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日本の根本的なデフレの原因を解決せず単なるカンフル剤的財政出動だけでGDPを2%押し上げてインフレ2%に持っていけると考えている政府・経済学者は日本の現状を全く理解していません

昨日政府は、緊急経済対策を含む2012年度補正予算案を決定しましたが、民間エコノミストや欧州メディアからはかなり批判的な意見が出ています。

日本の根本的なデフレの原因を解決せず、単なるカンフル剤的財政出動だけで、GDPを2%押し上げて、インフレ2%に持っていけると考えている、政府・経済学者は日本の現状を全く理解していません。

現在日本は団塊の世代の殆どが退職年齢を迎えて、150~200万円の年金暮らしに成っています。また運良く65歳まで再雇用されても、賃金は殆どの企業で1/3程度に減額されてしまいます。

人口減少で購買層が減っている中、さらに多くの労働人口が減っている事が、デフレの一番の要因ですが、これを解消する政策を行わないで、デフレ脱却など出来るはずが有りません。また政府は成長分野に重点的に予算を配分すると言っていますが、予算執行の現場ではその様な事は殆ど出来ていません。

北海道開発予算の例も今日の新聞に載っていましたが、殆どが従来からある事業の前倒しです。こんな予算は一時的にしか効果は無い事はすでに実証済みです。欧州のメディアもこの事に対して強く懸念を表明しています。

消費税増税法案を通す前に、社会保障費の増額の為に消費税増税法案を通して財政規律を守るすと言った、自公民三党の国民への説明は何処へ行ってしまったのでしょうか。

補正予算案決定 GDP上げ効果疑問も民間試算は1%未満
(北海道新聞1月16日)
政府は、緊急経済対策を含む2012年度補正予算案が日本の実質国内総生産(GDP)を約2%押し上げ、60万人の雇用を創出する効果があると強調した。

しかし、民間エコノミストの予測では、GDPのプラス効果は1%未満とするものが多く、政府が発表した経済効果に疑問の声が出ている。内閣府は、成長分野の規制緩和や企業への減税揃置などで、民間企業による投資が増え、企業による技術革新や研究開発が進むと分析。雇用や所得の拡大で消費が増え、大きな効果が期待できると説明した。
 
エコノミストの間でも、一時的に景気を底上げするとの見方は多いが、成長の持続性には厳しい意見が多い。BNPパリバ証券は、実質GDPの押し上げ効果は0.6%にとどまり、13年度の成長率は1・4%程度と低めの予想をする。
 
野村証券は、成長率が補正予算で0.8%上がり、13年度は1.8%に高まると予想した。尾畑秀一シニアエコノミストは「企業支援など公共事業以外の施策が効けぱ、成長率はもっと高まる可能性がある」と話す。
 
高めの予想を示したSMBC日興証券でも押し上げ効果はO・9%で、13年度は3.2%成長と予測した。牧野潤一チーフエコノミストは「建設業だけでなく、素材産業などにも波及し、直接的な効果が高い」とした。
 
甘利明経済再生担当相は、補正予算案の柱一となる公共事業に関し「産業競争力を強化し、民間投資の呼び水となる予算」とし、厳しく選別したと説明している。

北海道開発予算額ありき 拭えぬバラマキ色

2012年度補正予算案で、北海道開発予算は年間予算のほぼ半分が追加される大型補正となった。農業農村整備など民主党政権下で停滞を余儀なくされた事業は回復ヘー歩進むが、防災・減災と老朽化対策を柱とした額ありきの事業選定には、拙速感も否めない。

税金の使い道に対する道民の視線が厳しさを増す中、「必要なものだけを積み上げた」(太田昭宏国土交通相)と言い切れるかは論議を呼びそうだ。     

「後倒しになっていた事業を元に戻すことができる」。国土交通省北海道局幹部は、遅れ気味だった道内インフラ整備の充実に期待を高める。道内大手ゼネコン社長も「こなすのは大変だが、中小建設会社にとっても雇用を増やすチャンスになる」と、低迷する道内経済のカンフル剤としての役割に期待する。
 
一方、安倍政権発足後、わずか3週間足ら一ずの補正編成はかなりの急ぎ足だ。開発局幹部は「早められる事業をひたすら積み上げた」。道路、港湾、堤防などの老朽化対策は、事業項目によっては半分以上を13年度予算案に盛り込む予定だった内容から補正予算案に前倒ししたという。
 
その結果、11日に締め切った13年度予算の概算要求に向けては、14年度予算で想定されていた事業のうち土地確保や設計が済んでいない事業まで加えたという。補正予算案の13年度中の消化を危惧する声すらある。
 
衆院選後の早い段階から自公幹部は大規模財政出動による市場の反応を意識し「補正は10兆円規模」とアナウンス。これに合わせて各省庁が予算積み上げを図り、公共事業を担う国交省の予算規模は「まさに政治案件」(同省幹部)となった。
 
太田国交相は15日の記者会見で「迅速が拙速にならないよう、国民が納得できる事業になるようさらに吟味したい」と述べたが、バラマキ色を拭えないのが実情だ。 

欧州メディアは安倍政権に厳しい評価 景気刺激策に懐疑的「民族主義は不要」
衆院選で自民党が圧勝してから1ヵ月たったが、欧州メディアは安倍晋三政権に対する厳しい報道を続けている。

右傾化や対中国関係悪化への懸念に加え、日本政府がまとめた大規模な財政出動を伴う2012年度補正予算案についても、過去の刺激策と変わらないとして、景気回復にはなお時間がかかるとの見方を示して英紙フィナンシャル・タイムズは14日の社説で、総額13兆1千億円の補正予算案をめぐり市場は大規模な財政出動を好感しているが 「楽観し過ぎ」と警告。

公共事業と補助金による景気対策は1999年以降14回も実施されたが「どれも経済を立ち直らせられなかった」とし、労働人口の減少に対応するため移民政策や女性の活用、サービス部門の規制緩和といった改革が必要と提言した。

フランスのテレビ局フランス24も、補正予算案について「20年間も景気剌激策を続けており、今回も永続的な効果を上げるかは疑 問」との評価を紹介。ドイツ誌シュピーゲル(電子版)は、日本の借金は「(破綻危機に陥っている)ギリシャより悪い状況にある」と指摘した。
   
自民党が衆院選で圧勝した直後は、靖国参拝や教科書問題を挙げ「ゆがんだ歴史認識を持つ議員が安倍内閣の閣僚に多数入っている。民族主義的政権はアジアに不要」(英誌エコノミスト)といった右傾化批判が目立った。

最近の首相は経済立て直しに専念する姿勢を見せているが、欧州では、経済政策にも懐疑的な見方が根強いといえそうだ。


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