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農水省は、飼料用米の補助金は10アール当たり最大10万5千円という大盤振る舞いの補助金を決めましたがこれは全く正常な農業政策とは言えません

農水省は、飼料用米の補助金は10アール当たり最大10万5千円という大盤振る舞いの補助金を決めましたがこれは全く正常な農業政策とは言えません。減反廃止を掲げながら、飼料用米への作付けを誘導することで結局はコメ価格の維持を目的とした生産調整(減反)を行おうと云うものです。

しかし、飼料は米より米国などのトウモロコシの方がはるかに安く、補助金によって作られた飼料用米が市場で流通する保障は有りません。また、米主業農家が作付を増やして増産した場合米価の暴落が起きる可能性があります。この場合の安全網は全く不十分で、北海道のように、農業所得を主とする主業農家の多い地域ほど影響は深刻です。

安倍晋三首相の言う「農家が自らの経営判断で作物をつくれる農業」とは飼料用米への転作を前提に農業所得が増えるとの大まかな試算を示しているにすぎないものです。この事は昔から続く、自民党の古い農政から全く脱皮出来ていないことを示しています。

減反廃止 何のための制度改革か(北海道新聞社説11月28日) 

政府は、コメ価格の維持を目的とした生産調整(減反)を5年後の2018年度をめどに廃止することを決定した。 農家の意欲低下など数々の弊害が指摘され、改革を迫られていたとはいえ、減反は1970年から農政の根幹をなしてきた。 生産者の意見を十分に聞くこともなく、わずか1カ月の議論で結論を出す性急なやり方は、生産現場に不安と混乱を招くだろう。

 

万一、米価の暴落が起きた場合の安全網も不十分で、北海道のように、農業所得を主とする主業農家の多い地域ほど影響は深刻だ。政府は減反廃止に向け、協力する農家への定額補助金を段階的に減額し、コメの販売価格が基準を下回った場合に交付する変動補助金も来年度に廃止する。一方、飼料用米への転作を促す支援を手厚くし、農地維持や農村環境整備などに充てる「日本型直接支払い」を創設する方針だ。

 

飼料用米の補助金は10アール当たり最大10万5千円という大盤振る舞いとなった。減反廃止を掲げながら、飼料用米への作付けを誘導することで、主食用米の生産調整機能を残そうとする意図がうかがえる。仮に、飼料用米への大規模なシフトが起きた場合、販売先の確保という課題に直面する。現在の生産量は20万トン程度で、農林水産省が見込む450万トンの潜在需要は、あまりに楽観的と言わざるを得ない。

 

食味にこだわる必要のない飼料用米は、片手間で農作業に従事する兼業農家に好都合だろう。 零細な兼業農家の退場を促し、担い手への農地集積を狙う政府方針に、むしろ逆行するのではないか。補助金目当ての転作は、栽培管理を怠り、収穫すらしない「捨て作り」を招く恐れもある。日本型直接支払いにしても、支給額に北海道と都府県の区別を付けただけだ。中山間地への配慮や、主業農家の支援強化といった地域特性に応じたメリハリを欠く。

 

農水省は、飼料用米への転作を前提に農業所得が増えるとの大まかな試算を示しているにすぎない。安倍晋三首相の言う「農家が自らの経営判断で作物をつくれる農業」とはほど遠い。担い手育成にも、規模拡大による競争力強化にもつながらず、改革の根拠が全く見えない。 目的も効果も不明確な補助金の組み替えに、果たして国民の理解が得られるだろうか。定見のない制度設計が批判を浴びて、再度の変更を余儀なくされた場合、生産者が被る打撃は計り知れない。


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