« 官僚統治こそが決められない政治の根本原因だ | Main | 小沢事件は検察と野田・仙谷・前原一派の謀略と解りました »

消費税増税は歳入不足を補えない下策

 消費税増税は是か非か歳入不足を補えない下策と言う記事が北海道新聞に載っていました。現在の政府や自民党のやろうとしている消費増税は単なる時間稼ぎで、抜本的な対策がなけらば何もならないと解説していますので、転載します。

(もたに・こうすけ=日本総合研究所主席研究員)(北海道新聞6月3日)

消費税増税は是か非か。政局の行方は知らないが、冷静に自分の意見を持っておきたい方の参考に、シンプルな数字を使って卑見を供したい。
 
消費税増税は、大出血を止めずになけなしの量を輪血するような、その場しのぎの策だ。なにぶんわが致府は、年間40兆円弱の税収に対し90兆円以上を支出し、足りない50兆円以上を国債発行=借金増加で補っている。増税で期待される十数兆円程度の歳入増は、焼け石に水でしかない。

しかも、消費税が内税方式であることもあって、多くの企業は増税分を価格に転嫁できず、さらなるコストダウンに動くだろう。前回の消費税値上げ時もそうだったが、これが内需不振に追い打ちをかけ、法人税や所得税の減少が消費税増税分を相殺してしま可能性が大きい。しかし、このような訳の分からない下策を取らざるを得ないところにまで日本の財政は追い込まれている。

国債の格下げ懸念
そもそも政府の税収は、過去最高のバプル景気のころでも年間60兆円。再現できても、年30兆円以上が足りない計算だ。今や合計で10兆円程度しかない国家公務員人件費と公共投資をさらに削っても、もう大した効果はない。結局、合わせて50兆円を超える年金・医療関係支出と地方交付税に大なたを振るい、かつ納税者背番号制導入で税の披け道をふさぐしかないのだが、調整にどれほど時間がかかることか。ところが欧州経済危機で、その時間がなくなってしまった。

懸念されるのは、対国内総生産(GDP)比で主要国最国最高の残高水準に積みあがった日本国債の格下げだ。仮に格付けがイタリア並みに下げられ金利が上昇すれば、現在年間10兆円の国債利払いが30兆円に跳ね上がる。政府の資金 繰りはつかなくなり、発行済み国債の流通価格は暴落、年金を筆頭に国民の金融資産は大きく目減りするだろう。そこまで行かずとも、わずかな金利上昇で政府の負担は数兆円単位で増えてしまう。
 
税収増効果の怪しい消費税増税だが、「日本は南欧諸国とは違い借金を自分でコントロールできるから、格下げは無用だ」というサインにはなる。外国の格付け会社向けのポーズで身を切&とは、独立国として余りに情けない。だが借金潰けの身というのはそもそも情けないものだ誇りと自立を取り戻したいのであれぱ、少なくともこれ以上借金の額面増加は止めなくてはならない。

時間稼ぎにすぎず
使用済み核燃料をどう処分するのかという根本問題を先送りしたまま、原発が再稼働されようとしている。返済のめどが立たないままの国債増額と、構図はまったく同じだ。しかしツケは、結局先送りした当人に回ってくる。そう、

増税は主権者である国民が払うツケなのだ。もちろん同じく責任者である政治家も財務省も、身を切ってツケを払わねぱ筋が通らない。
 
増税は抜本策を講じるまでの時間稼ぎにすぎない。消費税の地方税化などを通じて財源と責任をともに地方に降ろし、それぞれに生き残りをかけた工夫を求めることこそ、王道なのではないだろうか。


|

« 官僚統治こそが決められない政治の根本原因だ | Main | 小沢事件は検察と野田・仙谷・前原一派の謀略と解りました »