« 下北半島の原発建設の多さを見ますとただ過疎の町には作り易い作って欲しいと云う理由だけで安全性など全く無視して進められたと思われます | Main | 「原発をやめよう」「これ以上核のごみを増やすな」と声を上げることが次世代への責任を果たすためにせめて私たちにできること »

本来原発は建設前から徹底した議論が必要でしたがそれを封じて来たのは、政府・自治体・電力会社・原子力推進者達です福島事故後もその傾向は全く変わっていません

本来原発は建設前から徹底した議論が必要でしたが、それを封じて来たのは、政府・自治体・電力会社・原子力推進者達です。福島事故後もその傾向は全く変わっていません。

福島大学特任研究院 開沼 博氏が北海道新聞の中で、立場を超え徹底議論をと述べていますが、その趣旨は良く解りますが、徹底議論を阻止して来たのが権力者と結託した政府・自治体・原子力推進者達と云う視点が若干抜けています。

しかし、広く議論をしなければ、単純に原発反対だけを叫んでも、今回の選挙を見ても、一般の国民にはその声は強く届かないと云う意見も大変参考に成ると思います。

立場を超え徹底議論を(北海道新聞)

福島大学特任研究院 開沼 博氏(東大大学院博士課程在籍中・専門は社会学著書に『原子力ムラは何故生まれたのか』『フクシマの正義日本の変わらなさ』)

なぜ原発が止まらないのか。多くの国民は「戦争、ない方がいいよね」というのと同じぐらい「原発ない方がいいよね」と思っている。でも昨年12月の総
選挙の結果は逆だった。

「問題はそんなに単純じゃない」という現実を民主主義というシステムが見せつけた。一般の人々はメディアや脱原発派があおり立てるほど原発について切迫感を持っていない。むしろ「安倍(晋三さん、なんかやってくれそう」みたいな、ぼやっとした期待感のようなものの方が票になった。

震災前と比ベて原発への関心は高まり、意識も変わったが、社会を変える力にはなっていない。だから原発は止まらないし、再稼働もされるだろう。不謹慎な言い方だが、もう一回どこかで原発が爆発でもしない限り、今夏の参院選後に再稼働の動きは加速すると思う。

最大の敗因

僕は「脱原発論はなぜ敗れ去ったのか」という研究を始めている。原発を止めたいというより自然エネルギーを普及させたい人が、脱原発を格好の口実に使ったから、社会運動をしたい人が脱原発デモを独占したからー。脱原発の敗因として、そんな点が挙げられる。
 
でも、最大の敗因は、原子力をめぐる本当の議論がこの国で成立していないことだ。福島の事故があって水面は波打っているように見えても、水の中では何も変わっていない。実際、3・11後の各地の選挙で、脱原発派が推進派に勝ったケ-スはほとんどない。反原発デモなど新しいかたちの遅動は社会を変    えるきっかけになるかもしれないと期待したが、何も変えられていない。

「電力会社が悪い」「原子カマネーにまみれた政治家が悪い」と、だれかに恪印を押し、排除するだけの旧態依然の社会運動にとどまっているからだ 再稼働への反発、「燃料」となって、下火になった反原発デモは今後、一時的に勢いが増すかもしれない。

でも燃料を使い果たしたらおしまい。チェルノブイリがあって、福島があっても同じことを繰り返そうとしている。
 
批判や糾弾ではなく、立場の違う者同士で徹底的に議論する必要がある。議論を通じて「原発やめよう」となるか「やっぱり原発必要だよね」となるかは僕には分からない。

それでも、ただ何かを批判したり、自分の主張を大声で人に強要するような社会のあり方ではダメだと思う。僕の主張は脱原発派の人から「現状肯定的だ」と批判されることがある。でも、少なくとも僕は2年たっても10年たっても、原子力と社会の問題を考え続けている。福島の事故を決して忘れない。

報道も問題
 
報道にも問題がある。福島の被災者にとっては「危ない」「健康被害が出る」と繰り返し言われても何の解決にもならない。「こんな線量が高い場所があった」 「手抜き除染が発覚した」といったスク-プ主義的な報道も目立つが、じゃあどうすればいいの、という議論が少なすぎる。 

原発が止まらないのは結局、まっとうな議論が成立していないからだ。原発を止めたいと考えている人は、単純で分かりやすい「敵」や「悪役」をはじめから規定し、それを批判し、排除すれば社会が変わると思いこんでいる。

「単純じゃない問題」を、深く問おうとしない姿勢にこそ原因がある。まずは、その姿勢を変えないといけない。

|

« 下北半島の原発建設の多さを見ますとただ過疎の町には作り易い作って欲しいと云う理由だけで安全性など全く無視して進められたと思われます | Main | 「原発をやめよう」「これ以上核のごみを増やすな」と声を上げることが次世代への責任を果たすためにせめて私たちにできること »