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私たちの生活が実際に向上するまでは株価や内閣支持率がいくら上がってもそれだけでアベノミクスが評価されたことには成りません

私たちの生活が実際に向上するまでは、株価や内閣支持率がいくら上がっても、それだけでアベノミクスが評価されたことにはならないと立命館大学教授 高橋 伸彰氏は述べています。

その内容は、子どもが親や祖父母に感謝するのは「お金」をもらったときではなく、自分が本当に欲しいものを見つけ、もらった「お金」でそれを手に入れたときであると云う内容です。

この事が理解できない安倍内閣はどんなお金をバラマいても、日本の国民の生活は向上せず、経済もよく成らないと思われます。

(北海道新聞6月7日)
アベノミクスの評価 株価上昇より生活向上 立命館大学教授 高橋 伸彰

今どきの子どもに何がほしい?」と聞くと「「何かいいものと答える。何が食べたい」と聞くと、「何か美味しいもの」と返ってくる。物の面では満たされているから、ほしいものがすぐに浮かばないのだろう。でも、何もいらないと言って済ませられるほど、子供の欲は枯れていない。だから、上のような回答になってしまう。

そう言われて困るのは、「何が…」と聞いた親や祖父母である。最初から「
いいもの」や「美味しいもの」が何かわかっているなら、子どもには聞かない。わからないから聞いたのに肩すかしを食らうと、つい「お金」をあげてしまう。「お金」をもらった子どもはすぐに使わず、とりあえず貯める。デフレだから貯めるのではなく、使う当てがないから貯めるのだ。
 
子どもだけではなく使わずに貯めている大人もたくさんいる。でも、子どものような贅沢な理由からではない1%の超金持ちの「彼ら」を除けば、99%の普通の「私たち」は使いたいのを我慢して、教育や住宅あるいは老後のために貯めている。もし、アペノミクスの思惑どおりにデフレを脱してインフレに転じた
ら、「私たち」は実質的な蓄えが目減りするのを心配して、逆にもっと貯めようとするかもしれない。

そう考えるとデフレこそ日本経済が停滞している主因だと言って、日銀に「大胆な金融緩和」を求め、総裁や副総裁の首をすげ替えてまで。「お金」をばらまくアペノミクスの効果に疑問が湧いてくる。雇用の安定や社会保障の充実を図ってくれたほうが。「私たち」は貯めずにもっと使うようになるのではないか。

しかも、当初は一本調子で上がり続けていた株価も5月23日の急落以来、動きが怪しくなっている。上がっているときはアベノミクスの効果が表れていると説きながら、下がったとたんに中国の経済統計が悪化したせいだとか、外国人投資家が売っているからだと理屈をこねるエコノミストや経済学者は、そもそも節操がない。
 
前日に買った株が次の日に急落すれば、普通の人は「うろたえる」のが自然だ。それなのに、「うろたえる必要はない」(5月23日)とか、「国内外の状況が落ち着けば株価も安定する」(5月30日)と発言して、平静を装う経済閣僚も何だか信用できない。
 
もちろん、この原稿が紙面に載るころは株価が反騰しているかもしれない。だが、問題は上がるか下がるかではない。1年後どころか、千分の1秒後にさえどうなるか不確実なのが株価である。むしろ問題は上がれば「政策が評価されている」とうそぶき、下がれば「一喜一憂しない」と語る政治家の欺瞞にある。言うまでもなく株価は、時々の政策を評価するバロメ-タ-(尺度)ではない。

株式投資で破産寸前に追い込まれたこともある経済学者のケインズが、主著「雇用、利子および貨幣の一般理論」で指摘するように、株価は多くの投資家が上がると予想するから上がり、下がると予想するから下がるにすぎない。

プロの投資家ほど、アベノミクスを評価して株を買っているのではない。アペノミクスで株を買う投資家が増えて、株価が上がると予想したから買っただけである。新聞などの世論調査で安倍内閣の支持率が高いのも、「私たち」の生活
が実際に向上したからではない。

アペノミクスで向上すると「私たち」が予想したからだ。逆に言えば、向上しないと「私たち」が予想を変えたとたん、支持率も急落することになる。
 
冒頭の話に戻れば、子どもが親や祖父母に感謝するのは「お金」をもらったときではない。自分が本当に欲しいものを見つけ、もらった「お金」でそれを手に入れたときである。同じことはアペノミクスにも言える。「私たち」の生活が実際に向上するまでは、株価や内閣支持率がいくら上がっても、それだけでアベノミクスが評価されたことにはならないのである。



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