今回の緊急経済対策のバラマキ予算を財務省が認めているのは消費税増税の為には景気の回復が条件に成っている為で一時的でも無理やり景気が回復した様に見せる為
自民党政権は小渕内閣から何回も緊急経済対策と云う名目で大型補正の公共事業を行ってきました。その結果が1000兆円の財政赤字を作りだしました。
今の時期に、公共事業の大型補正予算を組んでも、実際に工事を発注する部門では、新しい設計書など作っている余裕が有りませんので発注官庁は来年度・再来年度予定の事業を前倒しで発注するだけです。
確かに、橋梁や学校などの耐震化は必要ですが、大きな予算を消化する為に、通常の予算査定で認められない事業までこの緊急経済対策事業と云う名前を付けて発注してしまいます。
これはかつての手法と何ら変わりが有りません。自民党の大臣は今回は成長戦略に必要な予算を使うと言っていますが、今までも同じ様な事を何回も聞きました。その結果成長した産業などは、数えるくらいしか有りません。
今回の政権交代で一番喜んでいるのは、大きな予算を自由に使えるようになった中央官僚と地方自治体の公共事業発注部門です。
また、あれほど自公政権は野党時代、子供手当や高速道路の無料化予算をバラマキと批判していましたが、緊急経済対策の為なら、今回の様に赤字国債を大幅に増発しても許されるのでしょうか。
今回の緊急経済対策のバラマキ予算を財務省が認めているのは、消費税増税の為には景気の回復が条件に成っている為で、一時的でも無理やり景気が回復した様に見せる為と考えられます。
緊急経済対策 公共事業頼みは危うい
(北海道新聞社説1月12日)
規模の大きさを追うあまり結局、公共事業頼みになったと言わざるを得ない。政府はきのう総事業費20兆円の緊急経済対策を閣議決定した。経済対策としては過去2番目の規模だ。実質国内総生産(GDP)を2%押し上げ、60万人の雇用創出を見込むという。
デフレ脱却に向け、メニューはそろえた。成長分野への支援策を厚くし、賃上げや雇用を拡大した企業への減税など、国民生活の向上に結びつく施策も盛り込んだ。問題は、波及効果の乏しい公共事業の大盤振る舞いだ。国が肩代わりする自治体の負担分を含め約5兆円に膨らんだ。財源は全額、建設国債を発行してまかなうため、財政危機に拍車がかかる。
対策の裏付けとなる補正予算案は15日に閣議決定され、今月末召集の通常国会に提出される。事業効果を中心に徹底審議が求められる。緊急経済対策は、昨年末の衆院選の影響で2013年度予算の成立が5月にずれ込むことから、切れ目なく景気をてこ入れする狙いがある。
医療などの成長分野、先端科学技術分野の支援に加え、大学の基礎科学研究の実用化にも資金を振り向けるなど、目配りはきめ細かい。また景気の先行き不安から企業が積み上げてきた巨額の内部留保と、高齢者層が保有する個人金融資産に着目。法人税や贈与税の減税で「休眠資金」を引き出すといい、工夫も感じられる。
一方、公共事業は、基礎年金を除く国の補正額10兆3千億円の半分を占める。参院選対策で、事業を積み上げたとみられても仕方がない。中身は、東日本大震災からの復興支援強化や全国の老朽化したトンネル、橋の改修、学校の耐震化などが中心だ。だが、全国的な建設労働者不足で公共事業が滞っており、「消化不良」の恐れが強い。
景気対策としても、浮揚効果は一時的で、日本経済を成長軌道に乗せるのは難しい。円安で一息ついているとはいえ、今後に課題を残した。公共事業以外でも、防衛装備品の更新に2千億円を盛り込むなど「便乗要求」も少なくない。
民間のシンクタンクには「GDPの押し上げ効果は0・6%程度にとどまる」との試算もある。一方、緊急経済対策で12年度の新規国債発行額は50兆円に達し、民主党政権が定めた年間44兆円の上限を大幅に突破する。
政府には財政再建への道筋を示す責務がある。3年半ぶりに復活した経済財政諮問会議が、中長期的な財政の枠組み「骨太の方針」を6月にまとめる。景気対策とどう両立させるのか。真価が問われる。