産業用大麻を御存じでしょうか
産業用大麻を御存じでしょうか。
産業用大麻は北海道にとても向いた作物であり油や建材などを作る事も出来、現実に欧米などではかなり栽培されています。この様な作物を栽培しようとすれば、必ず日本国内の規制が邪魔をしてしまいます。それが、日本に成長産業が生まれにくい原因と思われます。
産業用大麻基幹作物に 海外では断熱材や化粧品に
(菊池治己氏 北海道新聞)
上川農試場長を退職後、大麻に取り組んでいます。大麻は曰本でも衣服、麻ひも、げたの鼻緒などさまざまに使われた歴史があります。しかし戦後、大麻取締法ができ、栽培が減ってしまった。
麻は茎の表面から繊維に、木質部のオガラをチップにして建材などに加工し、種は食用になります。海外では住宅用断熱材・建材、油を使った化粧品、内装材などに使われます。今年5月、欧州産業用大麻協会国際会議に参加しました。
農家から麻を買い、繊維を取って製品にして自動車会社に売る一次加工の集まりです。ドイツの一次加工会社社長は元は介護士、妻は眼鏡屋。新規参入で最初の数年間は赤字でしたが、最近収益が上がり始めたそうです。加工会社をつくり、農家を口説いて大麻を作ってもらったそうです。
北海道で大規模栽培するにはどの品種がいいのか。輸入して試験栽培するといい。フランスの種子会社は「いくらでも輪出する。ただし日本政府がOKすれば」と言います。
大麻を軽油などのエネルギ-に変える構想もあります。麻は成長が早い。寒い北海道でも育つ。北海道の石油、原発依存からの脱却のために有用ではないでしょうか。
この事は、北海道では難しいことではありません。耕作放棄地と休耕地が3万6千ヘクタ-ルあるので、仮に1千ヘクタ-ルとすれば工場を35、36力所は建てられます。
また、大麻は土壌中の硝酸性チッソを吸収する能力も高いので土壌改善の効果もあります。道内では肥料の使いすぎが言われていますが、大麻は土壌を正常に戻すクリーニングクロップにもなります。大麻を新しい北海道の畑作物の基幹作物にしなければならないと思っています。
産業用大麻
向精神作用を持つ薬理成分「テトラヒドロカンナビノール」(THC)を含むマリフアナと異なり、THCをほとんど含まない品種。欧米ではヘンプと呼び、区別する。大麻は中央アジア原産のアサ科の一年草。日本でも戦前、繊維用に2万5千ヘクタ-ル以上栽培されたが、1948年に制定された大麻取締法で栽培や所持、受け渡しが禁止され、激減した。栽培または研究を行う大麻取扱者になるには都道府県知事の許可が必要となる。国内での生産は現在、神社のしめ縄など伝統工芸用が主。厚生労働省によると、2011年度の栽培者は全国で50人(うち北海道内1人)栽培面積は5.5ヘクタ-ルにすぎない。