突然の衆院解散総選挙による大きな変化は民進党が分裂したことです。野党勢力が散らばっていては巨大与党に対抗できません。実際野党統一候補と自民候補の戦いは野党が勝利しています。今後勢力再結集に向けて知恵を絞り精力的に汗をかくべきです。
突然の衆院解散総選挙による大きな変化は民進党が分裂したことです。野党勢力が散らばっていては巨大与党に対抗できません。実際野党統一候補と自民候補の戦いは野党が勝利しています。今後勢力再結集に向けて知恵を絞り精力的に汗をかくべきです。
分裂の野党勢力 再結集へ知恵も汗も
東京新聞2017年10月24日
突然の衆院解散、総選挙による大きな変化は、民進党が分裂したことだ。野党勢力が散らばっていては、巨大与党に対抗できない。勢力再結集に向けて知恵を絞り、精力的に汗をかくべきである。
千々に砕けたかけらを、一つ一つ集めて、それをもう一度、つなぎ合わせるのは、根気の要る作業ではある。しかし、日本の政治を正すには野党勢力を再結集することは避けて通れない道だ。
公明党が議席を減らしたとはいえ、自民党と合わせて衆院で三分の二以上を維持した。安倍晋三首相が掲げた「解散の大義」に疑問がないわけではないが、結果を見ると、首相の選挙戦略が的中したことは認めざるを得ない。
首相が想定していたか否かは不明だが、政敵の民進党が衆院で、希望の党、立憲民主党、無所属へと分裂した。国会での一強多弱の状態は極まったとも言える。
首相や自民党は今後、強気の政権運営をするだろう。安全保障関連法や「共謀罪」法の成立時のような強硬な国会運営を繰り返すかもしれない。首相が憲法改正に向けた動きを強めるのは必至だ。
大方の国民の意に反する政治や平和主義を脅かすような改憲が行われようとする場合、野党勢力が分裂したままでは多勢に無勢だ。勢力を再結集し、巨大与党の独走を止めることが、野党に今、課せられた責務と自覚すべきである。
前原誠司民進党代表は主導した希望の党への合流について「見直さないといけない」と述べた。当然だ。そもそも政策の違いに目をつぶり、生き残りを目的とした合流が国民の理解を得られるわけがない。混乱を招き、自民一強の継続を許した責任は極めて重い。
枝野幸男元官房長官が立ち上げた立憲民主党が議席を大幅に伸ばし、野党第一党になった。自民党には遠く及ばないが、枝野氏は古巣の民進党を含む野党結集に向けた役割を積極的に果たすべきだ。
その際、必要とされるのは、民進党から希望の党への合流者を選別した小池百合子東京都知事のような排除の姿勢ではなく、恩讐(おんしゅう)を越えて多くの人を包み込むような包摂の思想である。
理想や目指す政策に多少違いがあっても、合意点を探り、反対者を説得して政策にまとめ上げる。その努力を惜しんでは巨大与党に立ち向かうことは到底できない。
日本政治の岐路である。覚悟を持って政権と対峙(たいじ)してほしい。野党勢力を再結集し、選択肢を示すことは、全国民のためでもある。
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