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経済成長は必要ですがその為に日本は理念なき政治の国、品性なき国、道徳なき商業の国で良いのでしょうか

経済成長は必要ですが、その為に日本は理念なき政治、品性なき国、道徳なき商業の国で良いのでしょうか。この様な事をもっと日本のマスコミは論ずるべきです。

(北海道新聞 異聞風聞6月2日)
いつの世も経済は大事だ。しかし稼ぎのために手段は選ばぬというビジネスには賛成できない。原発輪出は人倫にもとる。
 
安倍政権への支持は高いが、世論調査で政権の原発輸出政策には反対する人が多い(共同通信=「反対」46%・「賛成」41%、朝日新聞=「反対」50%・「賛成」30%、毎日新聞=「反対」60%・「賛成」32%)。
  
「過酷な事故の経験と教訓を世界と共有し、原子力安全に貢献するのは日本の責務です」と売り込みの先頭に立つ安倍首相(58)のセールストーク。「いくらなんでもそれはないよ」というのが、世論調査に表れた世間の素直な声だ。「経験と教訓」を忘れ、第2の福島を招いてはならない。

日本海・若狭湾に面した福井県小浜市。この地ある創建1200年の古刹、明通寺(真言宗)の中嶌哲演住職(71)のことは、僧衣の反原発運動家として当コラムで紹介したことがある(「あとからくる者のために」2012年4月29日)。
 
私は一昨年暮れ、寺を訪ねてお話を伺っている。住職に電話で聞いてみた。

原発輸出をどうみます。

「言語道断です。福島の事故があったのに、日本が最高の技術だなんて、倫理観がどうなっているんだと思います」。

-成長願望の世相とも関係があるのではないですか。

「経済を軽視していいとは思いません。『命か、原発か』の二者択一とも思わない。しかし安倍政権の言う経済重視は破綻した原発技術や、それに支えらた経済を延命・存続させるためでしょう。間違った中身、方向に技術的ポテンシャルを動員してはいけない。

原発の廃炉を進め、同時に、立地自治体の経済を再生する具体策を求めたい。同じ経済でも、安倍さんの経済は方向性が全然違う」

中嶌住職は東京芸術大で美学を専攻。中退し、高野山大(和歌山県)で仏教を学んだ。広島の被爆者と出会って原発問題と向き合った。1960年代後半、地元に原発誘致計画が持ち上がった時は反対署名集めの中心となり計画を断念させた。
 
大飯原発(福井県おお町)の再稼働に反対して、昨年3月、福井県庁ロビーで1週間の断食を敢行。福島と同様「原発銀座」と称される若狭から、この国の振る舞いを見つめている。
 
住職から「少欲知足」という言葉の意味を教えてもらった。仏教の聖典に「足ることを知り(略)生活もまた簡素であり(略)諸々の(ひとの)家で貪る事がない」(「ブッダの言葉」岩波文庫)とある。

「足ることを知る」とは、他者を踏みつけにせず、共存共栄するというライフスタイルの表現です。他者には人や地域社会、世界の国々、自然環境も含まれる。しかし科学信仰、経済至上主義が強欲、多欲を伸ばしてきた。欲望を募らせていけば、絶対に犠牲者を生み出す……。以上が中鳥住職の話の要約。
 
無宗教の私が教えを説くつもりはない。しかし原発は繁栄の手段となるが、国家の危機を招くことも日本は学んだのではないか。「首都圏3千万人避難」「東日本全体の喪失」という最悪シナリオはかろうじて免れたが、なお危機は去っていない。

福島第1原発はいまだに制御不能で、大地震による4号機燃料プール倒壊のリスクは現実のものだ。この国は今も15万人もの原発事故避難者を抱えている。 地震国・トルコヘの原発輪出合意などに続き、今度は核保有国・インドヘ売り込み。自国の繁栄を願うのは人情でも、他者(外国)の安全を顧みぬ荒稼ぎは、「足る」を知らぬ行いだ。
 
インド独立の父ガンジーの言葉に、現代社会の七つの大罪というのがある。いわく「理念なき政治」「道徳なき商業」-。日本は品性なき国でいいか。


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