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二階幹事長発言の真意を読み解く、自分の派閥に所属する大臣の更迭を相談なしに頭越しでやられたことを怒っている。そしてその情報を官邸に報告したのを官邸の言いなりになる一部のマスコとみている(田中良紹氏)

今村更迭を巡る二階幹事長発言の真意を読み解く

(田中良紹氏)27th Apr 2017 

25日夜に自民党二階派のパーティで問題発言を行い更迭された今村前復興大臣に
ついて、野党は議員辞職を要求するとともに翌26日にマスコミ批判を行った二階幹事長についても批判を強めている。

しかし二階幹事長のマスコミ批判は単なるマスコミ批判ではないとフーテンは思う。
その場にいたわけではないので報道を見ての判断だが、二階幹事長の批判の矛先は「今村大臣の首を取れ」と官邸にご注進したマスコミがあり、それに従って即刻更迭を決めた安倍官邸に向けられていると思うのである。

25日夜にホテルニューオークラで行われた二階派のパーティで今村前復興大臣が問題発言を行ったのは夕方の5時過ぎらしい。「東日本大震災はまだ東北で、あっちの方で良かった。これがもっと首都圏に近かったりすると莫大な被害があった」と語った。

その頃安倍総理は官邸で経済財政諮問会議に出席していた。問題発言は発言後速やかに官邸に報告され、経済財政諮問会議終了後、安倍総理は菅官房長官と対応を協議し今村氏の更迭を決めた。そして午後6時半過ぎ二階派のパーティに駆け付け、挨拶の冒頭で今村前大臣の問題発言を謝罪した。

おそらくパーティ会場の中にはなぜ安倍総理が謝罪したのか分からなかった人が
いたかもしれない。二階幹事長は講演で「昨日の会で内閣総理大臣・安倍晋三先生がわざわざお越しになってお詫びを言ってくれる。聞いてる方は何があったか分からない。いきなり、大騒ぎです」と嫌味たっぷりに不満をぶちまけた。

おそらく自分の派閥に所属する大臣の更迭を相談なしに頭越しでやられたことを怒っている。そしてその情報を官邸に報告したのを官邸の言いなりになる一部のマスコミと見ている。

このところ閣内には問題発言や不祥事が相次ぎ支持率低下が懸念されていた。官邸は国民向けに「綱紀粛正」の姿勢を見せなければならないと考え、御用マスコミに問題発言探しを指示し、今村前大臣はその対象の一人であった。 そうでなければ問題発言から1時間も経たずに総理がパーティ会場に来て謝罪することなど考えられない。そしてその前に更迭は決まっていた。

おそらく主導したのは菅官房長官で、官房長官の言いなりになるマスコミとの共同作業である。だから初めから更迭ありきで問題発言を探しているマスコミがあった。 「政治家が話したら、マスコミが1行悪いところがあったらすぐ『首を取れ!』という。なんちゅうことか」と二階幹事長が言ったのは、更迭ありきで問題発言を探していた官邸とそれに協力するマスコミへの怒りである。

二階幹事長は「そういうマスコミは締め出さなければならない」とトランプ張りの危険なことも言った。それは自分に都合の悪いマスコミを締め出すより権力の手先となって権力に都合よく取材するマスコミを締め出す意味ではなかったかとフーテンは思うのである。

これも直接見ていないのだが今朝の「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)でコメンテーターの高木美保氏が「安倍総理がパーティ会場で謝罪するのなら、なぜその場で今村氏にも謝罪させなかったのか」と疑問を呈したと報道されている。

これは正鵠を射た見方である。だから安倍総理は今村氏を更迭して自分へのダメージを減らすことを優先し、震災の被災者や国民に謝罪することが目的ではなかったのである。 これ以前に今村前大臣が自主避難している被災者に「自己責任」を言ったのは個人の意見というより安倍政権全体の意見だと思う。

また東日本大震災が「首都圏で起きなくて良かった」というのも民主党政権から安倍政権に至る日本政府の正直な思いだろう。今村前復興大臣の言動は政府の考えをそのまま表現している。 「震災からの復興を政権の最大課題」と言うのなら、安倍政権は東日本大震災の最大の問題である原発事故と正面から向き合い、原発再稼働に替わる道を探さなければならないが、原発再稼働と原発輸出を主導してきた経済産業省出身の今井尚哉氏に日本政治のシナリオを書かせているのが安倍総理である。

所詮は「ふりをする」だけの話になる。 フーテンの見立て通りなら、この更迭劇によって安倍総理と二階幹事長との間には隙間が生まれた。無論、その隙間は修復される可能性もあるが広がる可能性もある。

野党は今村前大臣の議員辞職と二階幹事長批判を強めているが、その所を心得ないと対応を間違うことになる。 原発再稼働と原発輸出を主導してきた人物に政治のシナリオを書かせている安倍総理に対し、真っ向から対峙しているのは原発再稼働に反対する小泉元総理である。それが18日夜に赤坂の「津やま」に小池東京都知事と二階幹事長らを招いた。

フーテンは第一次安倍政権投げ出し時の「反安倍包囲網の主役たちの集まり」とブログに書いた。 ところが野党議員の中には、たまたま同じ料理屋で会合していた安倍総理が挨拶に訪れたことに注目し、これを「小池―安倍の接近」ととらえ、都議選と衆院選のダブル選挙の可能性を指摘する者もいる。

フーテンとはまるで真逆の見方で、目の付け所が違うと言うしかない。 安倍総理は小泉元総理が招いた会合に二階幹事長がいることを見てどう思ったか。それが幹事長の頭越しの「今村更迭劇」の引き金になったかもしれない。26日の講演で二階幹事長は次の衆院選で自民党候補のいる選挙区に対立候補を立て、そちらを公認する意思を示し、「文句があるなら俺を自民党から追い出せばいい」と言った。まるでけんか腰である。

しかし誰も二階幹事長を追い出すことなどできない。トランプ政権が北朝鮮問題を中国に頼る姿勢を強めていることから安倍政権の中で親中派の二階幹事長の役割は大きくなる。5月中旬には中国で開かれる国際フォーラムに出席し習近平主席に安倍総理の親書を渡すことになっている。

そうした中で「週刊文春」に興味深い記事が掲載された。安倍総理は占いに頼って政治を行っているという「官邸関係者」や「安倍周辺」の情報に基づく記事である。安倍昭恵夫人の「スピリチュアル」志向は森友問題で国民の知るところとなったが、総理本人も「占い」によって政治を判断しているというのである。 日本国家の命運は占いの「お告げ」にかかっているという記事がなぜこの時期に出てきたのか。極めて興味深いとフーテンは思った。

権力の最深部で何かが起きているのである。安倍政権は森友問題から国民の目をそらすため第二次朝鮮戦争の危機を煽りに煽ったが、それでも森友問題は消えるわけがない。 それを見ながら政治の権力ゲームが進行している。そうした時に表面的な建前だけで政権批判をしても権力を奪うことはできない。また直線的な批判だけでは足元をすくわれる危険がある。

権力中枢の力関係を読み解き「敵の敵は味方」であるという古来からの政治の基本を野党は知るべきである。

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