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「核エネルギー制御不能」外交文書 チェルノブイリ事故で旧ソ連外相

「核エネルギー制御不能」外交文書 チェルノブイリ事故で旧ソ連外相


東京新聞2017年12月21日
 

外務省は二十日、外交文書二十五冊を一般公開した。一九八六年四月にソ連(現ウクライナ)で起きたチェルノブイリ原発事故を巡り、翌五月の日ソ外相会談でシェワルナゼ外相が「平和な状況の下においても、核エネルギーは制御し得なくなった」と発言していたことが明らかになった。事故直後に東京で開催された先進国首脳会議(サミット)に向け、日本政府が国内の原発政策に影響するのを避けようと、推進の姿勢を鮮明にすべく動いていたことを示す記録もあった。 (大杉はるか)
 

チェルノブイリに関する記録は、外務省原子力課(現国際原子力協力室)が集約した約千五百ページ分。
 

四月二十六日の事故発生から約一カ月後の五月三十日、ソ連で行われた日ソ外相会談で、シェワルナゼ氏は安倍晋太郎外相に「チェルノブイリは全人類にとっての強い警告であると思う。事故は悲劇だった。人も死んだし、被ばくして病気になった人も出た。ただし破局は防止することができ、今のところ状況は安定している」と説明。こうしたやりとりが記された公文書が開示されたのは初めて。
 

日本政府が発生直後から、事故炉と国内原発の炉型の「違い」や国民への影響がないことを指摘している記録も複数あった。四月二十九日の科学技術庁の文書には「わが国に設置されている原子炉とは異なるものである」「放射能の影響はないと考えられる」と明記されている。
 

五月四~六日の東京サミットに向けた一日付の日本政府の「『ソ連原発事故』対処方針案」では、参加国が取るべき措置として「原発推進の必要性を再確認する」ことを挙げている。中曽根康弘首相用に作成されたサミット発言要領でも「事故の教訓を活(い)かし、今後とも安全確保に努めつつ原子力発電その他の原子力開発利用を推進することが肝要」と記されている。
 

日本が議長国を務めたサミットで出された声明は「原子力は将来ともますます広範に利用されるエネルギー源である」「われわれのいずれの国も、厳格な基準を満たしている」と強調。一方で、原案にあったチェルノブイリ事故に対する「懸念」の表現は消え、ソ連に迅速な情報提供を求めたのにとどまった。

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