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今回の総選挙に大儀は無いと言われますが、安倍総理が述べた様に強者を優遇して弱者の底上げを行う政策の基本姿勢を争点にして民意を問うものです

今回の総選挙に大儀は無いと言われますが、安倍総理が述べた様に、大胆な金融緩和で株高と円安を進め、富裕層の消費と大企業の収益を高めて、その成果を庶民の懐にトリクルダウン(滴り落ちる)し、日本経済の好循環を実現するというアベノミクスの是非を問うものです。

それは行き詰った強者を優遇して弱者の底上げを行う政策の基本姿勢を民意に問うてほしいものです。

行き詰った強者優遇  

(経済再生のシナリオ 立命館大学教授 高橋伸彰)北海道新聞

原発反対の急先鋒として活躍する小泉純一郎元首相は、かつて持論である郵政民営化法案が参議院で否決された際に、衆議院の解散・総選挙で民意を問うたことがある。乱暴な解散という印象はあったが、筋は通っていた。これに対し、今回の安倍晋三首相による解散劇には大義どころか、意義の欠片も見られない。

安倍首相は、この9月に召集された臨時国会の所信表明で自らの改革は「道半ぽ」だと述べたうえで、「引き続き、デフレ脱却を目指し、『経済最優先』で政権運営に当たっていく」と明言したばかりである。また、消費税率の再引き上げをめぐっても、景気の動向いかんで先送りしたり、凍結したりできることは、改正消費税法の本則とは別に、景気弾力条項に明記されている。あえて総選挙で民意を問わなくても安倍首相が判断し、安定多数の与党の協カを得て国会で法律を通せば済む話である。

7~9月期の国内総生産(GDP)の速報値などを参考にして、最終的に増税(解散ではない!)の是非を判断すると言い続けてきたのは首相自身である。 もちろん、解散・総選挙に際してはさまざまな「大義」が出てくるかもしれない。だが、2年近くに及ぶ政権運営において安倍首相が繰り返し主張してきたのは「経済優先」である。

その経済がアベノミクスのシナリオ通りに順調な成果を発揮しているなら国会で責められる理由も、また民意を問う必要もない。まして改革が「道半ば」なら、解散・総選挙で時間を無駄にする余裕などないはずだ。それにもかかわらず、解散・総選挙を安倍首相が決断したのは、アベノミクスが「道半ば」どころか、行き詰まっているからに他ならない。実際、成長率の推移をみれば順調に回復したのは政権誕生後の半年くらいであり、2013年後半からは勢いを失っている。

内閣府が17日発表した7~9月期の成長率は年率換算で1.6%の減。消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動が大きかった4~6月期の同7・1%に続き、2期連続のマイナスとなり、景気後退色が鮮明になりつつある。政府・日銀は夏場の消費不振について、天候が主因であり景気は緩やかに回復していると強弁してきたが、消費関連の統計をみるかぎり10月以降も財布の紐は締まったままである。

 

改めて指摘するまでもなく、GDPの約6割を占める個人消費の大部分は、中間層も含めた庶民の日常的な消費によって成り立っている。上位数%の富裕層が株でもうかった泡銭を高額品の購入に当てたところで、GDPベースで3OO兆円近い個人消費にとってはすぐに消えてしまう泡沫にすぎない。円安と消費増税による物価高に賃金が追いつかず、実質所得の減少が続けば個人消費の「水位」が下がるのは当然であり、下がった「水位」を富裕層の「泡」で埋

めようとしてもしょせん、無理な話である。

 

そう考えると、大胆な金融緩和で株高と円安を進め、富裕層の消費と大企業の収益を高めて、その成果を庶民の懐にトリクルダウン(滴り落ちる)し、日本経済の好循環を実現するというアベノミクスのシナリオが最初から間違っていたことがわかる。

間違った道を歩み続けても日本経済は再生しない。いわんや庶民の生活は苦しくなるばかりである。求められているのは、富裕層や大企業など強者優先のトリクルダウン政策から、日本経済を根底で支えている庶民に「安心と安定と安全」を保障するボトムアップ(底上げ)政策に転換することである。

そのために消費増税の再引き上げは白紙に戻し、代わりに所得税の最高税率引き上げや資産税の強化、および法人減税の中止と大企業向け優週税制の廃止によって経済的強者にもぎりぎりの負担を求めることで、財政再建と社会保障改革を両立すべきである。

 

総選挙に臨む各党は目先の景気をめぐる水掛け論ではなく、トリクルダウン(強者優遇)かボトムアップ(弱者底上げ)かと政策の基本姿勢を争点にして民意を問うてほしい。

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