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日本の岐路エネルギー政策原発依存からの出口は「パリ協定」の発効で再生可能エネルギー分野に投資が集まり、風力や太陽光の発電コストはどんどん下がっている。

日本の岐路 エネルギー政策 原発依存からの出口は

毎日新聞2017年10月13日

原発・エネルギー政策が衆院選で争点の一つとなっている。希望の党が選挙公約で「2030年までに原発ゼロ」を打ち出し、原発を「重要なベースロード電源」と位置付ける自民党との差別化を図っているためだ。

東京電力福島第1原発事故から6年半が過ぎている。原発依存に回帰するのか。それとも脱原発を進めるのか。国の将来像がかかる総選挙だからこそ、議論を深めたい。

福島第1原発事故では、いまだに6万人近くが避難生活を送る。廃炉作業も難航している。経済産業省の試算では、福島の廃炉や賠償、除染などの費用は約22兆円に膨らんだ。

安全対策の強化が求められた原発の建設コストは上昇した。ベトナムは、日本の受注が決まっていた原発建設計画を白紙撤回した。一方、地球温暖化対策の新枠組み「パリ協定」の発効で再生可能エネルギー分野に投資が集まり、風力や太陽光の発電コストはどんどん下がっている。

このように、原発の退潮と再エネの拡大が世界の潮流となった。ところが、自民党は原発回帰路線を歩む。公約で「依存度を可能な限り低減させる」としつつ、安倍政権は30年度の電力供給の約2割を原発で賄う方針を掲げている。

ならば、核燃料サイクルへの対応などについても説明責任があるはずだが、公約では触れられていない。建て替えや新増設の是非も含め、長期的な原発政策を示すべきだ。

希望の党は、原発ゼロと言いながら、再稼働は認めるという。40年運転した原発を廃炉にする原則を徹底したとしても、それでは30年に原発ゼロにはならない。この矛盾した政策に対する見解を、希望の党は示していない。自民党とどこが違うのだろうか。有権者には極めて分かりづらい。

立憲民主党と共産、社民両党は「原発ゼロ」に加え、再稼働にも反対している。では、将来のエネルギー供給の全体像をどう描くのか。裏付けとなる体系的な政策を示すべきだ。

野党にとっては、肉付けした政策を示すのが難しい側面もあるだろう。だが、有権者の理解を深めるには、具体策を提示した上での論戦が欠かせない。


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