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<あんぽ博士と考える武力行使の歯止め>解きほぐし安保論戦(2) 3要件曖昧なまま

<あんぽ博士と考える武力行使の歯止め>解きほぐし安保論戦(2) 3要件曖昧なまま

(北海道新聞)



どういう場合に 集団的自衛権 を行使できるのか。歯止めは十分なのか。安全保障関連法案 は参院審議でもなお、この点をめぐって野党が追及を強めている。

 

安倍政権が集団的自衛権を行使する「最も分かりやすい例」(与党幹部)として持ち出すのが、日本を守る米軍艦船の防護だ。

 

現行法では、日本が直接の武力攻撃を受けていない段階では、自衛隊が武力を使って米艦を守ることはできない。このため首相は「自衛隊が何もせずに米国の若者を見殺しにしたとなれば、(米国民は)日本を守ろうという気持ちにもならない」と必要性を強調している。集団的自衛権の行使なしには日米の同盟関係を強化できないという主張だ。

 

本来、集団的自衛権は同盟国などの「他国」を防衛する権利で、国連憲章51条ですべての加盟国に認められているが、政府は憲法9条の下、行使できないとしてきた。昨年7月に憲法解釈 を変更した安倍政権は、仮に今回の法案が成立しても他国の防衛は今後も許されず、あくまで日本を防衛するための限定的な集団的自衛権行使しかできないと説明している。

 

その根拠としているのが、首相が「世界に類を見ない厳しい条件」と説明している「武力行使の3要件 」だ。政府が例に出す米艦防護の場合、米軍への攻撃が日本国民の生命に危険を及ぼすことが明白でない限り、日本は集団的自衛権の行使ができない。遠い米国本土が攻撃されただけでは、日本は集団的自衛権は行使できないことになり、これが政府が「厳格な歯止め」と訴える理由だ。

 

ところが、集団的自衛権を行使するもう一つの事例として首相が意欲を示す中東・ホルムズ海峡での機雷除去になると、この要件の曖昧さが際立つ。機雷除去は国際法上、機雷をまいた国への武力行使に当たる。日本に輸入される原油の8割、天然ガス の2割は、この海峡を通るため、首相はホルムズ海峡に機雷がまかれてタンカーが通れなくなると「(石油の遮断で)寒冷地では国民の命に関わる問題になりかねない」と述べて、3要件に該当し得ると説明する。

 

一方、横畠裕介 内閣法制局長官 は3要件を満たすケースについて「わが国が武力攻撃を受けた場合と同様な深刻、重大な被害が及ぶことが明らかな状況」と解説するが、首相の説明では「経済的な打撃」だけでも武力行使が可能になりかねない。民主党の枝野幸男幹事長は「日本への攻撃と石油の遮断は、明らかに次元が異なる」と指摘する。

 

何が3要件に当たるのか。野党が何度ただしても政府側は「総合的に判断する」との答弁を繰り返している。第2次大戦で日本軍は「自衛」の名の下に石油確保を目指して東南アジアに進出した歴史もある。「総合的に判断したら何でもできる」(維新の党幹部)との批判は根強くあり、集団的自衛権の行使が際限なく広がる懸念は残ったままだ。



■「 後方支援 」で論争 核兵器輸送は否定

 参院平和安全法制特別委員会は11日のみ審議が行われ、自衛隊による他国軍への後方支援をめぐって議論が交わされた。中でも、他国軍が所有する核兵器の輸送の可否について野党側の追及が続き、中谷元・防衛相は「非核三原則 を堅持する日本が行うことは絶対にあり得ない」と、実施の可能性を重ねて否定した。

 

政府はこれまでの審議で、後方支援の一環として新たに可能にする弾薬の提供には手りゅう弾なども含まれるとの見解を示していた。さらに、核兵器の輸送の可否を問われると「法律上は排除されない」との見解を示した。

 

これに対し野党は11日の審議で、こうした後方支援は他国の軍事作戦に深く関与するものだと反発し、法案に明確な歯止めを設けるよう求めた。中谷氏は政策判断として行わないと答弁し、理由として「持たず、つくらず、持ち込ませず」の非核三原則を挙げた。ただ、「現実に考えられないことまで、全て法律に規定しなければならないとは考えていない」とも述べ、後方支援が際限なく広がることへの具体的な歯止め策は示さなかった。

 

このほか、安倍晋三首相が 海外派兵 の例外として認める方針を示している中東・ホルムズ海峡の機雷除去についても議論された。中谷氏は「決して石油を求めて戦争するということではなく、わが国の存立、自衛が目的だ」と述べた。

 

11日は新たな問題も浮上した。共産党の議員が、防衛省統合幕僚監部が法案成立を前提とする内部資料を作成していたと追及した。中谷氏は「審議中に法案の内容を先取りすることは控えなければならない」と釈明した。野党は「資料には自衛隊の部隊編成計画まで記されており独走だ」「監督責任が問われる」とし、さらに追及する方針だ。


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