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嘘で塗り固めるしかなくなった安倍総理の支持率回復戦略。長年の友人でゴルフや食事を頻繁に行う関係にある二人が今治市に獣医学部を作る話を全くしたことがないと言われてそれを信じる日本人がどれほどいるだろうか。おそらくいないだろう。(田中良紹氏)

嘘で塗り固めるしかなくなった安倍総理の支持率回復戦略。長年の友人でゴルフや食事を頻繁に行う関係にある二人が今治市に獣医学部を作る話を全くしたことがないと言われてそれを信じる日本人がどれほどいるだろうか。おそらくいないだろう。

(田中良紹氏)26th Jul 2017 

衆参両院で行われた閉会中審査を見て、安倍総理が何のために国会を開かせたのか不思議に思った。疑惑は解消されるどころか膨らむ一方である。そしてこれからの安倍総理は嘘の上に嘘を積み重ねていくしか方法はない。

「森友問題」が発覚以降「安倍総理が打つ手はことごとく裏目に出た」とフーテンはブログに書いてきたがそれが止まらない。政治には必ずシナリオライターがいて、先の先まで読みながら布石を打っていくものだが、3月以降の安倍政権のシナリオは信じられないほど拙劣なのだ。
 
「森友問題」も「加計問題」も安倍総理夫妻の個人領域に関わることから誰もシナリオを書くことが出来ず、安倍総理の意向を「忖度」しながら対応するため一貫したシナリオにならず、「船頭多くして船山に登る」状態にあるのかもしれない。
 
あるいは安倍総理の心の中に強気と弱気が混在し、その両極を行きつ戻りつするためにそれが混乱を招いているのかもしれない。そしてここまでくればどちらにせよ安倍総理は嘘で塗り固めていくしかないところに自らを追い込んだ。
 
始まりは驚くほど強気だった。昭恵夫人が名誉校長の森友学園経営の小学校が国有地をタダ同然で手に入れた問題が発覚すると、安倍総理は「もし妻や自分や事務所が関係していたら総理も国会議員も辞める」と啖呵を切り、森友学園の前理事長を悪人に仕立てる「しっぽ切り」を企てた。
 
フーテンは啖呵にも驚いたが「しっぽ切り」にも驚いた。政治家なら言わないしやらないことを安倍総理はやってのけた。安倍総理の思想信条に共鳴する人間を切り捨てたのは右派内部に確執でもあるのか、それとも「総理も国会議員も辞めざるを得ない」深刻な立場に自分を陥れたと逆恨みしたのか。逆恨みなら政治家としてあまりにも狭量である。
 
いずれにしても「しっぽ切り」が何の得になるのかフーテンには理解できなかった。案の定、窮鼠猫を噛むことになり、森友学園側から安倍夫妻との関係を裏付ける事実が次々に明らかにされ、総理が献金していた事実まで暴露された。

すると安倍政権は前理事長を証人喚問して逮捕に持ち込もうとする。 しかし「しっぽ切り」された時点で逮捕を覚悟している前理事長にとって証人喚問は何も怖くない。むしろ喚問は昭恵夫人の秘書が国有地売却に関与した事実を暴露する機会となった。

普通の国ならここで安倍総理はアウトである。国会は国政調査権を行使し、また捜査機関も乗り出して事実を明らかにするところである。 しかしわが国ではそうはならずに問題は第二ラウンドを迎えた。

国家戦略特区を使った加計学園の獣医学部新設問題が追及されるとここでも安倍総理は強気である。審査経過には「一点の曇りもない」と胸を張った。ところが「総理の意向」で加計学園に決まったことを示す文書や証言が文科省から出てきた。これには伏線がある。

森友問題が疑惑の目で見られる重要な要素として財務省の全資料廃棄という信じられない隠蔽工作があり、それは安倍総理を守っているように見えるが、一方で国民に疑惑を抱かせる効果も十分に生み出した。
 
官僚は総理を守らなければならない立場だから、嘘をついてでも守るのだが、嘘だとわかる嘘をつくことで国民に疑惑を抱かせる計算をする可能性がある。そしてそこに文科次官を辞任させられたばかりの気骨の人物が出てきた。

前川前次官の告発によって「加計ありき」は説得力を持って社会に浸透した。強気と「しっぽ切り」の手法で問題を収束させようとしてきた安倍政権はここでも同じ対応を見せる。菅官房長官が前川氏について口を極めて貶める。

読売新聞を動員して品のない人格攻撃をかける。ところが6月になるとその路線に突然転換がもたらされた。6月9日、安倍総理は松野文科大臣に指示して前川前次官が公表していた資料の再調査を命じたのである。

それまで強硬姿勢を貫いてきた菅官房長官ははしごを外された。フーテンはその日未明に英国総選挙で高い支持率の保守党が敗北する予測が報道されたことが今井総理秘書官を動かし、総理に進言させたのではないかと考えた。
 
それまでの強気路線がここで一転するがそれが国民の不信を拭い去ることにはならない。逆に新たな資料が出てきて安倍政権に対する疑念はさらに深まった。おそらく菅官房長官はここまで強気で来たならば「引いたら負ける」という政治家の勘で強行姿勢を貫いてきた。

しかし官僚的発想の今井秘書官は逆を考え、安倍総理は今井秘書官に従った。この「強行しない」路線は英国総選挙の保守党敗北に続き東京都議選の自民党惨敗によって再び頭をもたげる。

安倍総理は国会の閉会中審査にも応ずることになった。野党に「森友・加計問題」を追及させないため、国会を早く閉じようと「共謀罪」の委員会採決を省略するという暴挙を行ったのが何だったのかとフーテンは思うが、閉会中審査も臨時国会も拒否してきた自民党が、総理の意向によって2日間の予算委開催に応じた。
 
それによって何が分かったか。安倍総理は愛媛県今治市に加計学園の獣医学部が新設される計画を国家戦略特区で申請が決定された1月20日まで知らなかったという嘘である。それまでに知っていたとすれば安倍総理の意向があったと疑われかねない。

それを危惧する官僚の発想によって安倍総理は嘘をつくことにしたのである。長年の友人でゴルフや食事を頻繁に行う関係にある二人が、今治市に獣医学部を作る話を全くしたことがないと言われて、それを信じる日本人がどれほどいるだろうか。おそらくいないだろう。

しかし官僚とは普通の常識で生きている人間ではない。ひたすら責任を追及されない技術を磨いている集団である。わずかでも隙を見せないよう徹底し、責任を取らないためにはどのような嘘でもつく。そして嘘をつき続ける。安倍総理はその官僚的な嘘の世界にどっぷりと浸かったことをこの国会で示したのである。
 
安倍総理はこの先は嘘がばれないことを最優先にするしかない。ばれないためには嘘をつき続けるしかない。国民は「一点の曇りもない」とか「李下に冠を正さず」とか言われてきたが、これからは安倍総理の言葉一つ一つの嘘を見抜く力を身につけなければならない。

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