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現在の石炭火力発電は従来の石炭火力発電とは大きく違いエネルギ-効率が大きく改善された発電所が建設されているにも関わらず従来どうりのCO2排出量にこだわる環境省は完全に時代遅れです

現在の石炭火力発電は従来の石炭火力発電とは大きく違いエネルギ-効率が大きく改善された発電所が建設されているにも関わらず従来どうりのCO2排出量にこだわる環境省は完全に時代遅れです。

石炭が燃焼するとSOx(硫黄酸化物)やNOx(窒素酸化物)、ばいじん(すすや燃えカス)が発生します。日本は高度成長時代には大気汚染が深刻な問題でしたが、過去40年にわたり環境対策技術や効率的な燃焼方法を開発するなど環境負荷を低減する努力を行ってきた結果、世界の石炭火力を牽引する存在となりました。

今日、石炭火力の煙はきちんとした浄化処理を行ったうえで大気中に放出されています。“黒い煙”どころか、ほとんど何が出ているか見えない状態です。

火力発電のコストは下げられる、石炭で高効率な設備が商用運転へ
[石田雅也,スマートジャパン]より転載
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1212/06/news080.html
原子力よりもコストが高いとされている火力発電だが、新しい技術でコストの低下とCO2排出量の低減を図る取り組みが着実に進んでいる。燃料費が圧倒的に安い石炭を使った高効率な発電設備が福島県内で実証を完了して、2013年4月から商用運転を開始することが決まった。
 
福島県いわき市で2007年から実証実験が続けられていた「IGCC(石炭ガス化複合発電)」の実用化にメドがつき、発電能力25万kWの設備が2013年4月から商用運転に移行する。火力発電事業を運営する卸供給事業者の「常磐共同火力」が実証設備を受け継いで商用化することになった。
 
IGCCは価格が安い石炭を使って高効率な発電を可能にする方式で、火力発電のコストを大幅に引き下げることができるため注目を集めている。東京電力によれば、火力発電で1kWhの電力を作るのに必要な燃料費は石油が最も高くて15.95円で、次にガスが10.67円、そして石炭は4.39円である。
 
現在の火力発電で最も多く使われているガスと比べて石炭のコストは4割程度で済む。このところ電力会社が火力発電による燃料費の増加を理由に電気料金を値上げする動きが相次いでいるが、コストが安く済む石炭による火力発電を増やせば、燃料費の問題は解消できる。

コンバインドサイクル発電で効率向上。これまで石炭を使った火力発電には大きな問題点があった。ガスや石油と比べて発電効率が低く、CO2の排出量が多いために、環境に対する悪影響が指摘されてきた。この問題を解決する新しい発電方式がIGCCである。
 
IGCC(Integrated coal Gasification Combined Cycle)は2つの技術を組み合わせて発電効率を向上させる。石炭を「ガス化」してから発電する技術に加えて、火力発電の最新技術である「コンバインドサイクル発電」を併用する。
 
従来の石炭による火力発電では、ボイラーで石炭を燃焼して蒸気を発生させて、発電用の蒸気タービンを回していた。この方法では熱エネルギーを電気エネルギーに変換する効率は40%以下にとどまる。IGCCでは最初に石炭をガス化して、まずガスを燃焼した熱でガスタービンを回して発電する。さらに燃焼した後の高温の排熱で蒸気を発生させて2回目の発電を可能にする。この2段階の発電方式は、天然ガスを使った最新の火力発電設備でも使われているコンバインドサイクルと呼ばれるもので、発電効率を大幅に向上させることができる有望な技術だ。
 
コンバインドサイクル発電はガスタービン内の温度が高いほど発電効率も高くなる特性がある。現在のIGCCの実証設備はガスタービンの温度を1200度で運転させて、発電効率を42.9%まで改善した。さらに商用運転の段階では1400~1500度に高める予定で、発電効率は48~50%まで向上する見込みだ。

