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使用済核燃料の最終処分が出来ない原子力発電に頼る時代はもう過去のもので石炭火発の新クリ-ン技術に活路を見いだすべきです。

日本の国内の多くの炭鉱が閉山されて、エネルギ-の殆どを海外に依存する日本ですが、最新の高効率の石炭火力発電開発によって、特定の地域に頼ることなく安定して海外から輸入する事が出来ます。



また国内炭も同時に再開発して自給率を高めることが出来ます。この技術を輸出すれば、日本の成長産業の核に成り、また地球全体のCO2を減らす事が出来ます。使用済核燃料の最終処分が出来ない原子力発電に頼る時代はもう過去のものです。世界は常に最新技術を求めています。



石炭火発の再評価

新クリ-ン技術に活路

(科学ジャ-ナリスト 東嶋 和子 筑波大卒)



東日本大震災以降、原子力発電所の稼働が止まるなか、発電電力量の約9割は化石燃料が担っている。しかも、資源エネルギー庁によれば、海外からの化石燃料依存度は88%(2013年度)と、第1次石油ショック(1973年度)時の76%を超えて過去最高水準になった。直近は原油安だが、依然、燃料費や二酸化炭素排出量増加の懸念は大きい。

 



こうしたなか電源構成比の3割を占める石炭は、比較的安価で安定供給できる資源として再評価されている。新しい「エネルギー基本計画」では、常時運転するペースロード電源に位置づけられた。私も委員を務める総合資源エネルギ-調査会資源・燃料分科会鉱業小委員会では、石炭政策の方向として①安価・安定した供給の確保②環境に配慮した石炭利用の促進③日本の低炭素技術の海外展開を打ち出した。

 



供給に関しては、調達先の多角化とともに、水分が多く発熱量が低いなどの理由であまり利用されていなかった「低品位炭」を活用する技術が必要だ。今後世界で需要が増大するとみこまれることから、環境負荷の低い日本の高効率石炭火力発電技術を海外に「インフラ輸出」することも期待される。

 



こうした「クリーンコール技術」のモデルともいえる発電所が、福島県いわき市にある。常磐共同火力株式会社(なこそ)勿来発電所だ。1955年、常磐炭田の低品位炭を用いて発電するべく誕生した(常磐炭鉱は85年閉山し、現在は海外炭)。



2013年に運転を始めたのが、出力25万キロワットの10号機。①低品位炭を使う②発電効率が高い③捨てる灰が出ないーという一石三鳥の石炭ガス化複合発電(IGCC)である。しかも、『世界初の高効率空気吹きIGCCです』と、同社石炭ガス化発電事業本部の石橋喜孝本部長は胸を張る。

 



従来の石炭火力発電では、石炭・を燃やした熱で蒸気をつくり、その蒸気でタービンを回して発電する。これに対し、IGCCでは、こまかい粉にした石炭を高温でガスに変え、そのガスを燃やしてガスタービンを回す。次に、ガスタービンの排熱で蒸気をつくり、蒸気タービンを回す。

 



二段階で発電することで、48~50%という世界最高レベルの発電効率が望める。石炭の消費量は、従来に比べ2割減らせるという。石炭をガス化するとき、ガス化炉で酸素を使うのが「酸素吹き」、空気を使うのが「空気吹き」という。酸素吹きは燃焼温度が上がるのでガス化は容易だが、酸素を製造する巨大設備と動力がいる。つまり、エネルギーの入力が増す分、発電効率は高くならない。発電効率を求めるなら空気吹きがよいが、燃焼温度が十分に上がらないのでガス化は困難と思われていた。

  



「空気吹きIGCCは不可能」と海外でいわれたことが技術者魂に火をつけた、と石橋さんは振り返る。83年に開発が始まり、電力会社や三菱日立パワーシステムズ株式会社(当時は三菱重工業株式会社)などの力を結集した。勿来発電所構内に建てたパイロットプラントなどの経験をふまえ、試行錯誤の末できたのが、この実証プラントだ。

 



大震災時には津波を受け、震度6弱の余震にも見舞われたが、電力不足に対応するためいち早く復旧を果たし、13年7月商用運転を再開した。被災地から電気を安定して送るとともに、最近は国内外からの視察も多いという。

 



この成功をてこに福島県では、「福島復興電源」として50万キロワット級のIGCC実証プラント2基の建設が計画されている。一方、国内には現在、北海道に8ヵ所の炭鉱があるが、37年ぶりに空知管内栗山町で新規の採炭が始まると聞いた。

 



国内炭も含め、炭種の利用拡大と有効活用に資するクリーンコール技術を応援したい。

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