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与党議員が政府擁護の質問を繰り返せば、国会審議の形骸化に拍車がかかるだけだ。与党が質問時間を増やしたいのなら、法案提出前に与党の了承を得る「事前審査制度」の廃止が先決ではないか。

増える与党質問 「事前審査」廃止しては

東京新聞2017年11月28日

 
与党議員が政府擁護の質問を繰り返せば、国会審議の形骸化に拍車がかかるだけだ。与党が質問時間を増やしたいのなら、法案提出前に与党の了承を得る「事前審査制度」の廃止が先決ではないか。
 
衆院予算委員会できのう安倍晋三首相と全閣僚が出席して基本的質疑が行われた。きょうまで二日間の日程で、参院でも二十九日から二日間行われる。これまでと違うのは、与党議員の質問時間が増えたことである。
 
衆院予算委の審議時間は二日間で計十四時間。持ち時間の割り振りは与党五時間、野党九時間で比率はおおむね三・五対六・五だ。今年一月召集の通常国会では与党二、野党八の割合で配分されており、与党側が質問時間を一・七五倍に増やしたことになる。
 
与党側の理屈はこうだ。自民党は衆院選で勝利したが、議席数の多さに比べて国会での質問時間が限られており、有権者から国会で仕事をしていないと指摘される。議席数に応じて質問時間の配分を行うのは当然だ-。
 
若手議員の要請を受けた首相(自民党総裁)は、質問時間を野党側に多く割り振る慣例を見直す党の方針に同調していた。しかし、野党は政権監視の役割を担うからこそ国会で質問時間がより多く配分されていることを忘れてはなるまい。少数意見に耳を傾けることは民主主義の要諦だ。
 
加えて、自民党政権下では、政府が法案や予算案を国会提出する前に、与党の了承を得る「事前審査制度」がある。法的な根拠はないが、長年の慣例であり、自民党の権力の源泉にもなってきた。
 
政府提出法案はすでに与党内で議論を経ており、与党議員が国会で質問を重ねる必要性は薄いとされてきたことも、与党の質問時間が少ない背景にあったはずだ。
与党側は質問時間を増やす理由に衆院選での勝利を挙げるが「森友」「加計」両学園の問題をめぐる野党の厳しい追及を避ける「疑惑封じ」の意図があるなら、動機が不純と言わざるを得ない。
 
事前審査制度は、国会審議が形骸化する元凶とも言われてきた。与党が国会での質問時間を増やしたいなら事前審査制度を廃止し、与党も野党同様、国会の場で法案審査をしたらどうか。
 
有権者に仕事ぶりをアピールしたいのなら、原則非公開の自民党の部会や政務調査会、総務会などを全面公開する方法もある。その場で問われるのはもちろん、質問する議員の力量である。

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