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米国の洗脳を忘れて「愛国教育」を叫ぶのはお門違い:田中良紹 国会探検 

米国の洗脳を忘れて「愛国教育」を叫ぶのはお門違い

田中良紹:国会探検 

安倍総理夫人が名誉校長を辞任した「瑞穂の國記念小学院」は愛国教育で知られる学校法人森友学園が経営する。森友学園の教育方針は「先人から伝承された日本人としての礼節を尊び、それに裏打ちされた愛国心と誇りを育てる」ことにあるという。誠に立派な教育方針である。

しかし問題はその先にある。そのため森友学園が経営する塚本幼稚園では毎朝の朝礼で園児たちに「教育勅語」を朗唱させる。「教育勅語」は明治23年に明治天皇が山縣有朋内閣総理大臣と芳川顕正文部大臣に与え、大日本帝国の教育方針を示すものだったが、第二次大戦の敗北で日本を占領したGHQがこれを廃止した。

それに代わって「教育基本法」が制定され、昭和23年に衆参両院で「教育勅語の排除」が決議され、「教育勅語」は学校教育から追放された。森友学園はそれを復活させようというのだから、占領下で米国が日本国民に強制した「思想教育」、つまり「洗脳」に楯突こうとしている。「戦後レジームからの脱却」を掲げる安倍総理と夫人はそうしたところに共鳴したものとみられる。

ところで報道によると、塚本幼稚園が保護者宛てに配布した文書に「よこしまな考え方を持った在日韓国人や支那人」と書かれていたことが分かり、「ヘイト(憎悪表現)に当たるのではないか」と大阪府が今年初めに事情聴取を行ったという。

森友学園の理事長は右翼組織「日本会議」の幹部でもあり、森友学園の教育方針には「教育勅語」の復活という戦前回帰の思想と並んで「反中国、反韓国」の思想も併せ持っていることがわかる。

この「反中国、反韓国」の根底には「南京大虐殺」と「従軍慰安婦」という中韓両国の反日プロパガンダに対する日本の反発がある。「南京大虐殺」を巡っては1985年に中国国内に「南京大虐殺記念館」が建設され、2014年には「南京大虐殺記念日」が制定された。そして一昨年は「南京大虐殺文書」がユネスコの世界記憶遺産に登録され、中国は日本軍によって30万を超える市民が虐殺されたと宣伝している。

これを日本政府は「ねつ造」と反発するが、そもそも「南京事件」を世間に知らしめたのは、日本を占領支配したGHQである。米国や英国の公文書から戦後史を読み解いている有馬哲夫早稲田大学教授の『歴史問題の正解』(新潮社)によれば、GHQは「あらゆる層の日本人に戦争の敗北と戦争に関する罪、日本の苦難と窮乏に対する軍国主義者の責任、連合国の軍事占領の理由と目的を周知徹底せしめるため」、「ウォー・ギルド・インフォメーション・プログラム」の一環として「民間情報教育局(CIE)」を設置した。

つまりマッカーサーは戦争犯罪を裁く「東京裁判」と並行して、日本国民にメディアを使って戦争の罪悪感を植え付け、「洗脳」を施すことで占領政策を有利に進めようとした。その中で「南京事件」はGHQにとって格好の材料であった。

なぜなら米軍による広島、長崎の原爆投下に対する日本人の反発をそらすことのできる「事件」だったからである。CIEは新聞各社に「太平洋戦争史」を掲載させ、またNHKラジオで「真相はかうだ」という番組を放送させた。そこでCIEは日本軍が行った虐殺の事例として「マニラ事件」と「南京事件」を取り上げた。

「マニラ事件」はマニラの市街戦でフィリッピン人10万人が巻き添えで犠牲になったが、マニラに籠城した日本軍に攻撃を加えたのは米軍である。それを米国は日本軍の虐殺とすり替えた。また「南京事件」はそもそも日米が開戦する前の出来事で米国は関係ない。日本軍は蒋介石率いる国民党軍と戦っていたのである。

その国民党軍は中心部隊が早々に南京市から逃亡し、多くの中国兵が残されて、それが民間人になりすまし、あるいは大量に投降してきたため、扱いに困った日本軍が殺害し死体を川に流したとみられている。

その数を中国は30万余と言い、日本は「うそ」と否定するが、有馬教授は中国が広島、長崎の原爆投下による20数万という死者より数が多いということで、中国が日本を上回る最大の被害国であることを宣伝しているとみている。それなら中国は米国にとって都合よいプロパガンダをやっていることになる。

日本が考えるべきは数よりもプロパガンダの元がどこにあるかである。米国の戦後戦略は日本と近隣諸国を離反させ、日本を米国だけに隷属させるところにある。日本がロシア、韓国、中国と領土問題で争う背景にも米国の思惑があることを忘れてはならない。

従って「従軍慰安婦問題」にも米国の影がある。以前のブログでも紹介したが、米国は公娼制度を認めない国である。フランスやドイツなど欧州の国々は性病の蔓延を防ぐため国家が売春を管理する公娼制度を取り入れ、軍隊もそれを活用した。しかしそれが米国に波及するとピューリタンの子孫である米国民は「セックス・スレイブ(性奴隷)」の制度と呼んで排斥した。

つまり税金を性産業に使うことを認めない。現在のワシントンDCには政治家相手の高級娼婦が多数存在するがいずれも私的に商売し公娼ではない。ところが日本は明治時代から欧州を真似て公娼制度を取り入れた。営業は民間業者が行うが公的機関の管理の下で売春が行われる。

第二次大戦に敗れた直後の1945年9月、日本政府は進駐軍用の慰安所を作り売春婦を募集した。これにGHQは極めて強い不快感を示し、3か月後には慰安所を閉鎖させ、兵隊には日本女性との自由恋愛を奨励した。つまり税金で成り立つ公的機関が売春にタッチすることを嫌悪した。

「従軍慰安婦問題」の始まりは、吉田某氏の証言やその後の報道にあるのかもしれないが、その背景には占領下で示された米国の不快感が存在していると私は思う。民間業者が営業したとしても軍がそれに関与することを米国は許さないのである。だから米連邦議会は「慰安婦問題」で日本を非難し、米国の各地に慰安婦像が設置される。

米国から見れば「南京大虐殺」や「従軍慰安婦問題」で日本と中国や韓国が反目するのは基本的に都合が良い。ただ反目の度が過ぎると米国にとっても困ることになるとは考えている。

従って米国の占領政策に逆らって「教育勅語」の復活を「愛国教育」と考えるなら、「南京大虐殺」や「従軍慰安婦問題」の背景にある占領政策にも目を向けるべきである。そしてくれぐれも自国の領土を自国で守ろうとせず、米国に守って貰えると喜ぶことはやめることである。それでは「愛国教育」どころか「属国教育」になってしまう。

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