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安倍晋三首相は「成長戦略実行国会」と位置づけたが実際は「特定秘密保護法案強行国会」になってしまった

『安倍晋三首相は「成長戦略実行国会」と位置づけた。実際は「特定秘密保護法案強行国会」になってしまった』と云う記事は3年後まで何度も掲載していきたいと思います。

強行突破国会 民主主義担う責任感を

(北海道新聞社説12月8日)

 

臨時国会は特定秘密保護法の成立を受けて事実上閉幕した。10月に開幕した時に、安倍晋三首相は「成長戦略実行国会」と位置づけた。実際は「特定秘密保護法案強行国会」になってしまった。欠陥だらけの法案をごり押しする政府のお先棒を担ぐように、与党は強行採決を繰り返した。野党や多くの国民の「急ぎすぎだ」という声を圧殺した国会運営は、議会制民主主義に汚点を残した。

 

国会議員は主権者である国民の代表としての自覚を取り戻さなければならない。政府を監視する責務を放棄したのでは、国権の最高機関としての地位を自ら損ねることになる。そう肝に銘じてもらいたい。特定秘密保護法案をめぐる審議の進め方は異常というほかなかった。与党はみんなの党、日本維新の会と修正合意した後に暴走を始めた。衆院特別委員会で強行採決し、野党の抗議を無視し本会議で可決した。その勢いで参院も強行突破した。

 

審議の中では法案の欠陥が次々と明らかになった。国民にも「知る権利」を脅かされる懸念が広がった。にもかかわらず、与党議員には首相に「待った」を言う勇気がなかった。「選挙や人事での仕返しが怖い」。それが本音だったのだろう。どこを向いて仕事をしているのか。公明党も自民党の「ブレーキ役」にならず、逆に暴走に加担した。連立与党として存在意義が問われる。

 

見逃せないのは衆院の伊吹文明、参院の山崎正昭両議長の責任だ。与野党が鋭く対立した法案では、議長があっせん案を提示して調整に力を尽くすのが慣例である。ところが今回は、対立をほぼ放置した。2000年、当時の斎藤十朗参院議長が非拘束名簿式の選挙制度改革法案でのあっせん失敗で、本会議開会のベルを押すことを拒んで辞任した。それほど重い議長の責任を、現在の両議長は感じていたのか。野党は力のなさをさらけ出した。民主党は独自の対案を示したが、遅きに失した。内閣不信任案を提出しても野党の結集軸とならなかった。

 

みんな、維新の両党は修正に応じたことで与党の補完勢力と化した。自らが提出に加わった法案の採決に反対、欠席しても筋が通らない。現状への不満から野党再編を目指す動きも出ているが、混乱が拡大すれば与党を利することにもなる。来年の通常国会に向けてどう連携体制を構築するかが最優先課題だろう。首相が口にしていた「丁寧な対話」や「真摯(しんし)な国政運営」という言葉は、すでに空虚なものとなった。与野党を超えて政府の暴走を止める責務をかみしめる必要がある。

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