東京新聞長谷川副主筆は裁判にグレ-などと云うものは無く白か黒だけで多くのマスコミがその様に報道した事がおかしいと述べました
先週のBS放送に出演した自民党の元読売新聞記者茂木 敏充政調会長は、指定弁護士が控訴した事に対して、小沢裁判の結果は殆ど真黒なグレ-の判決だったので、控訴も当然だったと述べた事に対して、東京新聞長谷川副主筆は、裁判にグレ-などと云うものは無く、白か黒だけで、多くのマスコミがその様に報道した事がおかしいと述べました。
茂木 敏充政調会長は自分が憲法を順守しなければならない国会議員で有る事を忘れ、一読売新聞の記者の様なコメントをした事は、衆議院議員として完全に失格です。茂木 敏充政調会長は評論家でも、新聞記者でもありません。茂木氏は現職の国会議員です。その様な立場の人間が最初から裁判に存在しない、グレ-の判決などと発言する事は、議員の資格が無いと思われます。裁判にはグレ-などと云う判決は存在せず、東京新聞長谷川副主筆が云う様に有罪か無罪かだけです。
また、判決文を読むと殆ど黒に近いと述べましたが、本当に判決文を読んだとは到底思えない発言でした。もし本当に読んでいるなら、秘書が間違って虚偽記載をしたと裁判長が認定し、それを小沢氏に見せて了承を得たと認定した判決からは、全く共謀罪など読みとれるものではありません。共謀で有れば、故意に虚偽記入を行う事を指示させたと認定しなければならないはずです。
秘書達の犯した虚偽記入も意図的に行ったのでは無く、土地取り引きの関係で、購入時期を思い通りの時期に出来なくなった為に、仕方なく虚偽の記載をしたと認定しています。
本当に大善判決を茂木 敏充政調会長が黒に近い判決と思っているなら、捏造報道ばかりしているマスコミの報道を自民党の政調会長までが、鵜のみしてしまい、陸山会事件で出された登石判決の、秘書達が水谷建設や天の声で得たお金を隠す目的で、記載日時をずらしたと云う推認判決と、今回の判決は全く違うと云う事を、理解できない無能な国会議員と云う事になります。
しかし、自民党の政調会長で有れば判決の本当の内容は認識しているはずですが、多くのマスコミの論調は、小沢氏の判決は黒に近いグレ-と言っていますので、マスコミの論調と同じ事を言った方が良いと云う思惑で発言したと思います。
今回の様な発言をした茂木 敏充自民党政調会長や小沢裁判の判決に対して多くの間違った認識持っている人々は、東京新聞に掲載された記事をも一度読んでから発言してもらいたいものです。
「『無罪は無罪』の重み」 小町谷育子弁護士 2012/05/13(東京新聞)
社会的に着目された刑事事件は、刑事手続きの在り方や報道に根本的な疑問を投げかける。小沢一郎民主党元代表の無罪判決に対する控訴の記事(5月10日)を読んで、そのことを強く意識した。
無罪判決の控訴に対して、刑事被告人の立場が続くことへの問題性をクローズアップした報道は、これまであまり見かけなかった。強制起訴の事件を特別扱いする必要はないという識者の意見は理解できるし、別に扱うならば、指定弁護士は控訴できないという制度設計にしておかなければならなかったはずだ。そうでない以上、控訴の判断は他の事件と同じように判断されなければならない。
ところが、今回は、刑事被告人の人生、生活に与える重い影響が取り沙汰される。それっておかしくないだろうか。他の事件の刑事被告人が置かれている境遇もまったく同じである以上、想像力をめぐらせて、その痛みを感じるべきであろう。厳しい攻防が続く刑事裁判の法廷に毎回出席し、無罪で喜ぶ間もなく控訴され、延々と刑事手続きに拘束される。最高裁で無罪が確定する頃には、ゆうに十数年が経過していることも珍しくない。
裁判員裁判が始まり、第一審の事実認定が重視される傾向になったのは、大きな変化だ。同じように市民が手続きに関わる強制起訴の事件を機に、この際、無罪判決に対する検察官控訴を認めない制度を採用することの当否を検討してもいいのではないか。三審制を維持するのであれば、強制起訴の事件とその他の事件との間で、控訴の当否を左右するような違いがあるのかどうかの議論を深めていくべきだ。そのための材料を提供するのにふさわしいメディアは、詳しい解説を掲載することができる新聞だ。
被告人の負担は刑事裁判だけではない。無罪判決を手放しで喜べないのは、判決報道の内容にもある。「無罪あろうと倫理的な責任があるのではないか。限りなく有罪に近いグレーだ」というトーンが目につく。イタチの最後っ屁のような印象を受ける。無罪は無罪。そのことの重みを感じ取り、冷静に判決の分析を行い、どこが決め手となったのかを分かりやすく市民に伝えることが報道の第一の役割ではないか。
無罪判決に対する評価は簡単ではない。別な裁判官になれば、証拠の評価が簡単に変わるかのような意見が出てくるのは、裁判官の事実認定を軽視しているとしか思えない。私たちはそんな不安定な裁判制度を抱えているはずはない。刑事控訴審の構造が事後審であることも理解されていないに違いない。刑事手続きを正確に知り、的確な批判や理解をすることで、感情的な意見の表出が減ることを願う。