日本郵政は2013年3月期連結決算では純利益でグループ発足以降の最高益を達成しましたがその利益を出した経営陣(社長)を半年で退任させれる事は異常です
環太平洋連携協定(TPP)交渉参加に際し、日本郵政の業務拡大に批判的な米国に安倍政権が配慮したため、ゆうちょ銀行やかんぽ生命保険が計画する住宅ローンや学資保険など新規事業への参入に政府の認可が得られず、計画が事実上凍結されました。
また、日本郵政は2013年3月期連結決算では純利益でグループ発足以降の最高益を達成しましたがその利益を出した経営陣(社長)を退任させれる事は異常です。
(北海道新聞5月23日)
日本郵政前政権色を一掃取締役17人退任新社長に西室氏経営陣5人削減 異例の政治介入に反発 局長会「真の民営化遠い」
日本郵政は22日、経営陣を大幅刷新する人事案を発表した。取締役18人のうち17人が退任し、新たに12人を選任。これまでより5人少ない13人体制とし、元東芝会長の西室泰三氏(77)が社長に就任する。6月20日の株主総会で正式に決め、総務相による認可を経て新体制が発足する。
昨年12月の自民党政権発足直前に社長に就任した坂篤郎氏(66)や、会長の西岡喬氏(77)は退任。民主党、国民新党による前政権の影響が残る役員構成を、政府主導で抜本的に見直し、安倍政権下での再スタートを切る。
社外取締役は7人。経団連会畏時代の活動などを通じて安倍晋三首相と関係の深いキヤノン会長兼社長最高経営貴任者(CEO)の御手洗冨士夫氏や、前検事総長で弁護士の笠間治雄氏、元NHK経営委員で日本ぐらし代表取締役の野間光輪子氏らを起用する。 傘下の日本郵便社長には日本郵政副社長の高橋亨氏(58)が就任する予定で、高橋氏も新たに日本郵政取締役に就く。
日本郵政の経営陣刷新が決まった。民主党政権時代に登用された役員が多かったため政権交代の直撃を受け、取締役は18人中17人が退任し、ほぼ総入れ替えとなる。日本郵政は2013年3月期連結決算では純利益でグループ発足以降の最高益を達成したばかり。異例の取締役一掃には内部から「政治介入だ」と反発の声も上がる。
「政治の都合で、政権交代だからといって経営陣をころころと替えるのは納得できない」 東京都千代田区の日本郵政本社の大会議室で開かれた取締役会。指名委員会から提示された人事案を出席者の一人が声を荒らげて批判した。最終的に取締役会は人事案を承認したが、ある取締役は取材に対し「政府でそうしたいと言うなら勝手にやればいい」と吐き捨てるように話した。
日本郵政は07年に民営化したが、今も政府が全株式を保有する。加えて、日本郵政株式会社法は取締役選任には総務相の認可が必要と規定している。取締役の人選に政府の影響が強く及ぶ仕組みとなっている。日本郵政の人事をめぐっては、新潟市で今月19日に開かれた全国郵便局長会(全特)の通常総会でも、各地の郵便局長から批判が相次いだ。
来賓として出席した坂篤郎社長は公の場で初めて退任を表明。新藤義孝総務相は「より良い形で郵政民営化を進めるために決断した。坂社長とは2人で話して理解をいただいた」と″円満退社″であることを強調した。
しかし、会場の出席者からは「政治介入を卒業し、本当の民営化をなどの声が噴出した全特の黒田敏博会長は「(昨年4月成立の)改正郵政民営化法は経営の自由度を拡大する法的担保のはずだったが、具体的実現にはまだほど遠いのが実態だ」と不満をのぞかせた。
郵政関係者の間では、ゆうちょ銀行やかんぽ生命保険が計画する住宅ローンや学資保険など新規事業への参入に政府の認可が得られず、計画が事実上凍結されていることへの不満も強い。環太平洋連携協定(TPP)交渉参加に際し、日本郵政の業務拡大に批判的な米国に安倍政権が配慮したため、手足を縛られた状態が続く。
経営を取り巻く課題は山積するが、内部に反発と不満を抱えたままでは解決はおぼつかない。「株主の横暴との批判が出てくるかもしれない」(経団連の米倉弘昌会長)と懸念する経済界だけでなく、公明党からも政権のイメージ悪化を警戒する声が出ている。