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再生可能エネルギー の導入を最大限加速し、原発依存度を可能な限り低下させると国政選挙前に自民党が言っていたことを破り、電源構成比率は、原発は20~22%と決めました

再生可能エネルギー の導入を最大限加速し、原発依存度を可能な限り低下させると国政選挙前に自民党が言っていた将来のエネルギー政策の根幹となる2030年の電源構成比率は、原発は20~22%、再生エネは22~24%と云うものでした。



また、運転40年で 廃炉 の原則を厳守すれば約15%になり、2割以上を維持するには、運転期間を60年に延長するか、新増設しか有りません(経産省は現状では想定していないと言っていますが)。

また、再生エネルギ-は最大35%が可能とする環境省の報告書ともかけ離れています。太陽光、風力は割高で不安定な電源として冷遇され、世界的に再生エネの主役と目される風力は1・7%に抑えられています。これは、送電網を拡充しない政策の為でほとんど普及の努力を放棄しています。



そして、原発については正面から論じることを避け、根拠として持ち出されたのが、昼夜を問わず安定的に電力供給できる「ベースロード電源 」という考え方です。 原子力、石炭火力、水力・地熱をベースロード電源とし、現状の約4割から30年に欧米と同じ水準の6割に引き上げ様としています、その増える2割は、現在動いていない原発です。



原発は1キロワット時当たり「10・1円以上」と前回の試算よりは上昇しましたが、依然、もっとも安価な電源としています。しかし、電力各社の安全対策費が増える一方、過酷事故の発生確率は低下するといった根拠のあいまいな条件を設定しています。

 

そもそも、候補地のめどすら立たない放射性廃棄物最終処分場のように、不確実な要素があまりにも多いにもかかわらず、ベ-スロ-ド電源に入れることが大きなまやかしです。経産省の別の審議会で昨年、原発の維持に向けたさまざまな支援策が検討された事がその証拠です。本当に一番安い電源であれば、こうした原発支援の議論は不要なはずです。これは経産省自身が「安価神話」を信じていない証拠です。







将来の電源構成 民意を無視した原発回帰

(04/30 北海道新聞)

 

再生可能エネルギー の導入を最大限加速し、原発依存度を可能な限り低下させる。この政府方針を具体化した数字がこれなのか。東京電力福島第1原発の過酷事故 を踏まえ、原発依存の構造を変えるという議論の出発点も見失われている。

 

経済産業省の長期エネルギー需給見通し小委員会で、将来のエネルギー政策の根幹となる2030年の電源構成比率 の原案が示された。焦点の原発は20~22%、再生エネは22~24%である。政府は与党協議を経て、5月中の正式決定を目指す。

 

福島の事故前の10年度の原発比率28・6%に比べれば低いが、「運転40年で 廃炉」の原則を厳守すれば約15%になる。2割以上を維持するには、運転期間を60年に延長するか、経産省が「現状では想定していない」という新増設しかない。

 

原発依存度を下げるための目標が、将来の原発建設の口実となるのでは納得できるわけがない。事故を経て鮮明になった脱原発を望む民意を顧みず、旧来の状態に引き戻すようなやり方は断じて認められない。



■冷遇される再生エネ

 原発については正面から論じることを避け、根拠として持ち出されたのが、昼夜を問わず安定的に電力供給できる「ベースロード電源 」という考え方だ。

 

原子力、石炭火力、水力・地熱をベースロード電源とし、現状の約4割から30年に欧米と同じ水準の6割に引き上げる。増える2割は、現在動いていない原発だ。

 

だが、再生エネの普及などにより、 国際エネルギー機関 は、欧米のベースロード電源の割合は30年に5割、40年には4割台と将来は低下すると予測している。ベースロード電源を重視する意義は見いだせない。欧米を引き合いに出すのであれば、増やすのはむしろ逆行している。

 

再生エネの22~24%は、野心的な目標とはとても言えまい。最大35%が可能とする環境省の報告書ともかけ離れている。太陽光、風力は割高で不安定な電源として冷遇され、世界的に再生エネの主役と目される風力は1・7%に抑えられた。ほとんど普及の努力を放棄するに等しい。

 

送電網の増強が再生エネのコスト要因として問題視されているが、今後は 原発の廃炉 で余剰となる送電網の利用もできる。全国的に電力を融通する広域的運営推進機関も発足した。既存の送電網を機動的に活用し、再生エネの拡大につなげるべきだ。分散型電源による電力の「地産地消」が広がれば、送電網への負荷も減らせるだろう。

 

原発回帰の結論ありきで再生エネに枠をはめれば、再生エネを軸とした地域振興の試みや新たなビジネス、普及に向けた技術革新の可能性は封じられてしまう。



■原発は本当に安いか

 電源構成比率の原案提示に合わせ、経産省は各電源のコスト試算結果を公表した。原発は1キロワット時当たり「10・1円以上」と前回の試算よりは上昇したが、依然、もっとも安価な電源としている。だが、電力各社の安全対策費が増える一方、過酷事故の発生確率は低下するといった根拠のあいまいな条件を設定している。

 

そもそも、候補地のめどすら立たない放射性廃棄物最終処分場のように、不確実な要素があまりに多い。試算の妥当性を疑わざるを得ない。経産省の別の審議会で昨年、原発の維持に向けたさまざまな支援策が検討された。本当に一番安い電源であれば、こうした議論は不要なはずだ。経産省自身が「安価神話」を信じていない証左だろう。



■国民的議論の機会を

 露骨な原発回帰には与党内にも異論がある。とりわけ昨年の衆院選で、原発ゼロを目指し、運転40年ルールの厳格適用を公約した公明党の責任は重い。 温室効果ガス の削減についても、立ち止まって考えたい。

 

原発に安易に頼るのではなく、省エネの徹底と再生エネの最大限の活用こそ、あれだけの深刻な事故を起こした日本が挑戦すべき目標ではないか。電源構成の選択は、将来の社会ビジョンを描く作業にほかならない。福島の事故の教訓の一つは、エネルギー政策を政府任せにしてはならないということだった。

 

民主党政権に30年代の原発ゼロ目標を掲げさせたのは、 討論型世論調査 や意見聴取会を通じて、くみ上げられた民意である。政府の方針を審議会に追認させて終わる旧態依然の手法は、国民の不信を招くだけだ。国民的議論の機会を設けることなく、政府がこのまま結論を出すのは許されない。

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