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ネタのない西松建設事件と陸山会事件で小沢一郎を失脚させた検察と司法メディアの癒着

ネタのない西松建設事件と陸山会事件で小沢一郎を失脚させた検察と司法メディアの癒着

先日BS朝日放送の「激論クロスファイア-」で田原総一朗氏と郷原信郎元検事の対談が放送されましたが、その内容とほぼ同じ内容の記事が、現代ビジネスに掲載されました。郷原氏は現在WOWOWで放映中の検察特捜部の闇を鋭く描いたドラマ「トクソウ」の原作者です。(原作は郷原氏が「由良秀之」のペンネームで書いた推理小説『司法記者』)

この、BS朝日の番組は私も見ましたが、(番組の中で郷原氏も述べていますが)普通の司法関係者から見ますと、小沢事件は検察特捜部にとって相当スジの悪い事件だった様です。しかし、現在でもまだ小沢一郎は金権悪党政治家と思っている人が多いようですが、それは検察特捜部がスジの悪い事件を立件して、失敗した(西松建設事件で特捜部は大恥をかいた)為に、マスコミに色々な事をリ-クして、小沢一郎に対して「政治資金規正法違反だけで終わるわけがない、その背後に何か贈収賄事件のような大きな事件があって、そのための入り口捜査に過ぎないだろう」と云う印象を植え付けた為と思われます。(実際マスコミはこの西松事件で検察特捜部が失敗して大恥をかいたと云う事は一度も報道していません)

長文の記事ですので、第四回だけ転載します。第1回からの記事は現代ビジネスにアクセスしでお読みください。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39104

2014年05月26日現代ビジネス永田町デ-プスロ-トより転載

田原総一朗×郷原信郎 第4回 ネタのない西松建設事件と陸山会事件で小沢一郎を失脚させた検察と司法メディアの癒着

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39351

田原: これはまた違う話なんですが、鈴木宗男はやまりん事件で製材会社のやまりんからカネをもらって逮捕されました。あの事件も同じような話でしょう?


郷原: 私はあの事件の頃は長崎地検の次席検事をやっていましたから、東京の特捜部でどういうことがあったかはまったく知りませんが、「かなり無理をしているなぁ」とは感じました。


田原: あの事件がひどいのは、鈴木宗男はやまりんからカネをもらったこと自体は認めているんですね。たしか400万円だったかな? しかし、問題なのはあの時点で贈賄側は時効が成立していたけれども、収賄側は時効になっていなかったということを利用して、検察がやまりんに「おまえら、自白しないといつまでも留めておくぞ、自白すれば釈放してやる」と言って、それでやまりん側が自白して鈴木宗男が逮捕されたということなんです。


郷原: あのムネオ捜査というのは迷走に次ぐ迷走を重ねてますね。


田原: 元々ムネオ捜査というのは、北方領土問題ですよね。ムネオハウスとか。でも、これはまったく関係なかった。


郷原: しかし世の中が、「鈴木宗男という政治家は真っ黒だ」と思い込んでいますから。だから、その真っ黒な政治家をどうして逮捕できないのかということで、また検察にペンキが投げつけられるような事態になりかねなかったから、何とかして、どんな事件でもいいから鈴木宗男氏を逮捕起訴しようとしたということだと思います。私はそのときの内情は知りませんが、そういうことなんだろうな、と思いながら見ていました。


■常識では考えられない政治資金規正法での立件


田原: 小沢一郎の事件というのも同じことで、僕は民主党政権が3年数ヵ月で失敗したことにはいろいろと理由はあるけれども、結局小沢一郎に振り回されたということなんだと思うんです。ところが小沢一郎が民主党を振り回した一方で、小沢一郎自身も検察に振り回されていたんですね。だから、検察に振り回された小沢一郎に振り回されて民主党は政権を失ったということで、結局民主党政権を潰したのは検察だと言えなくもないですよね。


郷原: それは、政権をとろうとしていたし、その可能性があった民主党の党首だった小沢氏に、検察が最初から狙いを定めて政治的な目的で組織的に捜査を仕掛けたというような話であれば、検察は組織として統率のとれた行動をしたということになるんでしょう。でも、おそらく私はそうじゃないと思っています。


特捜の現場としては、西松建設事件でろくなネタがなくて捜査のやりようがなくて、結局小沢さんの秘書の事件だけしか立件できなかったから、それで小沢さんに、政治資金規正法の代表者処罰規定か何かでプレッシャーをかけて代表辞任に追い込んで、それで格好をつけて西松建設事件を決着させようと思ったという、そういうところから始まったんだと思うんですよ。

田原: 当時小沢一郎は民主党の代表だったわけで、まさに今の第二次安倍政権にもつながる話なんだけど、あのときの参議院選挙で第一次安倍政権の自民党が負けて小沢の民主党が勝った。次の衆議院選挙も民主党が勝つ可能性があったわけですね。もしもあのとき、小沢一郎が民主党代表のままで衆議院選挙を闘っていたら、民主党の圧勝だったはずなんですね。ところがその衆議院選挙の直前に、小沢の秘書の大久保隆規が陸山会事件でいきなり逮捕されたわけです。これも虚偽記載で逮捕なんてわけのわからない話でしたよね。


郷原: 表の献金の問題で、寄付の名義が誰なのかという政治資金規正法違反事件でした。野党第一党の党首の秘書を政権交代がかかった選挙の直前に逮捕する事件としては、常識では考えられないような軽微な事件で立件したわけです。


■小沢を打倒するという特捜部のリベンジ


田原: あんなことで普通逮捕するものですか?


