表明したことで、米国は孤立した。

米国の安保戦略 力任せは世界を乱す


東京新聞2017年12月27日
 

圧倒的な軍事力と経済力で競争を勝ち抜く-。トランプ米大統領が発表した外交・安保政策の指針「国家安全保障戦略」のこれが要点だ。そんな力任せの姿勢は対立をあおり、世界が乱れるだけだ。
 

冷戦時代をほうふつとさせる好戦的な基調である。安保戦略は「米国は世界中で政治、経済、軍事の競争激化に直面している」との現状認識を示した。
 

そのうえで米国主導の国際秩序に挑戦する中国、ロシアの「修正主義勢力」、イランと北朝鮮の「ならず者国家」、それに過激主義の国際テロ組織を脅威として認定した。


特に中ロ両国はライバルと見なして対抗心をむき出しにした。両国を自由主義陣営の仲間に取り込もうとした冷戦後の関与政策は失敗だったと認めた。
 

トランプ氏持論の「力による平和」を前面に出し、核戦力は「平和を守り、米国と同盟国への攻撃を抑止する戦略の礎」と位置付けた。オバマ前政権の「核なき世界」は跡形もない。前政権が脅威に挙げた地球温暖化も消えた。
 

トランプ氏がかねて見せた同盟国軽視の姿勢は鳴りをひそめた。だが、米国の力の限界を認めて同盟国・友好国と協力して難局に当たろうとしたオバマ前政権の国際協調路線とは異なる。
 

「強い米国は米国民だけでなく、われわれのパートナーになりたい者にとっても死活的な利益だ」とうたったところに、「米国第一」の独善主義がちらつく。国際社会の先頭に立つリーダーの気概とは、これは別物である。それにトランプ氏の一貫性のない言動は、目標とする「強い米国」に逆行している。


アジアの貿易秩序の主導権を握る道具立てのはずだった環太平洋連携協定(TPP)と決別したのは、中国を利するだけだと厳しく批判されている。
 

地球温暖化対策の国際的な枠組みであるパリ協定からの離脱を表明したことで、米国は孤立した。エルサレムをイスラエルの首都に認定したことでも孤立したばかりか、パレスチナでは流血を招いた。
 

首都認定撤回を求める国連総会決議をめぐる米国の恫喝(どうかつ)姿勢は、米国の信用を著しく傷つけた。米国の繁栄も世界の平和と安定があってこそだ。
 

ころが、国際社会はトランプ・リスクに身構え、秩序をどう守ろうかと腐心している。トランプ氏は自己の矛盾を悟るべきだ。

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