自民党の「一強多弱」状態の下野党は結束してこれを食い止めなければならないはずですが、維新が与党に協力しても埋没するのは目に見えていますそんな愚策をやろうとしているのが与党と連立したい松井大阪府知事です
自民党の「一強多弱」状態の下、安倍政権は違憲の疑いが強い安保関連法案を衆院で強行採決し、参院でも数の力で成立させようとしています。野党は結束してこれを食い止めなければならないはずですが、維新が与党に協力しても埋没するのは目に見えています。
そんな愚策をやろうとしているのが、与党にすり寄り、与党と連立したい松井大阪府知事です。橋下大阪市長は前回大阪都構想の住民投票で敗れた時に、政界からの引退を表明したはずでから、野党の共闘を混乱させる行動は慎むべきです。
維新の内紛 巨大与党利するだけだ
(08/28 北海道新聞)
維新の党の最高顧問を務める橋下徹大阪市長と、顧問の松井一郎大阪府知事がきのう同党を離党した。党の創設者で中核メンバーだった2人の離脱で、党内の「大阪系」議員が追随する可能性があり、維新は分裂含みとなった。
きっかけは柿沢未途幹事長が、党対応が決まっていない9月の山形市長選で、特定の立候補予定者を応援した問題だ。だが維新ではかねて、与党との協調に軸足を置く橋下氏ら大阪系と、野党再編を目指す松野頼久代表や柿沢氏ら非大阪系の路線対立があった。それが11月の代表選を前に一気に噴き出した形だ。
国会は今、日本の行方を左右する 安全保障関連法案 の審議の最中である。維新も対案を国会に提出している。党の混乱は巨大与党を利するだけだ。内紛に明け暮れるようでは国民から見放されよう。安倍晋三政権の暴走を止めるのが野党の役割である。所属議員はそれを自覚し、結束すべきだ。
柿沢氏は今月14日、民主、共産など野党4党が推薦する山形市長選の立候補予定者を応援した。維新内では与党推薦の対立候補を支援すべきだとの声もあり、党としての態度は決まっていない。柿沢氏は野党共闘を重視したとみられるが、松井氏ら大阪系が反発、幹事長辞任を求めていた。
橋下氏はきのうの記者会見で、自らの離党について「分裂が目的ではない」と述べ、柿沢氏の辞任は必要ないとの考えも示した。だが橋下氏は先に、関西での国政政党設立に言及し、近畿の維新勢力結集を目指す政治団体 「関西維新の会」を設立した。 大阪都構想 が否決され、政界引退を表明したはずである。維新の分裂を誘発するかのような言動は慎むべきではないか。
自民党の「一強多弱」状態の下、安倍政権は違憲の疑いが強い安保関連法案を衆院で強行採決し、参院でも数の力で成立させようとしている。野党は結束してこれを食い止めなければならない。与党に協力しても埋没するのは目に見えている。いまは野党の共闘態勢に軸足を置くべきだ。
維新はこれまでも、党運営をめぐって内紛や分裂を繰り返してきた経緯がある。 代表選では松野氏が再選を目指し出馬する見通しなのに対し、大阪系は対抗馬擁立を模索している。徹底的な論戦で路線対立に終止符を打ってほしい。
維新、分裂含み 橋下・松井氏離党、くすぶる集団離党論 大阪系議員「可能性ある」
維新の党の内紛は27日、党の「創設者」で、顔でもあった橋下徹最高顧問(大阪市長)と松井一郎顧問(大阪府知事)が離党する事態に発展した。柿沢未途幹事長の地方選対応に端を発した混乱を収められなかった松野頼久代表の求心力低下は必至。橋下氏に近い大阪選出議員らには集団離党論もくすぶる。与党内では、維新が提出した安全保障関連法案 の対案をめぐる修正協議への影響を危惧する声も出ている。
橋下氏は27日、大阪市内で記者会見し「国政政党から離れ地方政治に軸足を移す。身を引けば収まる話ならそれでいい」と離党を表明。松井氏も大阪府庁で「維新を離党する。もう面倒くさい」と述べた。両氏は同日夕、関係者を通じて松野氏に離党届を提出し、受理された。
維新が同日開いた両院議員懇談会では、橋下、松井両氏の離党を了承する一方、山形市長選で党が支援を見送った候補予定者を応援し、松井氏が辞任を迫っていた柿沢氏は続投を決めた。いずれも橋下氏の意向に沿った決定で、松野氏は懇談会後、記者団に「橋下氏に混乱収拾で力を借りた。一丸となり国会審議に当たっていきたい」と結束を強調した。
だが橋下氏らの離脱を回避できなかったことは、大阪選出議員に禍根を残した。中堅衆院議員は「もはや松野氏や柿沢氏の言うことは誰も聞かない。大阪のメンバーが集団離党する可能性は十分ある」とみる。
混乱の根底にあるのは、野党再編に軸足を置く松野氏ら「非大阪系」と、安倍政権との連携を探る「大阪系」との路線対立だ。橋下氏は離党表明前に党所属全議員にメールで「今、党が割れるようなことはしない」よう求めたが、側近は「あくまで『今は』ということだ」と解釈する。大阪系議員を実質的に束ねる馬場伸幸国対委員長は記者団に「これからいろいろなことが起こる。大阪のメンバーは一致団結して行動する」と述べ、党分裂の可能性も示唆した。
維新は安保関連法案の対案を参院に提出し、28日に与党と修正協議に入る。自民党側責任者の高村正彦副総裁は「維新がまとまるのか、慎重に見なければいけない」と述べ、協議への影響を懸念した。与党側は修正協議を通じて円満な採決環境を整えるのが狙いなだけに、公明党幹部は「維新の誰が権限を持っているのか不明。修正協議どころではなくなった」と焦りを募らせた。
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