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農業と温暖化 「稲作前線」異状あり

農業と温暖化 「稲作前線」異状あり

東京新聞2017年10月14日

 
新米の季節-。ところが温暖化、異常気象の進行で、主食である米作りの現場にも、さまざまな異変が広がって、産地は「適応」に追われている。十年先、二十年先にも、おいしい米が実るよう。
 
昨年夏(六月から八月)の平均気温は、平年より一・一度高くなり、一九四六年の統計開始以来、最高を記録した-。
 
農林水産省が先月公表した「二〇一六年地球温暖化影響調査レポート」によると、昨年の七月から九月、稲穂が伸びる出穂期から、米粒が膨らむ登熟期にかけての高温の影響で、白未熟粒が発生する範囲が広がった。
 
白未熟粒とは、登熟期に気温が上がり過ぎたり、日照量が少な過ぎたりすると、玄米が白濁し、品質が低下する現象だ。出穂後二十日間の平均気温が二六度以上になると、増えるという。昨年、白未熟粒の発生を報告した都道府県は西日本を中心に二十七。前年より四割増えた。
 
虫害の多発や胴割れ、米粒の充実不足なども報告されている。自然を相手になりわいを立てる農家は、気候変動に敏感だ。私たち消費者より一足先に温暖化を体感し、「適応策」を講じてきた。農家はすでに、高温に強い品種や、強大化する台風の風にも倒れにくい品種への切り替えを急いでいる。
 
長年、ブランド米の代名詞とされてきたコシヒカリは、暑さに弱い。そこで、作付面積の七割をコシヒカリが占める新潟県は、約五百品種を交配して七年がかりで育成した「気温が上がっても食味が確保できる」(米山隆一知事)晩生新品種の「新之助」を、この秋本格的に市場に出した。
 
このほかにも富山県の「富富富(ふふふ)」、熊本県の「くまさんの輝き」など、来年、国の減反政策が廃止されるのも相まって、銘柄米の産地間では「暑さに強くおいしい米」の開発競争の様相だ。
 
米だけにはとどまらない。三重県名張市のブドウ農家は「晴れた日が極端に続いたり、雨量が極端に多くなったり、年々管理が難しくなっている」と話す。そして気候変動の影響は、台所へと広がっていくだろう。
 
おいしい新米を末永く味わい続けるために、台所では何ができるだろう。
省エネは温暖化対策の特効薬。冷蔵庫に眠る食品ロスを一掃したり、地産地消に努めたり、できそうなことは少なくない。

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