政府は、減税を実施し、経営介入に近い強引な要求をしても、現状では、資金は実体経済に還元されず、大企業の 内部留保 が増えるだけで、完全に大企業に偏ったアベノミクスの限界を示しています。
内閣府は今年7~9月期の GDPの速報値を、物価変動の影響を除いた実質で前期比0・2%減、年率換算で0・8%減と発表しました、これは2四半期連続のマイナス成長です。
安倍首相は、 アベノミクス の第2ステージを宣言し、GDP600兆円の実現を表明しましたが、すでに第1ステ-ジのアベノミクスが崩壊しているにもかかわらず、第2ステージを宣言する事は完全に狂った経済政策(アホノミクス)です。
安倍政権の政策に関わっている、嘉悦大学教授の高橋洋一などは、安倍政権になってから、雇用が増えて失業率が減ったと自慢していますが、結局は非正規の低賃金労働者を150万人増やして、正規労働者を50万人減らして、日本経済の柱である内需を弱め労働環境を悪化させたただけです。
支給水準の低い非正社員の割合が初めて4割に達したことは重大な事です。これでは、肝心の個人消費は盛り上がりません。設備投資 も2四半期連続のマイナスとなりました。政府は成長戦略の柱として 法人税 減税を推進する一方、「 官民対話 」で経済界代表に投資拡大を迫っています。
減税を実施し、経営介入に近い強引な要求をしても、現状では、資金は実体経済に還元されず、大企業の内部留保 が増えるだけで、完全に大企業に偏ったアベノミクスの限界を示しています。
GDP連続減 経済政策の徹底検証を
(2015/11/17 北海道新聞)
景気は足踏み状態と言うより、後退局面に入ったとみなされても仕方ないのではないか。内閣府が発表した今年7~9月期の国内総生産 (GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0・2%減、年率換算で0・8%減となった。2四半期連続のマイナス成長である。
安倍晋三首相は、 アベノミクス の第2ステージを宣言し、GDP600兆円の実現を表明した。名目3%の成長率を続ければ2020年度に達成可能と試算しているが、1991年度を最後に3%に届いた例はない。何より、名目(年率換算)でも0・1%にすぎない足元の数字が目標の過大さを物語っている。
金融緩和 、財政出動、成長戦略からなるアベノミクスが始まって約3年が経過したが、一向に経済の好循環は見えてこない。政府は、この現実を直視し、裏付けに乏しい新たなスローガンを打ち出す前に、経済政策の問題点を徹底的に検証すべきだ。
実質GDPは、消費税率引き上げ直後の昨年4~6月期、7~9月期も連続減となったが、今年に入って増税の影響は薄まったとみられていた。しかも、大規模金融緩和に支えられて円安・株高基調が続き、輸出産業を中心に大企業は好調な業績を維持している。
中国経済の減速懸念があるとはいえ、経済環境が目に見えて悪化したわけではないだけに、今回のマイナス成長は深刻だ。景気のけん引役が見当たらず、特に内需が弱い。経団連 の調査では、大企業の夏のボーナスは前年より約2・8%増えたが、対象の広い厚生労働省の調査では逆に2・8%減った。
好業績が中小企業に広がっていない可能性がある。支給水準の低い非正社員の割合が初めて4割に達したことも影響しただろう。これでは、肝心の個人消費は盛り上がらない。設備投資 も2四半期連続のマイナスとなった。政府は成長戦略の柱として 法人税 減税を推進する一方、「 官民対話 」で経済界代表に投資拡大を迫っている。
減税を実施し、経営介入に近い強引な要求をしても、資金は実体経済に還元されず、大企業の内部留保 が増えるだけではないか。大企業に偏ったアベノミクスの限界を示していると言えよう。
低所得者対策や非正規雇用の待遇改善などで格差を是正し、消費の底上げを図る必要がある。
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