経済界が求める法人税減税、労働規制の緩和などの為に、経団連の榊原定征会長は、政治献金を5年ぶりに再開し、会員企業に献金を呼びかける方針を表明しました
94年に税金で政党活動を支える政党交付金 が導入された狙いは、企業・団体献金の廃止だったはずですが、経団連 の榊原定征会長は、政治献金への関与を5年ぶりに再開し、会員企業に献金を呼びかける方針を表明しました。
この事は「政策を金で買う」と云う意図を表明した事になります。すでに安倍政権は、経済界が求める法人税減税、労働規制の緩和などを成長戦略や骨太の方針の中で打ち出していますが、経団連が求めている法人税減税の財源はまだはっきり決まっていませんので、それを消費税増税10%に求めようとしています。
経団連献金再開 露骨な政権擦り寄りだ
(北海道新聞)
経団連 の榊原定征会長は、政治献金への関与を5年ぶりに再開し、会員企業に献金を呼びかける方針を表明した。献金の判断材料として政策評価を示すものの、榊原会長は「企業の自主的な判断に基づく」とし、「どの政党に献金するかは各社の判断」と説明している。
だが、経団連は アベノミクス を全面的に支持しており、結局、献金は自民党に向かうだろう。安倍晋三政権に擦り寄って、法人税減税などの大企業優遇策を実現しようとする意図は明らかだ。「政策をカネで買う」との批判が起きるのは当然だ。時代に逆行する方針の撤回を求める。
6月に就任した榊原会長は、米倉弘昌前会長時代にこじれた安倍政権との関係修復に腐心し、政権と二人三脚で経済再生に取り組む姿勢を示してきた。これが功を奏し、榊原会長が政府の経済財政諮問会議 の民間議員に起用されるなど、急速に親密度を深めている。会長は献金再開を仕上げと考えているようだ。
しかし、既に安倍政権は、経済界が求める法人税減税、労働規制の緩和などを成長戦略や骨太の方針の中で打ち出している。武器輸出の条件付き容認に踏み出した防衛装備移転三原則 も経団連の要望に沿うものだ。国民の目には、献金再開はこれらへの「見返り」と映るだろう。
特に、年末にかけて議論が本格化する法人税減税について、経団連の姿勢は強引だ。財源として、企業向けの政策減税である租税特別措置 の改廃が検討されているが、経団連は難色を示している。本来、異業種を束ねる経団連が利害を調整し、自ら財源捻出に協力するのが筋だ。減税してほしいが、既得権益は手放さない―。これでは、一介の業界団体によるロビー活動に等しい。
政治腐敗の温床、政財界癒着といった批判を受け、1993年に献金あっせんの中止を決めた後、経団連の対応は二転三転した。榊原会長は、政治献金を社会貢献の一環と位置付け、「民主的な議会政治を維持するためのコスト」と強調する。だが、94年に税金で政党活動を支える政党交付金 が導入された狙いは、企業・団体献金の廃止だったことを忘れてはならない。献金再開に大義はなく、財界内にも異論がある。政治との適正な距離を保つことができなければ、国民の信頼を失うだけだ。
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