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TPP参加による協議によって、重要な国の方針を転換し、大筋合意しながら、国会を開かず、たった二日の閉会中審査で済まそうとする与党は全く国民の方を向いて、政治を行っているとは思えません。

TPP参加による協議によって、重要な国の方針を転換し、大筋合意しながら、国会を開かず、たった二日の閉会中審査で済まそうとする与党は全く国民の方を向いて、政治を行っているとは思えません。



国のTPP分析 あまりに楽観的すぎる

(北海道新聞)

 

大筋合意した 環太平洋連携協定 (TPP)の1次産品への影響について、農林水産省が分析結果をまとめた。

 

対象品目の多くについて「影響は限定的」「当面、輸入の急増は見込み難い」としている。それはそうだろう。肝心の市場開放による大きな局面の変化を見据えず、現状の輸入実績や流通データを基にしているからだ。

 

与党の自民党ですら「楽観的すぎる」との不満が噴出した。当然であり、生産者の不安に応えたとは到底いえない。国と生産現場との間に認識の乖離(かいり)があるのではないか。農水省は合意の中身をさらに精査した上で、影響を具体的に示すべきだ。

 

分析は、多くの品目で懸念される点として「長期的な国産価格の下落」を挙げてはいる。ただ、これこそ安価な農林水産物の輸入増大に道を開くTPPの構造的な問題である。それが「懸念」でいいのか。

 

国はTPPに関し、主要5農産物の関税を残したことを強調してきた。それだけに、1次産業への打撃を小さく見せたいとの思惑があるのかもしれない。来年の参院選への影響も大きいからだ。しかし、そうであれば生産者に対する誠意を欠いている。

 

酪農・畜産に関しては、他品目に比べ影響が大きいとみていることはうかがえる。関税が最終的に9%まで引き下げられる牛肉に関し、長期的には価格の下落が懸念されるとした。

 

乳製品も、ゴーダなどのチーズにかけている関税が16年目に撤廃されることなどから、長期的に加工原料乳の乳価の下落も懸念されると指摘している。  こうした影響こそ、生産者にとって切実な問題だ。「先のこと」と済ますわけにはいかない。

 

牛肉は道内で主に生産される乳用種が、品質の近い米国産やオーストラリア産と競合する。加工原料乳の生産も道内が中心だ。北海道への打撃は大きい。  設備投資 が必要な酪農の場合、先行きの見通しが立たなければ投資をためらったり、場合によっては離農につながる。

 

加えて、日本政府が協定発効の7年後から、5カ国との間で関税撤廃・削減の前倒しを含めた再協議に応じることが明らかになった。これでは生産者の不信感が増すばかりではないか。

 

重要なのは将来不安の払拭(ふっしょく)だ。それが酪農に限らず多くの生産者が求めていることである。

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