北海道電力は原発に人も金も集中的に投じた結果、高効率のLNGガスタービンコンバインドサイクル火力発電や、風力など 再生可能エネルギ-の開発が後回しにされました
北海道電力の最大の問題は原発依存度が高すぎることです。(売上高、発電量など)電力会社としての規模は東京電力の10分の1で、発電量は全国の3~4%しか有りません。それなのに原発を3基も造り、発電量に占める原発の比率を全国の電力会社で最高の44%(2010年度)にまで高めました。特に、泊原発3号機(出力91万2千キロワット)は建設前から出力100万キロワット近い新たな原発が必要なのか、という議論がありました。
北海道電力は原発に人も金も集中的に投じた結果、高効率のLNGガスタービンコンバインドサイクル火力発電や、風力など 再生可能エネルギ-の開発が後回しにされました。これは完全に経営判断の誤りがあったと言わざるを得ません。こうした判断への総括もないまま、安易に電気代の再値上げで赤字経営を乗り切ろうとしても到底理解は得られないと思われます。
北電以外の電力会社のLNGガスタービンコンバインドサイクル火力発電所の一覧を見ますと、他の電力会社は熱効率が50%以上あるLNGガスタービンコンバインドサイクル火力発電所への以降がかなり進んでいます。
この様な発電所はLNGだけでなく石炭のガス化発電によっても同様の熱効率が得られ、CO2を膨大に出す旧式の火力発電がこの様な発電所に変わって行けば、原発がなければ、CO2問題は解決しないと流している原子力ムラの宣伝は偽りの言葉と言う事がはっきりします。
またCO2問題は日本だけが取り組んでも何も解決しません。旧式の石炭火力発電所を数多く持っているインド・中国などに日本の技術を輸出すべきです。原発の技術を輸出しても、使用済み核燃料の処分が出来ない現在、地球への環境負荷が増えるばかりです。
(ウィキペディアより)
1,100℃級CC
◦東北電力 東新潟火力発電所:3号系列(121万kW)
◦東京電力 富津火力発電所:1、2号系列(各100万kW)
◦中部電力 四日市火力発電所:4号系列(58.5万kW)
◦中国電力 柳井発電所:1号系列(70万kW)*
◦九州電力 新大分発電所:1号系列(69万kW)*
•柳井発電所1号系列、新大分発電所1号系列は、現在更新に伴い1,200℃級ガスタービンに変更中。
•1,200℃級CC ◦沖縄電力 吉の浦火力発電所:1〜4号機(各25.1万kW)※建設中
•1,300℃級ACC ◦東京電力 横浜火力発電所:7、8号系列(各140万kW)
◦中部電力 川越火力発電所:3、4号系列(各170.1万kW)
◦関西電力 姫路第一発電所:5号機(72.9万kW)、6号機(71.3万kW)
◦中国電力 柳井発電所:2号系列(70万kW)
◦九州電力 新大分発電所:2号系列(87万kW)、3-1号系列(73.5万kW)
•1,400℃級ACC ◦東北電力 仙台火力発電所:4号機(44.6万kW)
◦中国電力 水島発電所:1号機(28.5万kW)
•1,450℃級MACC ◦東北電力 東新潟火力発電所:4号系列(170万kW)
•1,500℃級MACC ◦東京電力 川崎火力発電所:1号系列(150万kW)、2-1号系列(50万kW)
◦東京電力 富津火力発電所:4号系列(152万kW)
◦中部電力 新名古屋火力発電所:8号系列(160万kW)
◦関西電力 堺港発電所:1〜5号機(各40万kW)
•1,600℃級MACCII ◦東京電力 川崎火力発電所:2-2号、2-3号系列(各71万kW)※建設中
◦東京電力 五井火力発電所:1号系列(213万kW)※計画中
◦中部電力 西名古屋火力発電所:7号系列(231.6万kW)※計画中
◦関西電力 姫路第二発電所:1〜6号機(各48.65万kW)※建設中
◦九州電力 新大分発電所:3-2号系列(48万kW)※建設中
<北電再値上げを問う>3 北大大学院経済学研究科特任教授・吉田文和さん 経営判断の誤り、総括ない
北海道新聞
北海道電力の最大の問題は原発依存度が高すぎることだ。(売上高、発電量など)電力会社としての規模は東京電力の10分の1で、発電量は全国の3~4%しかない。それなのに原発を3基も造り、発電量に占める原発の比率を全国の電力会社で最高の44%(2010年度)にまで高めた。
電力会社は原発を停止した代わりに割高な石油火発の稼働を増やし、経営が悪化したが、原発依存度が低い東北電力や北陸電力の決算は黒字だ。赤字が大きいのは依存度が高い北電と関西電力、九州電力だ。
旧産炭地の北海道はかつて割高な石炭で発電し、 電気料金 も高かった。「値下げしろ」という圧力が強く、一気に原発の建設を進めた。ただ泊3号機(出力91万2千キロワット)の建設前から果たして出力100万キロワット近い新たな原発が必要なのか、という議論はあった。
原発に人も金も集中的に投じた結果、 液化天然ガス (LNG)火発や、風力など 再生可能エネルギー の開発が後回しにされた。経営判断の誤りがあったと言わざるを得ない。こうした判断への総括もないまま、再値上げと言っても理解は得られない。
北電は(建設費などを少しずつ決算処理していく)減価償却が終わった泊1、2号機は動かせば動かすほどもうかるし、3号機は09年に稼働させたばかりだから、何とか動かしたいと執念を燃やしている。再稼働させるために防潮堤整備などに1600億円もの安全対策費を投じようとしているが、そんなお金があるならば再生可能エネルギーの普及に努めるべきではないのか。事故対策などにかかるコストを考えたら、もはや原発が安くないことは明々白々だ。
北電は原発がなければ電気料金が高くなると繰り返す。しかし原発なしでやっている沖縄電力の電気料金は、原発が止まる前の他の電力会社と比べて平均1~2割高い程度だった。そう考えると、北電の昨年と今回の2度を合わせた値上げ幅はあまりにも大きすぎる。
東電は 福島原発事故 の責任を十分果たしていないが、エネルギー総合会社として自らビジネスモデルを変えようとしている。発電と送電部門の分離や再生可能エネルギー部門の分社化を検討している。他の電力会社と組んで新たな発電事業を展開するなど、原発なしでもやっていく展望をきちんと持っている。
北電は東電とは(人口密度など)条件が違うと言うが、北海道は再生可能エネルギーの潜在力が高く、寒冷地なので冬には暖房用の熱需要も多い。風力やバイオマスに加え、(熱と電気を一緒に供給する)熱電併給など北海道の条件を生かした方向で事業を再編し、再生してほしい。発想の転換をしない限り経営は劣化するばかりで値上げをめぐって道民とやり合い、国の救援を仰ぐのがせいぜいだ。
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