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<戦後70年に考える>引き継ぐもの 参加と対話で未来を開く


<戦後70年に考える>引き継ぐもの 参加と対話で未来を開く


太平洋戦争の敗戦から70年となる年が明けた。

日本は焼け跡から奇跡の高度成長を達成したが、バブル崩壊を経てデフレに陥り、少子高齢化という大きな転機に立っている。「戦争を知らない世代」が大半を占め、体験を聞く機会はどんどん減ってゆく。外に目を向ければ、東アジアはもちろん世界の環境も大きく変わった。

 

くしくも、「戦後レジームからの脱却」を信条とする安倍晋三首相が、衆院選の勝利を受けて新しい年へ踏みだそうとしている。将来世代に、何を守り何を改善して引き継ぐのかが問われる。

 

一方、ふるさと北海道。経済の構造転換などの壁に何度か突き当たってきた。今また、グローバル経済の荒波を受けつつある。夢のような経済成長ではなく、負担を分かち合う時代。大事なことは、誰かに任せるのではなく、一人一人の参加と対話で未来を切り開くことではないか。

 

■「お任せ」ではダメだ

70年前の敗戦。日本国民は、二度と戦争はするまいと誓った。2年後に日本国憲法が施行された。誓いは、誰か力の強い人にただ従うのではなく、自分たちで考えて決める、つまり、民主主義の国をつくる誓いでもあったはずだ。  それが怪しくなってきている。昨年の衆院選は、投票率が52%ほどと、戦後最低を記録した。魅力ある候補、政党がないから選挙に行かなくて当然、という空気が広がっているように見える。

 

「選挙」などのドキュメンタリーで知られる映画監督の想田和弘さんは、それを「消費者民主主義」と呼び、心配している(岩波ブックレット「日本人は民主主義を捨てたがっているのか?」など)。主権者・国民は「お客さま」ではない。選挙への参加は「買い物」ではなく義務だ。自分なりに情報収集する手間も要る。その原点を確認しなければならない。今年は統一地方選挙の年。また、東日本大震災以来、止まっていた各地の原発が再稼働する年になる可能性が高い。泊原発 もだ。隣近所で、ネットを通じて―。参加と対話を諦めてはならない。

 

■「分かち合い」の時代

ぎすぎすした出来事が多い。日本だけではない。欧州各国では極右勢力や排外的主張が一定の支持を集めている。経済のグローバル化は、一部の成功者と多くの取り残された人々という格差をもたらした。その閉塞(へいそく)感が背景にあるようだ。安倍首相の経済政策はつまるところ、「企業が強くならなければ雇用も生まれない。まずは企業活動を応援する」というものだ。しかし、企業からの「滴り」はわずか。産業構造が変わったからだ。逆に、格差を放置しては、企業業績も押さえ込まれることになる。社会は荒廃していく。

 

同志社大大学院教授の浜矩子さんは、「市場占有率」と「共有すること」の二つの意味を持つ英語シェアを使って「奪い合いのシェアから分かち合いのシェアへ」を提唱する。これまでのような「成長」の追求には限界があるからだ。

 

■地方から挑戦したい

国境を超える企業活動と、国内の公平確保の両立は困難な課題だ。それへの挑戦として、ブラジルの取り組みに注目したい。目指すは「社会自由主義国家」だという。立命館大教授小池洋一さんの同名の著書(新評論)によれば、ブラジルは1990年代から、グローバルな市場競争に参加しつつ、独自の道を歩もうとしている。社会政策予算の執行には非政府組織を活用する。透明化と効率化とともに、国民の社会参加を促す狙いだ。企業の社会的責任も法律で明確にし、地方レベルでは予算編成に直接民主主義を採用する。

 

社会民主党、労働党と引き継がれているこの政策のポイントは「排除」ではなく、住民の居場所をつくる「包摂」だろう。浜さんの主張とも重なる。こうした試みは、アイデア次第で自治体でも取り組める。道内自治体も財政難を嘆くだけでなく、住民を巻き込んだ施策を工夫する時だ。成功例も少なくない。  安倍政権は、農業の強化など世界市場でも勝ち抜ける力を競い合わせることを重視しているようだ。北海道の1次産業には、有望な分野もある。そこに挑戦することはもちろん大事だ。

 

しかし、それで道民みんなが「食べていける」かとなると、そう簡単ではない。基盤になるのは、先人が築いてきた地道な生産活動に磨きをかけていくことだろう。経済活動の地道な取り組みと社会活動の「包摂」の工夫。ここでも参加と対話は欠かせない。誇れるふるさとを、そこからつくりあげたい。

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