首相は学園による学部新設の申請を知ったのは特区として認可された今年1月だと説明し学園側からの依頼などはないと主張しました。しかし首相は学部新設の計画が具体化した昨年会食などで理事長と6回も接触していることが国民が一番疑念を抱くことです。
首相は学園による学部新設の申請を知ったのは特区として認可された今年1月だと説明し学園側からの依頼などはないと主張しました。しかし首相は学部新設の計画が具体化した昨年会食などで理事長と6回も接触していることが国民が一番疑念を抱くことです。
国内の獣医師が都市部に集中し地域間格差が生じている問題は、かねて指摘されてきました。解決の突破口として獣医学部新設を目指した加戸氏の思いは理解できますが、日本獣医師会が言う、地方に獣医学部を新設しても偏りの是正に直結しないという主張も事実です。最大の疑念は、そういった議論が尽くされないまま、首相と関係の深い学園の計画が優先されたのではないか、という点にあります。
「加計」首相答弁 国民目線は言葉だけか
「国民目線に立ち、丁寧な上にも丁寧に説明を重ねる」。安倍晋三首相は冒頭でこう述べたが、果たされたとはとても言えない。首相の親友、加計孝太郎氏が理事長の学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設を巡る問題で、首相自身も出席した閉会中審査が行われた。
官邸から文部科学省への圧力に関し、首相は指示を否定。「総理自身は言えないから自分が言う」と伝えたとされる和泉洋人首相補佐官も、発言を認めなかった。一方で文科省の前川喜平前事務次官は、和泉氏の介入を指摘。疑問はなんら解消していない。
水掛け論に終始した以上、国会は直ちに、虚偽発言が偽証罪に問われる証人喚問で真偽をただしてほしい。首相は自民党総裁として、実現を指示するのが筋だ。首相は、学園による学部新設の申請を知ったのは、特区として認可された今年1月だと説明。学園側からの依頼などはなく、便宜を図ったこともないと主張した。だが首相は、学部新設の計画が具体化した昨年後半、会食などで理事長と6回も接触している。
国家戦略特区諮問会議の議長も務める首相が申請を知らなかったとは、にわかには信じがたい。加計氏にも国会で説明を求めたい。与党側は、愛媛県への獣医学部誘致を進めてきた加戸守行前知事を前回に続いて招致した。四国の獣医師不足の現状を聞き、特区認定の正当化を狙ったのだろう。
国内の獣医師が都市部に集中し地域間格差が生じている問題は、かねて指摘されてきた。解決の突破口として獣医学部新設を目指した加戸氏の思いは理解できる。一方で日本獣医師会は、地方に獣医学部を新設しても偏りの是正に直結しないと主張してきた。最大の疑念は、そういった議論が尽くされないまま、首相と関係の深い学園の計画が優先されたのではないか、という点にある。
首相は岩盤規制の改革という側面ばかりを強調するが、公平性を棚上げして問題をすり替える姿勢は、国民目線に応えてはいない。特区認定に「私の意向は入りようがない」と言いながら、講演で「中途半端な妥協が疑念を招いた」と、自ら関与を認めるかのような発言をしたのも気にかかる。
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