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アベノミクスはいつかどこかで聞かされたストーリーと同じです

地方の新聞は、ようやくアベノミクスが全く経済成長に繫がらないと云う事を述べるようになりました。東京都心の「億ション」が完売し、高級時計や宝飾品の売り上げが伸びたという話題を東京のテレビなどはさかんに放送していましたが、それも株の暴落で殆ど無くなりました。

アベノミクスは当初から金融緩和と財政出動だけですので、東京都心だけがミニバブルに沸き、置き去りにされる地方に残るのは傷痕だけと云う結果は最初から見えていました。

北海道新聞(6月3日)
先日、1~3月期の実質国内総生産の速報値が出た際、甘利明経済再生担当相が「異次元の景気回復の歩みが始まった」と述べた。
 
甘利氏としては安倍政権の経済政策「アペノミクス」の成果を強調したつもりだろうが、全く逆の意味で、これは言い得て妙だと思った。輪出や個人消費などの経済指標が上向いたと言われても、景気回復は異次元で別世界の出来事のように実感できない人が多いのではないか。
 
株高による資産効果で、東京都心の「億ション」が完売し、高級時計や宝飾品の売り上げが伸びたという話題になると、地方で暮らす身にはますますぴんとこない。身近には知らないが、欧米メディアが「ミセス・ワタナベ」と総称する一群の個人投資家が日本にいるそうだ。
 
主婦が多いからミセス。これに日本によくあるワタナベ姓を組み合わせたのが語源で、最近の株高や円安で活気づいているという。こうした熱心な投資家や資金に余裕のある資産家が相場でもうけて消費に回す。あるいは輪出企業が、円安で得た利益を投資や給料として国内に還元する。

金は天下の回りもの。やがて株などに縁のない庶民にも恩恵が行き渡り、さらに遅れて地方にも波及する。いつかどこかで聞かされたストーリーで、何だか一杯食 わされたような気分にならないだろうか。
            
こうした風潮を盛り上げたのが、「異次元」の本家本元で、アベノミクスの柱でもある日銀の異次元緩和だ。空前の規模の資金を供給して、物価が上昇するという期待を高め、消費や投資を活発化させる効果を狙う。
         
要は「インフレでお金の価値が下がるから、今のうちに使え」という話である。問題は、資金供給の手段として、日銀が市場を通じて新規発行国債の7割を購入する点だ。ここまでくると日銀の意図はどうあれ、実態として財政赤字を肩代わりする行為とみなされかねない。
 
さらに、日銀の事実上の買い占めにより、国債市場の機能が低下し、何かのきっかけで金利が上昇(債券価格は下落)しやすくなった。深刻なのは地方の金融機関に与える打撃だ。日銀の試算では、昨年3月末時点で国内金利が一律1%上昇した場合、債券投資で大手行3.7兆円、地域銀行3兆円、信用金庫1.6兆円の評価損がそれぞれ生じる。これが昨年末になると、大手の評価損は0.3兆円減るが、地銀と信金は逆に0.2兆円ずつ膨らむ。

しかも、地銀・信金は大手に比べ長期国債の比率が高く、金利変動に伴うリスクが大きい。国債保有リスクの圧縮に努める大手に対し、身動きのとれない地方の中小金融機関の姿が目に浮かぶ。運用能力に乏しく、めぼしい貸出先も見当たらない地方金融機関にとって、国債はほとんど唯一の安定した運用手段だった。

金融機関は、かつてのバブル崩壊やリ-マンショック時に株式や証券化商品で手痛い損失を被った経験がある。こうしたリスク資産に資金をシフトさせる選択は、なるべく避けたいはずだ。預金者にも好ましくない。異次元緩和という前代米聞の実験が裏目に出た場合、ミセス・ワタナベたちが相場の変動で蹴散らされる程度の影響で済まないだろう。
          
ほんの一握りの企業や投資家がミニバブルに沸き、置き去りにされた地方に残るのは傷痕だけ。こんな結果を招くとしたら、それこそ地方は浮かばれない。


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