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元米国GE社原子力事業部に勤務した、佐藤 暁氏が日本の原子力規制委員会がまとめた新規制基準は世界最高では無いと述べています

 元米国GE社原子力事業部に勤務した、佐藤 暁氏が日本の原子力規制委員会がまとめた新規制基準は世界最高では無く、『この事を米国の事業者がしったら運転認可証の更新だけで6年もかかっている現在、うらやましく思うに違いない』と述べています。


この事を、日本のマスコミは殆ど伝えていません。


原発の新規制基準「世界最高」真実でない
(現原子力コンサルタント・元米国GE社原子力事業部)

(北海道新聞7月12日)


原子力規制委員会がまとめた原発の新規制基準が施行された。規制委自らと電力会社を怠惰にさせ、国民を不用心にさせる「世界最高」と云う欺瞞の言葉が怖い。まず、そのこと自体が真実ではないからだ。
 

真の世界最高は、おそらく米国が2007年に発行した将来型(第4世代)の原子炉に適用する安全基準の骨子案である。ただし、今の第2世代の原子炉とは原理が異なるため、比較するのは、やめておこう。
 

その前の第3世代と呼ばれる新型の原子炉が、世界各地で建設されている。航空機の衝突に備え、格納容器の外側に頑丈なシールド建屋を持つ。安全系統は四重化され、非常時に原子炉に注水するための冷却水は、屋外タンクではなく格納容器内に設置する。建屋内で出火した場合には、耐火壁で隔離された内側の機器が全焼することを想定し、復旧を期待しない。
 

仮にこれらも新規制基準に含めていたならば、日本の原子炉は1基も適合できない。第3世代なら、実は曰本にも世界に先駆けて建殷された改良型沸騰水型原子炉という炉型がある。米国進出をうかがう日本のメー力-は、米国での審査を突破するため、本家である日本の設計をアップグレードさせている。
 

東京電力福島第1原発事故の前年に提出されたその申請書には、全電源喪失に対し、ガスタービン発電機が自動起勣して2分以内に給電可能とある。だが、日本では、今でも長時間を要する人力作業が認められている。
 

格納容器のベント弁は、事故直後、閉まっていたことで開くため悲壮な苦労をした。米国ヘの申請書では、これを初めから「開」にすると図表に示している。日本では、今でも「閉」のまま変えていないが、理由なく取置されていていいとは思わない。


世界で現在運転中の原子炉の半数以上は、1万~10万年に1回の大規模地震を想定して設計することになっているが、日本ではいまだに具体的に規定されてはいない。せめて千年に1回の規模のものでもいいから、大規模地震や大津波に関する基準となる数値を示し、われわれに問うてほしかった。
 

さて、規制基準の発表の次に何が続くのだろうか。原発の再稼働がささやかれてはいるが、そのためには、まず各電力会社が、新たな規制基準の要件に適合していることを示す文書をまとめて提出し、委員会の審査を受けなければならない。一連の審査を終えた後、評価書が発行される。


一方、審査とは別に「検査」が各発電所で実施され、審査内容との食い違いがないことが確認され、検査報告書が作成され公開される。既に、関西電力大飯原発3、4号機に対し、このような手続きが猛スピードで進められている。
 

委員会は今月3日、規制基準の施行より先に、評価書の案を示し、その中で、検査マニュアルも検査官の研修制度もないのに、検査を一応首尾よく終えた旨が付言されている。今後もこのような安易な手続きで進められていくのだろうか。運転認可証の更新だけで6年もかかっている米国の事業者がしったら、うらやましく思うに違いない。

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