郷原: さっき申しあげたように、あのときの特捜部が西松建設事件でやれるネタとしては、あんなものしかなかったんですよ。それで何とか秘書だけは逮捕して、その責任を小沢さん本人に負わせて代表辞任に追い込もうということですね。


田原: まさにそれで小沢は追い込まれたわけで、もう民主党代表を辞めざるを得なくなったわけです。それで代表は辞めることになったけれども、次の選挙で民主党が勝っているんだから、小沢は事実上総理大臣になれたわけですよね。検察としては、あんな男をどうしても総理大臣にさせてはならないというふうに思ったんですかね?


郷原: 私は、それは検察組織の方針というよりは、特捜の現場がそれしかやれることがなかったということだったと思っています。ただ、地検の幹部も最高検の幹部も、普通だったらあんなつまらない事件の着手にゴーサインは出さないですよ。ところがやはり、そこに「小沢を打倒するためなら、多少ハードルを下げてもいいんじゃないか」という政治的な配慮が働いたんだろうという気がします。


田原: あのときに僕は「サンデープロジェクト」で郷原さんと宗像さんのお2人に来てもらいましたが、宗像さんは「こんな容疑だけで逮捕するわけがないから、きっと裏には収賄の事実があるんだ」と言ってましたね。


郷原: 私は、「そう思うのが当然ではあるんだけれども、多分、特捜部には収賄でやれる見通しなどないと思いますよ」と言ったんですよね。


田原: 宗像さんも、「収賄の事実がないのに逮捕するなんて、とんでもない話だ」と怒っていましたよね。それで、そのために小沢は結局首相になれなかったんだけど、しかも西松建設事件では何にもできなかったものだから、世田谷の深沢の土地の問題にしたわけですね。


郷原: 西松建設事件では、特捜部は大恥をかいたわけです。そのリベンジですよ。リベンジというのに加えて、まさに小沢氏にあれだけ刃向かったわけですから、その小沢氏が民主党の幹事長という要職を務めている。何とかしてそれを政治的にたたき落とすようなことをしないと、自分たちがやられるかもしれないというふうに、当時の特捜部の人間が思ったのかもしれないですね。


■官僚と検察、マスコミの歪んだ関係


田原: それにしてもさっき郷原さんは、西松建設事件は特捜部は大恥をかいたと言ったけれども、マスコミは特捜部が大恥をかいたとはどこも報道しなかった。「次は何でいくんだ」とくるわけですね。


郷原: 最初は多くのメディアは「政治資金規正法違反だけで終わるわけがない、その背後に何か贈収賄事件のような大きな事件があって、そのための入り口捜査に過ぎないだろう」と見ていたわけです。


私はおそらく「そんなものはないだろう、追い込まれてあの事件で捜査を始めただけじゃないのか」と見ていたら、結果的に私が言っている通りになりました。それでマスコミも「あれっ? 違うじゃないか、われわれが見ていたのと全然違う結果になった、検察はとんでもない」と言うかと思ったのら、そんなことは全然言わないんですね。「秘書が起訴された事実を重く受け止めるべきだ。小沢氏は代表辞任すべきだ」と騒いだわけですね。

田原: なんで郷原さんは「検察が大恥をさらした、あれは失敗だ」と言えるのに、マスコミはそう言えないんですかね?


郷原: それはマスコミの側に小沢氏を何とか政治的に葬ろうという政治的な意図があったからじゃないですか。なぜかはわからないですが、小沢さんに対するメディアの見方ですかね。


田原: あれは田中角栄の子分だったから汚いに違いない、と(笑)。


郷原: それと、小沢氏は官僚批判とか、官僚とマスコミの関係についてもの批判も随分していて、小沢氏が政権をとったら、その部分に抜本的なメスを入れてくるんじゃないかというようなことは言われていましたよね。記者クラブ制度もそれによって変わってしまうんじゃないかと言われていましたし。


田原: ああそうか、下手に小沢が政権をとったらマスコミの記者たちが持っている既得権益が損なわれるということなんですね。結局マスコミというのはいつも検察の味方なんですかね?


郷原: 官僚の味方ということにはなりますね。


田原: マスコミ=官僚ということですか?


郷原: 検察は官僚の用心棒のような存在であり、官僚の言うことをかなりの部分代弁しているのがマスコミということになるのかもしれないですね。


田原: 大体司法マスコミというのはそんなものなんですか?


