« 先の衆院選挙でTPP断固阻止と言った自民党議員は今度はどんな言い訳をするつもりでしょうか | Main | 実際にはまだ何もやっていない安倍内閣の支持率が上がるのが不思議です »

安倍晋三首相の施政方針演説を聞いてもまだ、この内閣を支持出来るのでしょうか

今回の 安倍晋三首相の施政方針演説を聞いてもまだ、この内閣を支持出来るのでしょうか。「自助・自立」をさかんに言っていましたが、それを壊したのは、自民党の新自由主義です。今回のTPP参加は新自由主義への総仕上げと思わざるを得ません。

今回のTPP参加で米だけ守っても、北海道の様な畑作・酪農地帯は完全に壊滅します。優れた農産物を生産して輸出をと良くテレビに出る評論家は言いますが、それはごく一部の農産品だけです。安全な酪農品や小麦・砂糖などは全て海外から輸入する国に成ってもよいのでしょうか。

また、今回安全な原発は再稼働すると宣言しましたが、日本に安全な原発など存在しません。

施政方針演説 自分で立てと言う前に(北海道新聞3月1日)
長引くデフレ、雇用不安や格差拡大、大震災に原発事故と、難題をいくつも抱える国民に「自分の力で立とう」と呼びかけた。
 
安倍晋三首相の再登板後初の施政方針演説のことである。「誰かに寄りかかる心を捨て、それぞれの持ち場で自ら運命を切り開こうという意志を持たない限り、私たちの未来は開けません」と強調し、世界一を目指そうと指を立てた。
 
だが、政府の仕事は国民を競争に追い立て、他国に打ち勝つよう尻をたたくことではない。的確な経済成長政策を描き、落ちこぼれる層は安全網でしっかり受け止めることだ。 「自助・自立」をことさら訴える首相の政治方針に、未来への強い不安を抱かざるを得ない。
 
まず、環太平洋連携協定(TPP)についてだ。慎重な自民党公約をなぞっていた従来の国会答弁から一転し「今後、政府の責任において、交渉参加について判断します」と強い意欲をにじませた。アジアや中南米の成長を取り込むために門戸を開くという触れ込みだが、やってくるのは米国やオーストラリアなどの安い農産物だ。道内農業は深刻な打撃を受ける。
 
対策として「攻めの農業政策」を掲げたが、「健康的な日本食は世界でブーム」と言うだけで具体策は見えない。 世界へ売り込む商品は、農産物のほかに最先端の医療技術、アニメやファッション、環境技術などがあると言う。これらはTPPの枠組みがなくても売れるのではないか。
 
今回の施政方針は各省庁の政策寄せ集めを脱したと首相周辺は胸を張るが、経済産業省などが旗を振る「クール・ジャパン」輸出政策をなぞるものだ。
 
アベノミクスの鍵を握る成長戦略もなお不透明だ。このままでは円安による物価上昇だけが進む。そこに追い打ちをかける消費税増税について演説で触れないのは無責任だ。
 
増税と一体改革するはずの社会保障改革への意欲も伝わらない。生活保護引き下げに象徴されるように、社会の安全網は「自助」の名の下に縮小されていくのでは心配だ。 給与引き上げや非正規労働者の待遇改善などが進まなければ、国民の生活水準は下がるばかりだ。
 
株高や高支持率など安倍政権の出だしは追い風に乗る。だが、貧困や格差解消への細かい目配りを欠けば、経済も政権も失速する。
 
首相は原発再稼働も明言した。 貧富格差拡大も原発事故も、かつての自民党時代の政策に起因する。「原発事故の反省に立ち、新たな安全文化を創り上げます」とさらりと言われても、賛同はできない。

|

« 先の衆院選挙でTPP断固阻止と言った自民党議員は今度はどんな言い訳をするつもりでしょうか | Main | 実際にはまだ何もやっていない安倍内閣の支持率が上がるのが不思議です »