古い火力発電設備をIGCCで刷新へ。いわき市のIGCCは国の補助金を受けたプロジェクトで、9つの電力会社とJ-POWERの共同出資による「クリーンコールパワー研究所」が約5年間にわたって長期耐久運転試験などを続けてきた。IGCCの実証設備は東京電力と東北電力が設立した常磐共同火力の勿来発電所(図3)の敷地内に建設されており、2013年4月からの商用運転は常磐共同火力が実施する。
 
勿来発電所では石炭を主体に4基の火力発電設備が運転中で、合計162万5000kWの発電能力がある。このうち2基は運転開始から40年以上が経過している。火力発電設備の耐用年数は通常40年程度とされていることから、今後はIGCCによる新しい発電設備へ順次移行していくことが予想される。
 
全国の電力会社は石炭のほかに石油を燃料に使った古い火力発電設備を数多く稼働させている。こうした発電設備を高効率なIGCCへ転換させれば、燃料費を大幅に削減することができ、同時にCO2排出量を抑制することもできる。原子力発電に頼らずに安定した電力を低コストで供給する体制を構築することは決して不可能ではない。

石炭火力に立ちふさがる環境省東電再生と電力再編に大きな壁
(週刊ダイヤモンド)

石炭火力発電をめぐり、経済産業省と環境省が水面下で激しい応酬を繰り広げている。原子力発電に次いで低コストの石炭火力を推し進めたい経産省と、二酸化炭素の排出の観点から反対姿勢を貫く環境省。議論の硬直は、火力再編を目指す東京電力の再生計画を揺るがし、ひいては電力業界の改革にも影響を及ぼしている。

「率直な感想から申し述べさせていただくと、私は非常に心を痛めています」1月14日朝に開かれた閣議の会見で、石原伸晃環境相が数十人の記者を前にとうとうと語りかけた。「石炭火力はコストが低いことも承知している。しかし、わが省のレーゾンデートル(存在意義)たるCO2(二酸化炭素)の削減には非常にネガティブな装置です」

思わぬ踏み込んだ発言にあわてたのが、石炭火力発電所の新設の是非をめぐって環境省と対立する経済産業省の担当者ら。すぐさま会見の議事録を入手し、情報収集に走った。石原氏の環境相就任後の初登庁の際、環境省幹部らが最初にレクチャーしたのが、石炭火力をめぐる経産省との議論だったという。そうした背景もあり、会見で「CO2は人類の存続のかかった問題」と念押しするほどだった。

石炭火力には、前近代的なイメージもある。なぜ、今ごろ大臣が発言するなど注目されているのか。福島第1原子力発電所の事故後、日本中の原発が停止する中、火力発電所は老朽設備を含めてフル稼働している。代わりに石油やLNG(液化天然ガス)の燃料費が巨額に跳ね上がり、2012年度は10年度比で3.2兆円増となる見込みだ。現在、各電力会社の電気料金値上げの元凶になっている。

政府試算によると、燃料単価では石油が1キロワット時当たり17円なのに対し、LNGが11円で、石炭は4円にとどまる。「コストの安さ」でにわかに石炭火力の必要性を主張する声が上がり始めたのだ。
特に、石炭火力の是非が死活問題になるのは、東京電力だ。昨年4月の値上げ前には世間から集中砲火を浴びた上、今年4月を見込んでいた柏崎刈羽原発の再稼働も完全に不可能となり、再値上げを検討する事態となっている。

このため、昨年7月策定の総合特別事業計画では石炭火力の増強を明記し、11月には、石炭火力を念頭に、260万キロワットの火力発電入札を発表するなど着々と準備を進めてきた。そして、入札の受け付け開始が2月に迫ったタイミングでの石原氏の発言。「これは環境省の意思表示だ」(東電火力部幹部)と衝撃は大きい。新設ができなければ「年間1000億~2000億円規模の追加コスト」(同)が必要になるため、難航する再生計画の見直し作業が窮地に陥りそうだ。