郷原: 検察がマスコミに露骨にネタを提供してリークするというようなことがそんなに頻繁に行われるわけではないとは思うんですよ。しかし、マスコミの側は、いろいろな取材の結果を検察にぶつけたりしながら、その顔色を見ていろいろ探っていくだけだと言いますが、それだけではない。検察からマスコミへの情報が流れるのはいろいろな形態があるのだろうと思います。


田原: 郷原さんは検察のやり方にも相当怒っているんだけれども、マスコミに対してもこんなやり方はとんでもないという怒りが相当渦巻いているように見えます。


郷原: 結局、そういう検察とメディアの間の構造やシステムができあがってしまっているんですよ。要するに司法マスコミというのは、検察にとっては従軍記者とかサポーターみたいなもので、利害が一致している運命共同体みたいなものなんです。検察が大きな事件を手がけてくれたら自分たちも大きな記事が書けるし、検察がダメだったら自分たちの努力もまったく酬われないわけです。そういうことで、とにかくメディアは検察の意向に沿う記事を書いて、検察批判は差し控えるということになってくるんですね。


田原: その構造は今も変わっていないんですか?


郷原: 基本的には、司法マスコミというのは検察の批判はあまり書かないですね。


サンキュー: 子会社みたいなものでしょうか。特捜部のなかでは、それはやり過ぎなんじゃないかというような意見は出ないんですか?


郷原: あんまり出ないですね。


■検察に強大な権限が与えられている日本の制度は独特


サンキュー: 本当にリアルなお話をたくさんうかがうことができたんですが、検事の適性みたいなものってあるんですか? 最初に望んで検事になられたわけじゃないというお話がありましたが。


郷原: いろいろな個性を持った検事がいますが、やっぱり検察のなかに長くいると、段々考え方が権力志向になっていって、自分が権力者だということが当たり前の感覚になってくるんです。ですから、常に上から見下ろすような意識を持つようになってしまうんですよ。とりわけ検察のなかのエリート集団のように思われている特捜部では、そういう意識が強いことは間違いないですね。


サンキュー: アメリカやヨーロッパと比較したうえで日本はどうなんでしょうか?


郷原: 日本の制度は独特ですね。検察周りから一切干渉も介入もされずに、やろうと思えば何でもできるというような、そこまで強大な権限が与えられているというのは他の国ではなかなかないですね。


逆に一頃の韓国のように、大統領が替わる度に、検察がそのときの大統領の意向に従って検察が前大統領を逮捕するというような、政治的な意図で検察が動かされるというのも問題なんですけれど。あまりに独立していて、何でも検察で判断したことが何でもできるという日本独特の特捜のあり方にも問題があります。


サンキュー: それを監察する立場の人はいないのでしょうか。


郷原: 具体的な事件のチェックというのは最終的に起訴した事件を裁判所が無罪にするしかないんです。ところが特捜が起訴した事件で無罪になったケースというのはほとんどないんです。去年国税が告発して特捜が起訴した八田隆さんという方の脱税事件で、一審で無罪、検察の控訴棄却で無罪が確定しましたが、これは画期的なことなんですよ。これまでそんなことはほとんどなかったんです。


ほとんど裁判所は特捜の事件を無罪にできない、そういう構造だったんです。検察との力関係ですよね。特捜の事件というのは、検察の最上層部、最高検検事総長まで了承して起訴しているわけで、組織を挙げて有罪を主張して立証しようとしている事件を、裁判官3人の合議体で「それは違う」と引っ繰り返すことは難しかったんです。


これまでは、なかなかそれができなかったんですね。だから検察にすべての権限が集中してしまうんです。ただ、大阪地検の不祥事の問題もあり、近年、少しは状況が変わってきているんじゃないかとは思います。そういうこともあって、八田さんの事件が無罪になったとも言えます。


サンキュー: 暴走することもあって、これは間違っていることもあるんですね。


郷原: むしろまったく間違っていない事件のほうが少ないんじゃないかというくらいです。複雑な事件がどうなっているかなんて、調べてみなければわからないですよ。


ところが特捜の場合は、最初の段階から全部自分たちでやるので、まずストーリーを組み立てて、それを上に報告して「この事件はこういう事件です」ということで了解を得てから始めるので、最後までそのストーリーにこだわってしまうんです。途中で別の証拠が出てきたとか新たな証言が出てきて、どうもこれはおかしいということになっても、引き返せない。それが特捜が最初の方針通りに暴走してしまう原因なんですね。


サンキュー: 間違っていても罰則はないんですか?


郷原: 裁判所で最終的に、起訴した事件が有罪になれば、間違っていたということにはならないわけです。


サンキュー: 検察の逮捕状請求というのは、警察より簡単なんですか?


郷原: いや、これは同じです。逮捕状、勾留状にしても同じだし、捜索差押許可状にしても、やはり検察官が一応ちゃんと書類を整えて請求すれば、出ないということはないです。


サンキュー: 郷原さんはドラマの撮影現場をご覧になったんですよね。いかがでしたか?


郷原: 驚いたのは、一つのシーンを撮るのに、何回も何回もいろいろな角度から撮ることですね。それによって、ちょうどいいアングルからの映像を組み合わせることができるんだな、ということがよくわかりましたね。このようにしてドラマができあがっていくんだな、ということを初めて知りました。

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