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八月から介護サービスの自己負担額が増えた。一定の所得のある人が対象で、政府は高齢者にも制度の支え手になることを求めている。制度維持は重要だが、過度な負担にならないか注視が必要だ。  

介護の負担増 支えられるか見極めよ

東京新聞2017年8月18日

 
八月から介護サービスの自己負担額が増えた。一定の所得のある人が対象で、政府は高齢者にも制度の支え手になることを求めている。制度維持は重要だが、過度な負担にならないか注視が必要だ。
 
介護、医療、年金などの制度を支えるのに、ひとつの考え方がある。現役世代だけでなく負担能力のある高齢者にも支え手になってもらう。「応能負担」と言う。
 確かに、制度の恩恵を受ける高齢者が増える一方、支え手である現役や将来世代が減る少子高齢化が進む。非正規で働く人が増える現役世代にとっては、自身や家族の生活を守ることに必死にならざるを得ない状況もある。
 
世代に関係なく支えられる人が制度を担う。この考え方で、社会保障制度をつくり直すしかない。
 
そこで八月からの負担増だ。介護サービスには、利用が多い人の自己負担が重くならないよう一カ月の負担が一定額を超えた分を払い戻す仕組みがある。例えば、住民税を払っている人(単身者だと年収三百八十三万円未満)で、原則負担する月上限が七千二百円アップし四万四千四百円になる。所得の高い大企業の従業員など現役世代も、保険料を多く納めてもらう仕組みを導入した。
 
ただ、負担能力に見合った負担となるのか。気になるのは、来年八月から予定されるサービス利用時の自己負担割合を二割から三割に引き上げる改正だ。今回決まった負担増メニューのひとつである。自己負担は介護保険がスタートした二〇〇〇年から長らく一律一割だった。一五年に一定の所得のある人が二割に上がった。その実施から間もないのに二割対象者のなかで所得の高い約十二万人を対象にさらに引き上げる。
 
政府は二割負担の影響はないと言うが、利用者からは反対の声が聞こえてくる。四月の国会で「認知症の人と家族の会」の田部井康夫副代表理事は「二割負担でも非常に厳しい状況に置かれている人が相当数いる。三割負担には賛成できない」と訴えた。サービスの利用控えが心配だ。負担の無理強いがあるなら看過できない。
 
政府は、まず財源確保に責任があることを肝に銘じるべきだ。同時に、要介護状態になる前の予防の重要性が増している。食生活から栄養状態が良くない高齢者もいる。食事や運動、外出など日常生活のサポートを強化すべきだ。
 
健康で活動的に過ごせる「健康寿命」を延ばすことは高齢者自身のメリットにもなる。

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