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北海道新聞は何故か朝日新聞など大手マスコミと違い電力会社向きと反対の記事が多いように感じます

北海道新聞は、何故か朝日新聞など大手マスコミと違い、電力会社向きと反対の記事が多いように感じます。これは基本的に北海道には、自然エネルギ-の潜在的能力や、LNGの基地として大規模なガスコンバイド発電、石炭ガス発電が見込める可能性がある為ではないでしょうか。

その中から二つの『化石燃料→再生エネルギ-なら道内経済効果2648億円』『電力改革 骨抜き許さず具体化を』と云う記事を転載します。

(北海道新聞2月18日)小磯・北大特任教授が試算
化石燃料→再生エネルギ-なら道内経済効果2648億円雇用1万1600人増設備産業育成が鍵

道内で使用される石油や石炭などの化石燃料を、太陽光や風力などを利用して道内で発電した再生可能エネルギーにすべて置き換えた場合、年間の経済効果が2648億円、雇用増大効果が1万1600人に上るとする試算を、北大公共政策大学院の小磯修二特任教授がまとめた。ドイツでは再生エネの普及に伴い雇用増などの効果が生まれたといわれており、道内でも経済・雇用効果に期待が集まりそうだ。
 
試算は2010年に公表された「05年版北海道産業連関表」を基に、道内の電力、ガス会社が使用する石油・石炭などの化石燃料、一般家庭で使用する灯油・ガスをすべて道内で発電された再生エネに置き換えたと仮定し、道内企業での生産額の増減や他産業への波及効果を調べた。

それによると、再生エネ導入により、道内生産額の直接増加分は4266億円、波及効果分は933億円となった。一方、化石燃料使用量の減少に伴う生産額減が波及効果分を合わせ2551億円となり、差し引き2648億円が生産額の純増分となる。

さらに、再生エネ導入により2万3898人の雇用が生まれ、化石燃料の生産減に伴う1万2285人の雇用減を差し引いても、1万1613人の雇用増となる。小磯特任教授は「化石燃料の代金として道外に流出していたお金が道内で回るようになる。エネルギーの地産地消の効果は大きい」と説明。

太陽光パネルや風力発電機など再生エネ設備の生産拠点を道内に置けば、経済効果をさらに高めることができると指摘する。経済産業省の調達価格等算定委員会の資料を基に試算すると、昨年7~11月、道内で経産省の設備認定を受け        た太陽光発電43万8千キロワットと風力発電10万6千キロワットの設置に関する総投資額は1740億円と推計されるが、道内ヘの経済効果は510億円にしぼむという。

現状では太陽光パネルや風力発電機の工場は大半が道外にあり、道内での経済効果は建設時の土木工事などにとどまるためだ。試算では、道外で生産される再生エネ部材を道内で100%生産すると、波及効果の大きさから経済効果は投資総額を上回る2796億円に跳ね上がる。道外生産分の30%を道内生産した場合で経済効果は1187億円、10%の場合でも現状から100億円近く多い605億円となる。

小磯特任教授は「現状では道内の機械製造業の弱さが課題。地元の再生エネ産業の育成が急務だ」と提言している。

電力改革 骨抜き許さず具体化を(北海道新聞社説2月17日)
経済産業省の専門委員会が電力システム改革の報告書をまとめた。家庭でも電力の契約先を自由に選べる小売りの全面自由化、大手電力会社の発電部門と送配電部門を切り離す発送電分離が柱だ。改革は段階的に進め2020年をめどに完了する。
 
大手電力会社による地域独占体制の撤廃へ踏み出した意義は大きい。経産省は報告書を基に電気事業法の改正案を今国会に提出するが、電力業界の反発は根強い。政府は改革を骨抜きにしてはならない。新しいエネルギー政策を見据え、制度設計の具体化を急ぐべきである。
 
改革の大きなきっかけは東日本大震災後の計画停電だ。電力会社間で電力の融通がうまくいかず、現行制度の不備を浮き彫りにした。電力市場に新規事業者を呼び込み、健全な競争を通して供給力を高めることは不可欠である。脱原発に向け、太陽光など再生可能エネルギーの普及のためにも改革は急務だ。
 
改革の第1段階は全国規模で電力のやりとりを調整する広域系統運用機関の新設だ。送配電網の整備計画も受け持ち、15年をめどに電力の融通体制を強化する狙いがある。小売りの全面自由化は16年の予定で、サービスの多様化と料金の引き下げをめざす。発電方法も消費者が選べるため、再生エネルギーを利用するケースも増えるはずだ。
 
ただ、値下げの実現には新規事業者の参入を活発にする必要がある。競争を本格化させるため、大手に比べ経営体力が劣る新規事業者への優遇措置も検討すべきだろう。改革の仕上げとなるのが18~20年をめどに実施する発送電分離だ。
 
電力会社の送配電部門を別会社にする「法的分離」方式を採用する。大手電力の送配電網を広く開放する仕組みは評価できる。独立性を担保する目配りを怠ってはならない。
 
課題は緊急時の電力供給の責任があいまいになり、安定供給の面で問題が残る点だ。政府は議論を先送りすることなく、綿密な制度設計に努めてほしい。
 
小売りの全面自由化と発送電分離は改革の両輪として着実な取り組みが肝要だ。にもかかわらず改正法案の本則ではなく、本則を補う付則に盛り込まれるのは疑問が残る。実施時期などもあくまで目標として示される見通しのため、電力会社に対する拘束力が弱まる懸念があるからだ。
 
改革の基本方針は昨年の民主党政権下で決まった。安倍晋三内閣が引き継いだことは前向きに受け止めたい。電力業界におもねることなく、電力選択の自由を保証する改革姿勢を貫くことが求められる。


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