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昔から日本人は歴史を忘れやすい民族と言われて来ましたが脱原発についても国民が自分自身の事として粘り強く行動するべきです

脱原発については、ドイツの自然エネルギ-は崩壊したなどと、デマを流す評論家や、燃料代が高く成るなどと大嘘を言って国民を騙す人間が多い事は、この2年ではっきり解りました。しかし脱原発は核のゴミの最終処分が出来ない現在、必然の事ですがそれをあまり身近に感じなくさせている事は、政府自民党の思惑通りに進んでいると思われます。

昔から日本人は歴史を忘れやすい民族と言われて来ましたが、それは国民が自ら、粘り強く行動して、また自分自身の事として政府のやっている事を考える事を放棄して来た為ではないでしょうか。

脱原発のゆくえ 世論の粘りで一歩ずつ

総合研究大学院大教授 池内 了

福島の原発事故が勃発して人々は安全神話に騙されていたことを知り、脱原発の思いを持つようになった。世論調査をすれば7割以上の人が原発依存から脱却したいとの意向を持っていることが示され、毎週行われてきた金曜日の脱原発デモは東京から全国に波及して1年を経た現在も継続されている。

実際、多くの人々は原発の新たな再稼働を望んではおらず、脱原発のためなら少しくらい電気料金が上がるのも仕方がなく節電で対抗しようと思っているの
ではないだろうか。それが庶民の願いなのである。
 
しかしながら、昨年12月の総選挙で原発問題は大きな争点にならないまま自公が政権を奪還し、安倍首相は民主党が掲げていた脱原発依存をゼロベースから見直すと言明している。現政権はおそらく原発路線の完全復活を目論んでいるのだろうけれど、参議院選挙まではこのまま曖昧な表現のまま争点を隠し続けるのではないか。

そして、もし選挙に勝利すれば「事故によって問題点を学んだのだから安全性が高くなった」というようなまやかしの新しい安全神話を持ち出して、原発推進の方向に進むのは確実であると思われる。現時点においてすら、アベノミクスによる円安とか株価の上昇に目を奪われて原発論議がうやむやになっており。
      
(福島県人以外にとって)原発事故なんかとっくの昔のことであるかのような雰囲気が漂い始めている。自公政権は今は何もせずに脱原発の声が静まるのを待ち、そのうち原子カムラの科学者を動員して原発推進の世論作りを重ねて      いくだろう。

原子力規制委員会を孤立させ、以前の原子力安全・保安院のような役割しか果たせないよう画策していくに違いない。結局、日本は福島原発事故から何も学ぶことなく、再び原発路線に戻ってしまうのではないか、私はそのことを強く危惧している。
 
他方、私たちも「脱原発」「再稼働反対」を唱えてデモを継続するだけでなく、さらに脱原発のためになすべき課題について議論を重ねて国民的合意を形成し、具体的な要求として政府に突きつけていくことが求められている。お任せ民主主義から脱しなければならないのだ。
 
その課題の一つは、何年先に原発をゼロとするか、そのためにかかるコストはどれくらいで、それをどのように調達するか、を明らかにすることではないだろうか。脱原発と言ってもどれくらい時間をかけるかのイメージは人々ごとに異なっていて、今後は原発の再稼働を一切行わないという意見もあれば、一部の原発を稼働させながら時間をかけて少なくしていくという意見もある。

その選択に応じてエネルギー源をどのようにしていくか(再生可能エネルギーの開発や化石燃料への依存割合)、それにかかる費用の見積もりとその負担区分をどうするか、それらの議論を抜きにしてコトを進めるわけには行かないのだ。

また、核廃棄物の再処理や高速増殖炉開発などの核燃料サイクルの放棄を明確に合意する必要があるし、原発に依存する自治体を説得しなければならない。
脱原発を主張するからにはこれらの難題を避けて通ることはできないのである。
 
もう一つの課題は、脱原発に徹底して反発しているのが地域独占と総括原価方式にあぐらをかいている電力業界であり、電力企業の改革を進めなければならないことである。そのためには発送電の分離と電力売買の完全自由化が不可欠で、電気事業法改正案の付則にそれらが盛り込まれる予定なのだが、電力業界はこれらを実行させまいと強く抵抗するだろう。また、たとえ発電と送電・売電を分離しても送電会社が発電会社から完全に独立していないと自由化の意味がなく、実質的に電力業界の思惑通りになってしまうだろう。これらの改革が遅滞なく公正に進むよう監視するのも私たちの重要な課題である。
 
脱原発のゆくえは、それを怠けようとする政府の尻を叩いて一歩ずつ前へ進ませようとする世論の粘りにかかっていると言える。        

『いけうち・さとる 44年兵庫県生まれ。宇宙物理学者。名古屋大名誉教授。
世界平和アピール-七人委員会委員。著書に「疑似科学入門」「科学の落し穴」など』

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