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ノバルティスファーマ社の白血病治療薬の副作用に関する臨床研究の不正で企業と大学、研究機関のもたれあいが発覚したのは、氷山の一角にすぎないと思われます

世間では小保方さんのSTAP細胞論文で大騒ぎしていますが、企業と大学、研究機関が癒着していた為にノバルティスファーマ社の白血病治療薬の副作用に関する臨床研究に不正あった事が、あまり大きく報道されていません。

ノバルティスファーマ社はこの白血病治療薬の他に、高血圧の治療薬のディオバンについても、臨床研究デ-タに不正に関与したとして東京地検の捜査を受けています。しかし、今回のような企業と大学、研究機関のもたれあいが発覚したのは、氷山の一角にすぎないと思われます。

臨床研究不正 産学癒着の根絶たねば(北海道新聞)

 

産学の癒着が、本来中立的な立場で行われるべき臨床研究をゆがめた。薬の安全性への信頼を裏切った責任は極めて重い。東大病院が中心となって進めたノバルティスファーマ社の白血病治療薬の副作用に関する臨床研究で、社員が患者アンケートを回収するなど同社が組織的に関与していたことがわかった。

 

看過できないのは、重い副作用を社員が把握しながら厚生労働省への報告を怠っていたことだ。薬事法違反の疑いがあるという。営業に不利になるとみて伝えていなかったとすれば、患者の健康を守るべき製薬会社の使命を軽視したと言わざるを得ない。問題はそれだけにとどまらない。同社が委託した社外調査委員会によると社員が患者のデータを不正に入手し、営業に利用したり、発覚を恐れて資料を廃棄したりするなどの悪質な行為もあった。

 

社外調査委は刑事告発は見送る考えだというが、企業倫理の欠如は目に余る。同社のスイス本社が日本法人の社長らを退任させたのは当然だろう。再発防止策も早急にまとめる必要がある。だが、それだけでうみを出し切ったとは言えない。データ操作が問題になった降圧剤ディオバンの臨床研究でも同社の関与が疑われ、東京地検の捜査を受けている。患者より営業優先の企業風土を刷新しなければ、信頼回復にはつながらない。

 

東大病院も、医師が記入すべき患者の副作用評価を社員に代筆させていた。データを扱う部門に当事者を関与させてはならないのは、研究者としての常識だ。同社から12年度だけでも300万円の寄付を受けていたことを考えれば、研究そのものが同社の丸抱えと言われても仕方ない。 大学側はこうした不正が起こった経緯を徹底的に検証し、再発防止策を早急にまとめるべきだ。

 

今回のような企業と大学、研究機関のもたれあいは、氷山の一角にすぎない。背景にあるのは、研究機関のお墨付きを得て営業に活用したい企業側と、資金や人材の確保を求める研究者側の思惑だ。厚労省は臨床研究に関する倫理指針を近く厳格化するが、それだけでは効果は薄い。新薬の承認申請が目的の臨床試験(治験)と同様、法制化を図るべきだ。日本学術会議は先月、臨床研究を中立的に運営する公的組織新設を提言した。政府はこういった提案も真摯(しんし)に検討する必要がある。

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