また、この入札には、別のもくろみもある。東電の再生を担う国の原子力損害賠償支援機構は、火力発電入札を「電力改革」の先鞭にしたい考え。資金不足にあえぐ東電に加えて、鉄鋼、化学メーカーや商社などが出資する特定目的会社を組織することで、東電からの火力発電の切り離しと、発電への新規参入を同時に進める狙いだ。

実際、昨年11月の入札の説明会には100社以上が詰めかけ、関心の高さをうかがわせていた。だが、石炭火力の見通しが不透明となった今「一社、また一社と意欲を失う企業が増えている」(電力会社幹部)。現時点では環境アセスメントの緩和も見通せず、東電の計画は瀬戸際を迎えている。

原発再稼働問題も加わり全国の設備計画に影響

「東電の入札を成功させたいがために、経産省が石炭のアセス緩和を焦っているだけじゃないか」と環境省が指摘するように、東電の事情だけで、世界的な注目も高いCO2削減の議論に影響が出るのは釣り合いの取れない話だ。

だが、石炭火力の成否は東電だけでなく業界全体にも影響する。「今は、社内でも石炭に対する魅力はなくなってしまった」中部電力の関係者はこう話す。民主党政権が「原発ゼロ」を打ち出した際、「中部と関西(電力)どちらが先に石炭増強計画を打ち出すか競っている」(電力会社幹部)状況だったが、環境省のかたくなな姿勢もあり、機運は萎んだ。

中部電力は愛知・知多半島の武豊火力発電所に石炭火力増強を検討していたもようだが、現在、議論されている節はない。逆に、微妙な立場に追い込まれているのが、関電だ。原発比率が半分と高く、しかも運転が制限される可能性がある40年近くたった原子炉が4基もある。このためコストの低い石炭火力増強の必要性は高い。

関係者によると、関電は、Jパワー(電源開発)の高砂火力発電所に建設を検討しているもようだが、この計画が実際に動くかどうかは「東電の入札の成否にも左右される」(電力会社幹部)という。中国電力なども石炭火力の検討は進めており、「各社が東電の動きを見守っている状態」(同)といい、投資判断を決めかねている。東電の入札次第で日本全体の電源構成が大きく変わる見込みだ。

さらに、これら石炭火力増強の行方には、環境省の姿勢だけでなく、原発の再稼働問題が関わってくる。自民党政権は原発再稼働を推しており、一番コストの安い原発が動くなら火力をあえて建てる必要がないためだ。

地方電力には「原発再稼働より、石炭を建てるほうが(CO2が増加して)申し訳ない感じだ。石原氏の発言も原発を動かすことの裏返しだろう」とみる向きもある。ところが、党内からは「石原氏のよい人柄が出た発言で、裏の意味はないはず」(自民党中堅)との声も聞こえるほか、そもそも推進側の経産省も「原発再稼働は絶対に簡単にいかない」と口をそろえる。

結局、今後は、自民党政権が公約に掲げたエネルギーミックスの観点が重要になってくる。震災以後の電源構成では、石油火力とLNG火力の比率が極端に上がっている。発電単価とCO2排出量の観点から、今後の火力の主役がLNGなのは間違いないが、輸入先における中東比率が高いなど安全保障上の課題もあり、極端に依存するのは好ましくない。現時点での建設計画も石炭が3基なのに対し、LNGは11倍の33基に上る。

一橋大学の橘川武郎教授は「日本は自国に資源がない以上、電源の多様化は必要」と指摘する。自民党政権は、原発再稼働の指針が示され、参議院選挙もある7月までは原発問題に深入りはしないとみられている。

だが、7月を待てば原発すべてが動き震災前のような電力の形態に戻る、などということはないはずだ。原子力、火力発電を取り巻く環境が整わないと、新規参入も見込めない。政権は、エネルギーの議論を公約の「10年後」まで待つのではなく、大枠の方向性を早く打ち出すべきだろう。

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