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前川前事務次官の勇気ある告発と菅官房長官の異様な反応。官僚の中にも硬骨漢がいることを久々に見せてくれた。一方、この文書を「怪文書」ときめつけた菅官房長官の方は異様な対応を見せた。ー(田中良紹氏)

前川前事務次官の勇気ある告発と菅官房長官の異様な反応。官僚の中にも硬骨漢がいることを久々に見せてくれた。一方、この文書を「怪文書」ときめつけた菅官房長官の方は異様な対応を見せた。

(田中良紹氏)28th May 2017 

官僚の中にも硬骨漢がいることを久々に見せてくれた。25日に記者会見を行った前文科省事務次官の前川喜平氏である。 加計学園の獣医学部新設を巡り文科省が内閣府から圧力をかけられた文書の存在を「あるものをないとは言えない」と明言し、官邸の意向によって「行政はゆがめられた」と告発した。

一方、この文書を「怪文書」ときめつけた菅官房長官の方は異様な対応を見せた。 記者会見で前川氏の「出会い系バー通い」に言及し、人格を貶めることで発言の信ぴょう性を失わせようとしたのである。

前川氏はそうされることを覚悟で告発に踏み切ったと思われる。そして官邸は読売新聞を動員して「出会い系バー通い」を世間に知らしめた。読売新聞を使ったところもこれまでになく異様である。

「出会い系バー通い」の情報源は警察である。昔と違い公安事件が減少してからの警察は政治家や権力に都合の悪い人物のスキャンダル情報収集に力を入れている。それが閣僚人事で「身体検査」と呼ばれる情報の元となる。官邸から求められれば警察は情報を提供する。 官邸にとって都合の悪い人物を抹殺するには「恐喝」と「買収」という2つの方法がとられる。1つは言うことを聞かなければスキャンダルを公表すると「脅し」をかける。言うことを聞けばそのスキャンダルは日の目を見ない。

しかし逆らえばメディアにリークする。もう1つは政治家に対し「選挙で当選させる」という「買収」である。選挙資金の面倒や選挙区の調整で「貸し」を作り官邸の言うことを聞かせる。

かつて中曽根元総理が党内の反対を押し切り衆参ダブル選挙を実現した時には、写真週刊誌「フォーカス」が竹下登氏の「恐喝」に利用され、二階堂進氏には選挙資金が提供されて二人はダブル選挙に反対するのをやめた。

今回興味深いのは、これまでのリーク先である「週刊文春」や「週刊新潮」ではなく 「読売新聞」という一般紙が選ばれたことである。「出会い系バー通い」はゴシップの類でニュースではない。それを週刊誌ではなく「一流紙」を自負する読売新聞がニュースにしたところにこれまでと違う何かがある。安倍官邸と読売新聞の蜜月を露骨に見せる理由は何か。

また菅官房長官が会見で「出会い系バー通い」を鬼の首を取ったかのように言及する
姿もこれまでとは違う何かを感じさせる。菅官房長官は「教育行政のトップが出会い系バーに行ったことに違和感を感じる」と言ったが、政治家の身の下の実態を知るフーテンは「そんなことを菅が言えるのか」と違和感を感じた。政治家がそれを言っちゃお終めえよ。

前川氏の会見を聞くと官邸に逆らえなくなった官僚の悲哀が浮き彫りになる。もとより行政府の長は内閣総理大臣であるから官僚は総理の言うことに従わなければならない。しかし同時に総理から末端の公務員に至るまですべからく国民に奉仕することが義務付けられている。

私利私欲で利益誘導することは許されないのである。今回の森友・加計問題は規制緩和を口実に「安倍総理のお友達」に有利な行政が行われたという疑惑である。疑惑を晴らすには経過を審らかにする必要があるが、森友では財務省が資料をすべて破棄、加計では前次官が「ある」と言う資料を文科省が「確認できない」としたことが問題である。そんなものに国民の税金を使わせるわけにはいかない。

前川前次官は「官邸によって公平であるべき行政がゆがめられた」と告発した。そうなった背景には米国の政治制度を真似て政治主導の官僚人事を行う「内閣人事局」の創設がある。

第二次安倍政権の2014年に創られ各省庁の人事権を官邸が握った。そのため官僚は官邸に従うしかなくなった。米国の政治主導の官僚人事とは、行政府の長である大統領に4000人以上の官僚を指名する権限があることをいう。従って大統領が代わるたびに4000人以上の官僚が交代する。

ただし幹部級の人事には議会の承認が必要で野党に賛成してもらう必要がある。  また大統領が代わるたびに官僚はクビになって民間企業に「天下り」、またいつの時期か「天上がり」する。「天下り」を問題視する日本とは事情が異なる。

日本は議院内閣制で大統領制ではない。そして明治以来の官僚制は中国の科挙を真似して優秀な人間を試験で選抜してきた。そのため長年蓄積された行政の知恵や情報はすべて官僚の世界にある。それが官僚優位をもたらし、官僚主導を政治主導にしなければならないと思わせてきた。

問題は英国型の議院内閣制の日本が大統領制の米国の政治制度の一部、それも米国とは似ても似つかない官僚人事制度を創ったことである。これをフーテンは議院内閣制と大統領制の「接ぎ木民主主義」と呼んでいるが、その弊害が如実に現れたのが今回の森友・加計問題である。

前川前次官は勇気をもって問題提起をしてくれた。我々は勇気をもってこれに応えなければならない。規制緩和で岩盤規制に穴を開けたというならば穴を開けた経緯を政府は国民にすべて明らかにすべきである。

それが総理のお友達にだけ有利にしていないというならそれも明らかにすべきである。 そして官僚を委縮させている現状の何がおかしいのかを考えるべきである。

米国には米国の一貫した民主主義制度の設計があり、英国には英国の一貫した民主主義制度の設計がある。日本は明治以来、英国の政治制度を真似て政治を行ってきたが、戦後、占領国である米国の言いなりになり、米国の政治制度と脈絡のない「接ぎ木」をして今日に至った。

その経過を政治家の誰もが問題にしていない。民主主義なら何でもいいだろうといういい加減な考えで、他の民主主義国から見れば驚くようなことを平然とやっている。

森友・加計問題はそれを考える機会にすべきである。日本を米国の永久奴隷にするあのバカげた憲法改正よりこちらの方が日本の政治にとって何倍も重要であることを国民は認識すべきである。
 

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