加計問題 山本担当相、認定2カ月前「四国で新設」 獣医師会に伝達
加計問題 山本担当相、認定2カ月前「四国で新設」 獣医師会に伝達
東京新聞2017年7月20日
国家戦略特区による獣医学部新設を巡り、事業者認定の二カ月前の昨年十一月十七日、山本幸三地方創生相が日本獣医師会(東京都)を訪れ、学校法人「加計(かけ)学園」の名前を挙げて「四国で新設することになった」などと伝えていたことが、本紙が十九日に入手した同会作成の面会記録で分かった。
事実なら加計学園を前提に計画が進められたことになる。山本氏の事務所は十九日、本紙の取材に「十一月十七日に獣医師会を訪問し、獣医学部新設が決まった経緯について説明したが、四国で決めたとは言っていない。京都もあり得るという話もした。(愛媛県)今治市の財政状況については概略を説明したが、加計学園という特定は一切していない」と回答した。
昨年十一月九日には特区諮問会議が開かれ、獣医学部の新設方針を決定し「広域的に存在しない地域に限る」との条件を提示。今治市を予定地とし、四国初の獣医学系大学となる加計学園に有利な内容だった。
面会記録によると、山本氏は「獣医師が不足している地域に限って獣医学部を新設することになった」と、諮問会議の結果を説明。そのうえで、「今治市が土地で三十六億円のほか積立金から五十億円、愛媛県が二十五億円を負担し、残りは加計学園の負担となった」「四国は、感染症に係る水際対策ができていなかったので、新設することになった」と述べた。
当時、京都産業大も京都府での新設を提案していたが、獣医学系大学は既に大阪府などにあった。今年一月四日に広島県・今治市地域で一校に限って二〇一八年度開学を条件に公募することが決まり、京産大は断念。同月二十日、唯一応募した加計学園が選ばれた。
獣医師会の北村直人顧問は本紙の取材に、「(面会記録の)発言内容は事実。政府が加計ありきで事業を進めていたことを裏付けるものだ」と話した。
■獣医学部新設を巡る経緯
2016年 11月9日 特区諮問会議が獣医学部新設方針を決定
17日 山本幸三地方創生相が日本獣医師会を訪問
18日 獣医学部新設のパブリックコメント募集
2017年1月4日 獣医学部特区の事業主体の公募開始
20日 唯一応募した加計学園が選ばれる
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