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あなたは検察に取り調べられた時どの程度この極限状況に耐えることができるだろうか

ごく普通の人が、ある日突然犯人として逮捕され、自白まで追い込まれる日本社会、検察の恐怖は小沢事件を見ても良く解る事です。

その事から、郷原氏などが検察改革を叫んでいますが、法務省は全く無視して検察・最高裁絶対の体制を続けています。

この事について『あなたはどの程度、この極限状況に耐えることができるだろうか』と社会学者 芹沢一也氏が解説をしている記事が北海道新聞に載っていました。

PC遠隔操作事件 冤罪生んだ強引な捜査
(北海道新聞11月2日 慶応大学大学院博士課程修了 社会学者 芹沢一也)
 
脅迫メールを送りつけたとして4人が逮捕された一連の事件が波紋を呼んでいる。捜査機関はIPアドレスによって犯人を特定したと思い込んだが、実際には遠隔操作ウイルスに感染したPCから勝手にメールが送られたものだったと発覚したからだ。

これを受けて10月18日、警察庁長官が誤認逮捕を事実上認め、謝罪する事態にまでいたった。 こうした不手際を目の当たりにして、捜査機関の技術レベルの低さを嘆く声が聞かれた。確かにこの体たらくでは、今後、高度化し続けるサイバー犯罪に対応することなどできないだろう。

だが今回の件が問題なのは、そうした未来的な次元においてだけでなく、極めて古典的な次元においてでもある。いうまでもなく、「冤罪」をめぐってだ。

とはいえ、訝るしがる人もいるだろう。やっていないならばなぜ、被疑者は「自白」したのかと。横浜市のホームページに小学校の襲撃予告を書き込んだ事件と、お茶の水女子大付属幼稚園などに脅迫メールを送った事件において、それぞれの被疑者が捜査過程で犯行を認めていた。
 
報道によると、前者の容疑をかけられた大学生は、県警の取調官に「認めないと少年院に行くことになる」と、また検事には「認めないと長くなる」と脅されたとしている。

また後者の容疑をかけられた男性は、「同居している女性をかばうために容疑を認めた。釈放されるまで、ずっと女性が犯人だと信じていた。嘘をつき続けるのはつらかった」と話したとのことである。

自白研究の第一人者である浜田寿美男氏によれば 「うその自白」には三つのタイプが、がある(「自白の心理学」)。        

ひとつは、「自分にとって大事な人が真犯人だと知って、その人が捕まるくらいなら自分が代わりにという心理で名乗り出るもの」。ふたつめは、「事件の周辺にいた人が疑われ、事件前後のことを問い詰められて、うまく思いだせないまま、自分の記憶に自信を失って、自分がやったのかもしれないと思うようになる自白」。そして最後が、「取り調べの強圧にさらされて、この辛さに耐えきれず、相手のいうままに認めてしまう迎合型の自白」。ちなみに、最後がもっとも一般的なものである。
 
今回のケースでは、迎合型の自白と身代わり型の自白だといえるだろう。いずれにしても、自白に追い込まれると、次いで被疑者は「自分が犯人になったつもりで犯行筋書きを考えていく」という。

当然、辻褄の合わない話がでてくるが、取調官に見当違いや記憶違いを正されながら、証拠や現場状況に矛盾しない犯行筋書き、つまりは「やってもいない」自白調書が作成されていくのである。こうして冤罪が発生する。

自分は犯罪などとは無緑だし、また仮に嫌疑をかけられたとしても、自分であれぱきちんと弁明できると、この文章を読んでいる方たちは思うだろう。だが、今回の件からも、ある日突然、犯罪に巻き込まれることはありうるし、また数多ある冤罪研究をひもとけば、取り調べ過程で「嘘の自白」にいたるのは、むしろ「通常の心理」がたどる道筋なのだ。
 
何度も版を重ねている警察官向けのテキストには、こう書かれている。「頑強に否認する被疑者に対し、『もしかすると白ではないか』との疑念をもって取り調べてはならない」(【犯罪捜査101問】)。
 
無実の人間は当然、懸命に弁明しようとする。人間心理の常として、「本当のことをいえば分かってもらえる」というのがあるからだ。ましてや。普通の人にとって、取調官は「正義の味方」だろう。だが、取調官にとっては、それは「頑強に否認する被疑者」でしかない。

日常生活から隔絶された孤立無援の取調室の中、あなたのすべての言葉を頭から疑ってかかる取調官が、何時間も何日も、「否認を続けると罪が重くなる」 「家族や会社も捜査しなくてはならなくなる」などと脅してくる。あるいは人間性を否定するような言辞を平気で口にする。
はたしてあなたはどの程度、この極限状況に耐えることができるだろうか。

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