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金融の大規模緩和には限界があり米国の様に早く出口戦略を立てなければなりません

米国は量的金融緩和の規模を来年1月に縮小する方針を決定した様ですが、日本は日銀が20日の金融政策決定会合で大規模な金融緩和の継続を決めました。その結果円相場は約5年2カ月ぶりに1ドル=104円台に下がりました。現在でも行き過ぎた円安の為に、輸入物価が上昇してガソリン・灯油の高騰を招く副作用が発生しています。特に北国では冬に大量に消費する灯油の高騰は、住民の生活を直撃しています。

このまま、輸入製品の物価が上昇してもデフレからの脱却は出来ません。株式市場だけが好調でも、購買力が低下しては実態経済が良く成るはずが有りません。現在は消費税増税前の一時的な駆け込み需要が起きているだけで、これも来年3月までのものと思います。

また、金融の大規模緩和マネーの多くは株式や不動産市場に流れ込み、設備投資の喚起にはつながっていません。増税に円安が追い打ちをかけ、消費を一段と冷え込ませる事は、大規模金融緩和には限界があると云う事を示しています。政府は米国の様に早く出口戦略を立てなければ、何時までも金融緩和と財政出動を続ける事になってしまいます。

日米金融政策 緩和の弊害も見逃せぬ

(北海道新聞社説12月22日)

 

米連邦準備制度理事会(FRB)が、2008年秋のリーマン・ショック後に導入した量的金融緩和の規模を来年1月に縮小する方針を決定した。 前例のない歴史的実験が「出口」に向け一歩を踏み出す。 緩和縮小に転じるのは、失業率の改善など米国景気が着実に回復しているためだ。

 

世界の市場にあふれた巨額の緩和マネーは、新興国の通貨や株価の乱高下を招くなどの弊害もあった。米国の株価は連日、史上最高値を塗り替えバブル懸念も高まっている。FRBは景気動向を慎重に見極めながら「出口」に導いてほしい。 一方、日銀は20日の金融政策決定会合で大規模な金融緩和の継続を決めた。日米の政策の違いに敏感に反応し、円相場は約5年2カ月ぶりに1ドル=104円台に下がった。

 

行き過ぎた円安は、輸入物価上昇などの副作用が大きい。株式相場も過熱化しないように、日銀は「出口」への準備を怠ってはならない。FRBが量的緩和を縮小するといっても規模は月額100億ドル(約1兆400億円)にとどまり、来月以降も市場に750億ドルを供給する。事実上のゼロ金利も続け、バーナンキ議長は会見で「金融引き締めは意図していない」と強調した。失業率が5年前の水準まで下がったとはいえ、なお7%と高く先行き不安要素が残っているためだ。

 

しかし、3次にわたる量的緩和で350兆円以上が投入され、米国内では貧富の差を一層広げた。  来年2月、FRBの新議長に就任するイエレン副議長は弊害にも十分留意すべきだ。一方、日銀は「緩やかに回復している」との景況判断を据え置き、金融緩和の規模も変更しなかった。 12月の日銀短観では大企業・製造業の景況感が4四半期連続で改善したが、個人消費には一服感がある。さらに来年4月の消費税増税は景気の足を大きく引っ張る。 政府の14年度の実質成長率見通しも1・4%と、13年度見込み(2・8%)の半分に落ち込む。このため、日銀は増税時に「追加緩和をする」との見方も浮上している。

 

だが、緩和マネーの多くは株式や不動産市場に流れ込み、設備投資の喚起にはつながっていない。増税に円安が追い打ちをかけ、消費を一段と冷え込ませる心配もあり、大規模緩和には限界が見え始めている。問題は、黒田東彦(はるひこ)総裁が今も「出口論議」を時期尚早としていることだ。米国の緩和縮小観測をめぐる市場の混乱を「他山の石」とし、具体的に縮小する際の判断材料や手法を発信していく必要がある。


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